あみたろう徒然小箱

お気に入りのモノに囲まれ、
顔のつぶれたキジ猫と暮らせば、あぁ、極楽、極楽♪

水かき足、氷で滑る

2016-01-31 | 散歩の道すがら
鴨不在のあの日から2週間ほど経ち、ひさしぶりに大学構内の池に寄りました。
もちろん手には濡らしたパンの角切りを持って。


さ、今日はいかに? アオサギがいないといいなぁ。
恐る恐る、期待半分で見渡してみると、
いない、いないッ!
ツーンと威張ったアオサギはもういません。
この池にいるのは大きな鯉が主だし、
小さな魚がいるとしても、水が濁っているためなかなか見つけるのは大変。
ここは効率が悪いぜと諦めたのかもしれません。
どうか、明日も明後日も来ませんように。

池を見渡してみると端っこの方に2羽3羽、
こっちの隅にも張りだした植え込みの下にも3羽4羽隠れていました。
いそいそとパン袋を開けて、いつものように投げようとしていると、
素早く私を見つけた鴨達、急げ急げとやって来ました。
スイスイ、スイスイ。
鴨は用心深いということですが、
餌の少ないこの時期、パンを投げてくれる私を覚えたようです。
なかには池の縁まで上がってきて催促する鴨も。
 待ちきれず、池の縁まで上がって来る鴨もいる
 こちらが移動すると、“そっちに行かないで”と通路まで進出してきた
あっちにポン、こっちにエイッとシュートを投げているうち、
戯れに、池の端に張っている氷の上にも投げてみました。
すると2羽の鴨が氷の上に飛び乗り、果敢にアタック。
われ先にと奪い合うから、勢い余ってツルン、後ろに投げると引き返してはツルン。
氷の上に鴨がいると、当然ながら水かき足が丸見え。
滑る鴨を見ながら、ついクスクス笑ってしまいます。
遊び心で、ついつい氷上めがけて投げ続けてしまいましたとさ。
 氷の上だと水かき足が丸見え
 慌てれば慌てるほどツルン。右は池に浮かぶ正しい鴨の姿
 学習能力発揮、動きが用心深くなってきた

まだまだ寒さは続くそうですが、大学構内のあちこちに春の兆しが。
兼松講堂前の梅の古木に、白梅が咲き出しました。
1か月前には固かった蕾がはじけたのを見つけたら、心も弾んでプチッとはじける思い。
春がやって来るんですね。
鴨に癒やされた極寒の季節も、いよいよ短くなってきました。
 1か月前にはこんなに固かった蕾
 こらえきれずに笑いました

そして昨年2月のあの日のように、
いつのまに全員が寒い北の国へ飛び立ってしまい、ここは静かな池に戻ってしまうのです。
春は待ち遠しいけれど・・・、寒さよもう少し続いてね。

鴨を追い払ったのは誰?

2016-01-19 | 散歩の道すがら

いつもはこの表池と裏池を合わせ、30羽ほどの鴨がいる

4日前、それは大学センター試験の前日のことでした。
センター試験は2日間行われ、その間は部外者が大学に入ることはできません。

ではその前にと、散歩の帰りに大学構内の池に寄りました。
手には小さな角切りの食パンを入れた餌袋を持って。
パンは黴びないように、細かく切って乾かしておくのですが、
乾いたままだと力を込めて投げても遠くに飛びません。
いつも一番手前で待っているボス鴨数羽が真っ先に取ってしまい、
せめて1個でも欲しいと寄ってくる弱い鴨達は追い払われてしまうのです。
鴨のいじめ方ってけっこう酷いんです。

あの平たい嘴で勢い良く突っ込んでいき、相手の羽根を突いたり引っ張ったり。
許せんッ! 
どこの世界にも弱い者いじめってあるんですね。
「こら~ッ! ダメ~ッ」
私は、パン取り競争からあぶれた遠くにいる鴨や、
すっかり諦めて近寄ってこない鴨達を狙って投げるようになりました。
あまりに力を入れて投げるため遠心力に振り回されて、
池に落ちちゃうんじゃないか、そんな危険さえ感じるほど。
中にはいじめられて岸まで上がって来る鴨もいるのですが、
そこまで意地悪な鴨は追ってきません。
重さがない乾いたパンは遠くに飛ばない上、
鴨たちも「乾いていると食べにくい。いらないや」と、口から出したりすることがあります。
もちろん池の水に濡れれば、いずれ食べるのですが。

追いかけ回すボス鴨に逃げる鴨。「ダメ~」とモザイクの主が叫ぶも効果なし。足元に1羽上がってきました。

平等を旨とする私、以後はパンを水で湿らせてから出かけることにしました。
湿ったパンは適度の重さがあり投げるには好都合、かなり遠くまで飛んでいきます。
遠くにいる弱気な鴨にポーン、ポーン、近くのボスにもポトン。
ここという所に命中するようになりました。

さて、センター試験前日に話しは戻ります。
「さぁ、パンを持ってきたわよ」
や、やっ、今日は池には一匹もいないじゃありませんか!
総勢30羽以上の鴨は、いったいどこに行ってしまったのか?
もしかしたら、暖冬に騙されて北へ帰ってしまった?
そういえば、昨年そういう突然の別れがありました。


