あみたろう徒然小箱

お気に入りのモノに囲まれ、
顔のつぶれたキジ猫と暮らせば、あぁ、極楽、極楽♪

鴨を追い払ったのは誰?

2016-01-19 | 散歩の道すがら

いつもはこの表池と裏池を合わせ、30羽ほどの鴨がいる

4日前、それは大学センター試験の前日のことでした。
センター試験は2日間行われ、その間は部外者が大学に入ることはできません。

ではその前にと、散歩の帰りに大学構内の池に寄りました。
手には小さな角切りの食パンを入れた餌袋を持って。
パンは黴びないように、細かく切って乾かしておくのですが、
乾いたままだと力を込めて投げても遠くに飛びません。
いつも一番手前で待っているボス鴨数羽が真っ先に取ってしまい、
せめて1個でも欲しいと寄ってくる弱い鴨達は追い払われてしまうのです。
鴨のいじめ方ってけっこう酷いんです。

あの平たい嘴で勢い良く突っ込んでいき、相手の羽根を突いたり引っ張ったり。
許せんッ! 
どこの世界にも弱い者いじめってあるんですね。
「こら~ッ! ダメ~ッ」
私は、パン取り競争からあぶれた遠くにいる鴨や、
すっかり諦めて近寄ってこない鴨達を狙って投げるようになりました。
あまりに力を入れて投げるため遠心力に振り回されて、
池に落ちちゃうんじゃないか、そんな危険さえ感じるほど。
中にはいじめられて岸まで上がって来る鴨もいるのですが、
そこまで意地悪な鴨は追ってきません。
重さがない乾いたパンは遠くに飛ばない上、
鴨たちも「乾いていると食べにくい。いらないや」と、口から出したりすることがあります。
もちろん池の水に濡れれば、いずれ食べるのですが。

追いかけ回すボス鴨に逃げる鴨。「ダメ~」とモザイクの主が叫ぶも効果なし。足元に1羽上がってきました。

平等を旨とする私、以後はパンを水で湿らせてから出かけることにしました。
湿ったパンは適度の重さがあり投げるには好都合、かなり遠くまで飛んでいきます。
遠くにいる弱気な鴨にポーン、ポーン、近くのボスにもポトン。
ここという所に命中するようになりました。

さて、センター試験前日に話しは戻ります。
「さぁ、パンを持ってきたわよ」
や、やっ、今日は池には一匹もいないじゃありませんか!
総勢30羽以上の鴨は、いったいどこに行ってしまったのか?
もしかしたら、暖冬に騙されて北へ帰ってしまった?
そういえば、昨年そういう突然の別れがありました。


池の中央で、虎視眈々と池の魚を狙うアオサギ
いえいえ、理由はすぐに判りました。
池の真ん中にアオサギが1羽、ツーンと立って池の魚を狙っていたのです。
これを嫌がり、どこかに避難してしまったようです。
手にむなしく残るパン袋。
試しにアオサギに投げてみたら、「わたしゃ、肉食ですよ」と見向きもしません。

鴨たち、早く戻って来ておくれ~。
いずれまた寒い北に帰ってしまうのは判っているけれど、
日本の極寒気はこれからですよ。

数日前、TV朝日スーパーJチャンネルで、
有明海で栽培中の海苔が消失する件について報道していました。
網に植え込んだ養殖海苔をせっせと摘み取る輩がいるらしい。
50年前からバリカン症(バリカンのように海苔を刈り取られてしまう)と呼ばれ、
原因不明で海苔業者は困っていたそうです。
その犯人がこのたび判ったそうで、それはほかでもないだったのです。
なぜ50年も判らなかったのか、それは鴨が夜行性で人間に用心深いため、
近づくだけでいなくなってしまっていたからだとか。
驚いたのは鴨が夜行性だということ。
大学の池の鴨たちは昼間でも私を見ると寄ってくるし、元気に食べます。
ただ、なぜか今日は誰も食べてくれないという日がたまにあるのは、昼寝の時間帯だったから?

[有明海研究所]から、2014年6月に海苔の被害に関する論文が出ています。
福岡県有明海区の河口域漁場では、ノリ網に付着したノリ葉体が数日で消失する現象が以前から発生しており、生産性の低い漁場となっている。
・・・・・・(略)
原因を特定し有効な対策を講ずれば、ノリの生産性を向上させることができると考えられた。
そこで,ノリ葉体消失の原因と考えられる低塩分海水による影響と藻食性動物の食害について検討を行ったところ、現場においてカモの摂食を確認し,消化管からもノリが見られた。
・・・・・・(略)
ノリ葉体消失はカモ類による食害が原因であり、カモ類のうち特にオナガガモとヒドリガモによる影響が大きいことが明らかとなった。・・・・・・(略)
 

というわけで、有明海の海苔業者や研究者は、
囲い網によるカモ侵入防止試験等の試行錯誤を繰り返したり、
手をこまねいていたそうですが、
報道によるとこのたび、若い女性鷹匠が猛禽類のミミズクを使って、
鴨を撃退することに成功したという話です。

鴨はどうもたった一匹でも苦手な鳥がいるといっさい近づかないようで、
大学の鴨たちはたくさんのカラスやハトは怖がらないものの、
アオサギの姿に仰天して逃げたようです。


右左と首を曲げて魚を狙う
魚を狙って佇むアオサギ、どことなく威張って見えて可愛くないですね。

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