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ねこのお医者さん

 学生の時分だったか、お腹のどこか忘れたけど痛くなって、あまりそれまでに経験したことない感じだったから少し不安になり、棚の下からほこりの被った「家庭の医学」を引っ張り出してページをめくってみたところ、恐ろしい病名ばかりが列挙されていて、よけいに心配になった。結局その腹痛は一晩寝たら治まって、その後なんともなかった。「ねこのお医者さん」は獣医の石田卓夫氏が書いた、いわゆる猫のための「家庭の医学」だという文句が帯に書かれている。
 本の前半は、健康な猫の環境作りや病気のサインの見分け方など、猫との生活における注意点、後半は猫の病気リストで、症状や治療法が病気ごとに描かれていて、まさしく「家庭の医学」と一緒で、読むと怖くなる。
 この本を買ったいきさつは、やはり猫本関係でアマゾンが紹介してきて、みゆちゃんに元気で長生きして欲しいと思い、あまり迷わず購入してしまった。
 まえがきを読むと、どの段階で獣医に行くべきかなどを載せてある、と書いてあるので、これは重宝しそうだと思い読み進めていくと、結局、たいていのことに、「すぐ病院へ行きましょう」というようなことが書かれていた。もっとも、責任回避という点から考えると、それも仕方がないと思う。そのへんは柔軟に考えて、普段の状態を一番よく知っている飼い主が判断していけばいいのだろうけれど、トイレの環境についての項で、著者の家には猫が四頭いて、トイレに他の猫の臭いが残っていると嫌がるから、一日に二回、砂をすべて取り替え、その結果一袋8.5リットルの猫砂二袋が一日でなくなってしまう、と書かれているのには驚いた(紹介しているだけで、それを勧めているわけではないけれど)。
 この本の中で一番よかったのは、猫の体の特徴を述べた項である。猫の骨が強くて軽く、柔軟であるために、あのようなしなやかさが生まれるのだとか、どんな明るさにも対応できる目のことだとか、敏感なヒゲ、人間には聞こえない超音波までとらえることの出来る耳のことを読んで、妄信的な猫信者は、いかに猫がすぐれた動物かということを再確認して、幸せな気分になれた。
 とくに目新しい情報はなかったけれど、病気のことが詳しく書いてあるから、猫の家にそういう本が一冊あるのは、悪くはないと思う。


ねこのお医者さん (講談社プラスアルファ文庫)
コメント ( 6 ) | Trackback ( 0 )
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コメント(10/1 コメント投稿終了予定)
 
 
 
持ってまっせ! (のり)
2007-10-01 20:43:46
読むと心配増えるんですけどね(^^;
某テレビ番組は観てると青瓢箪になりそうで観ませんが…。
 
言葉が通じればなぁ。と不可能な望みばかり抱いてしまいます。
病院嫌いな私が猫の気も知らず病院に連れて行くのも、
冷静なもう一人の私から見ると滑稽だなぁ。と。
 
私も猫砂のことを読んで驚きました。
消費量の割りに猫砂ってお安くないんですよねぇ。
でも人のトイレの水も無駄が多い気がしますが…。
 
 
 
家庭の医学と言えば (弟子)
2007-10-02 00:14:02
実家にあった家庭の医学(ボロボロになってたけど今もあるのかは不明)は古すぎてブラジャーのことを乳バンドと書いてあったのをキョーレツに憶えてるっス。
 
 
 
結局、病院へという助言 (シェル)
2007-10-02 13:12:23
暫らく様子見て心配が続くようだったら病院へ…、
というのは、人間の医学書と同じですね。
風邪は万病の元というか、風邪が万病に思えてくる
みたいな…。いくら本やネットで詳しくなっても
判断できるのはお医者さんという結論。
でもその本は読んでみたいです、興味あります
猫は人間にはない超能力を持ってる不思議で、
魅力的な生き物ですね。しゃべれたらどんなことを
教えてくれるかな、なんて考えると楽しいですね。
 
 
 
のりさんへ (チナツ)
2007-10-02 16:58:26
そう来ると思ってました!
のりさんだたら、すでに持っておられるかな~と。

やっぱり猫は病院嫌いでしょうけど、心配なときばかりはしょうがありませんよね。
のりさんも病院嫌いだそうですが、猫ちゃんだけでなくご自分のときも、何か心配なことがあったら、お医者さんにみてもらってくださいね。
 
 
 
まじですか (師匠)
2007-10-02 16:59:49
そんなおおやけな(?)場で「乳バンド」なんて言葉がまかり通っていたのか…。ただのオヤジ言葉だと思ってた。
しかし、その家庭の医学、もうちょっと内容つかえんのとちがう…
 
 
 
シェルさんへ (チナツ)
2007-10-02 17:03:43

「ねこのお医者さん」には、猫の気持ちがよりわかるように、猫がこういう気持ちのときにはどんなジェスチュアをするかなども述べられているので、もし興味がおありでしたら、いちど本屋さんでのぞいてみられたらどうでしょうか。
猫が喋る…想像するだけでも楽しいですが、きっと、可愛い声をして、生意気なことを言ったりするんでしょうね~。
 
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