池の中央で、虎視眈々と池の魚を狙うアオサギ
いえいえ、理由はすぐに判りました。
池の真ん中にアオサギが1羽、ツーンと立って池の魚を狙っていたのです。
これを嫌がり、どこかに避難してしまったようです。
手にむなしく残るパン袋。
試しにアオサギに投げてみたら、「わたしゃ、肉食ですよ」と見向きもしません。

鴨たち、早く戻って来ておくれ~。
いずれまた寒い北に帰ってしまうのは判っているけれど、
日本の極寒気はこれからですよ。

数日前、TV朝日スーパーJチャンネルで、
有明海で栽培中の海苔が消失する件について報道していました。
網に植え込んだ養殖海苔をせっせと摘み取る輩がいるらしい。
50年前からバリカン症(バリカンのように海苔を刈り取られてしまう)と呼ばれ、
原因不明で海苔業者は困っていたそうです。
その犯人がこのたび判ったそうで、それはほかでもないだったのです。
なぜ50年も判らなかったのか、それは鴨が夜行性で人間に用心深いため、
近づくだけでいなくなってしまっていたからだとか。
驚いたのは鴨が夜行性だということ。
大学の池の鴨たちは昼間でも私を見ると寄ってくるし、元気に食べます。
ただ、なぜか今日は誰も食べてくれないという日がたまにあるのは、昼寝の時間帯だったから?

[有明海研究所]から、2014年6月に海苔の被害に関する論文が出ています。
福岡県有明海区の河口域漁場では、ノリ網に付着したノリ葉体が数日で消失する現象が以前から発生しており、生産性の低い漁場となっている。
・・・・・・(略)
原因を特定し有効な対策を講ずれば、ノリの生産性を向上させることができると考えられた。
そこで,ノリ葉体消失の原因と考えられる低塩分海水による影響と藻食性動物の食害について検討を行ったところ、現場においてカモの摂食を確認し,消化管からもノリが見られた。
・・・・・・(略)
ノリ葉体消失はカモ類による食害が原因であり、カモ類のうち特にオナガガモとヒドリガモによる影響が大きいことが明らかとなった。・・・・・・(略)
 

というわけで、有明海の海苔業者や研究者は、
囲い網によるカモ侵入防止試験等の試行錯誤を繰り返したり、
手をこまねいていたそうですが、
報道によるとこのたび、若い女性鷹匠が猛禽類のミミズクを使って、
鴨を撃退することに成功したという話です。

鴨はどうもたった一匹でも苦手な鳥がいるといっさい近づかないようで、
大学の鴨たちはたくさんのカラスやハトは怖がらないものの、
アオサギの姿に仰天して逃げたようです。


右左と首を曲げて魚を狙う
魚を狙って佇むアオサギ、どことなく威張って見えて可愛くないですね。

小さな夏がいる生活、ふたたび

2016-01-03 | 花・花・花


お正月だというのに、小さな夏がいます。

あれは一年前の冬のこと、夏の花「ニチニチソウ」が満開でした。
それをUPしたのは2014年12月半ばのこと。
そのニチニチソウはもともと元気な苗だったこともあって、
この部屋には、たくさんの花が派手に咲き乱れていました。
それがこの記事です。

調べてみたら、冬越しさせるとニチニチソウの幹は木質化し、
一本の立木仕立てにすることも可能と書いてあるサイトがあって、
あわよくば立派な立木にして楽しもうと考えていたのでした。
が、しかし、私の園芸の腕ではとうていかなわなかった。
記事をUPしてほどなく極寒期がやってくると、
暖房をしない夜中には14、5度に室温が落ちてしまい、
さすがに元気がなくなって、2月にはショボショボ、
「もうお別れです」と萎れてしまいました。

我が家の2つのベランダのうち、
南ベランダは物干し場、南西ベランダは園芸用になっています。
南西ベランダは毎日食卓から眺めることができるので、
ついつい力が入ってしまうというわけ。
育てた鉢植えを眺めながらの食事タイムが大好きです。


一番窓際の席はここ。時にはここに移動
とは言え、真夏の南西ベランダは鉢植えにとって過酷な環境で、
降り注ぐ南の太陽に次いで強い西日が降り注ぐという、
植物にはかなり気の毒な状況です。
そこで夏には、元気で丈夫なニチニチソウを植えるようになりました。
秋も只中になって観葉植物は室内に取り込む頃になると、
ベランダのニチニチソウは疲労感を漂わせます。
まだまだ、咲いている花もあるし蕾もたくさん付いているというのに・・・・。
そこでつい、南西のベランダの内側、大窓のすぐそば取り込んであげることに。


咲き始めるときの花はとてもロマンティックな形

開ききった花にも健気な可愛さがある
途端になんという豹変ぶり。
「あらま、この環境すばらしい! いまは夏かしらん?」と驚き、
心機一転咲き乱れるというわけです。
何しろ南西の大きなガラス張りの部屋は、
冬でもドレープのカーテンで日光を遮るほど、それはそれは暖かいのです。

今年入ってきたのはオレンジと白です。
かつてはあまりに単純な花形だからと気にも留めなかったニチニチソウ。
花の少なくなった冬にじっくり見直してみると、実はこんなに可愛いのですね。
離れ落ちている花を夜のライトに透かしてみると、また違う表情です。

夜の灯りに透ける花弁はどことなくはかない

そんなわけでしばらくの間、うちには小さな夏が滞在中というわけです。