あみたろう徒然小箱

お気に入りのモノに囲まれ、
顔のつぶれたキジ猫と暮らせば、あぁ、極楽、極楽♪

鳩が困っている

2021-06-13 | できごと

鳩の巣を下から見ると

2、3日前のこと、
マンションの周りの生け垣や樹木を園芸業者さんがカットしに来ました。
ツツジの木は電動ノコギリでみるみる間に短くされ、
伸びきった木々の枝は業者さんが木に登ってパツンパツンと伐り、みごとにすっきり。
大量に茂っていた葉はすっかり落とされて、
見えなかった枝が姿を現して、
木全体の枝葉の様子があらわになりました。

うちの小窓からは一番近いところにヤマボウシの木があって、
春になると十字型の白い花が咲いていました。
ヤマボウシは山に生える木で、
ふつうは庭木にしないことが多いのですが、
私はヤマボウシが大好きなので、
ふつうはこんな間近にしみじみと見ることができないヤマボウシを
小窓からすぐ見下ろすことができて喜んでいました。
しかしここ数年、園芸業者さんが刈り込みに来るうち、
あんなに咲いていた十字型の白い花が
全く咲かなくなってしまいました。
ヤマボウシをどんどんカットすると花芽を摘んでしまうのでしょうか、
そのうち咲けなくなってしまうのではないのではないかと思います。
やはり山に生えているときのように
大らかに伸ばしきってあげるのがいいようです。

今年はことのほか枝の伸びが良くてワサワサ茂っています。
だからか、よりによって今回は思いがけないほどの大幅なカットでした。

卵を温める親鳩にはカンカンに陽が当たっている

すると、どうでしょう。
そのスカスカになった枝の中で鳩が卵を温めていたのです。
思うに鳩は木陰に隠れて卵を孵化させようと安心していたのに、
直射日光はカンカンに当たるわ、
道路からは丸見えだわ、
それに近くの小窓からは興味津々のオバサンが双眼鏡で覗くわ、
落ち着かないったらありません。

“どうしてこんなに環境が変わっちゃったんだろう”
鳩はすっかり戸惑って困っています。

こんなに丸見えになっちゃって、困っちゃう

そのうち、卵を抱えていた鳩の下がモゾモゾと動いたと思ったら、
親鳥はサッと飛び立っていき、
残りの巣には小さな2羽のヒナ鳥がいるのが見えました。
そのうち親鳥は帰ってきて、ヒナの口に餌を与えています。
めったに出かけず、あとはずっとヒナを温めています。
毎日食卓の席から、それを眺めるのが日課になりました。
鳩のヒナが巣立ってしまったら、
ぽっかりと心に穴が開いたようになってしまうんじゃないでしょうか。


いつまでいてくれるの?

三分の一の確立(顔面神経麻痺 2)

2021-06-08 | できごと






「先生、これ治るんでしょうか」という私の問いに、
「三分の一の人は治る、三分の一の人はタケシのようになる、
残り三分の一は治りません」と。
“タケシのようになる”とはどういうこと?
訊ねることも忘れ、私はその答えを呆然と聞いていました。
私のバカ、なぜそこで突っ込んで訊かなかったの?
“私、どうなるんだろう”そればかりが頭を巡りました。
タケシのあの顔は確かに歪んでいるけれど、
チック症によるものではないの?
あぁそんなことどうでもいい・・・・
いまの私、人様のそんなこと言ってられない。

「先生、私、なぜこんな病気になったんでしょう?」と言うと、
「原因は判らないんですよ。
ヘルペスなどの何らかのウイルスが入ったという説がありますが、
あなたはそうではないし、
MRIもCTもまったく問題ありませんから、
脳からのものではありません」
「誰も“なぜ自分がこんな病気に?”と思うんです」
そりゃあ、誰だってそういう疑問が湧くのは当たり前です。
特にこれといった答えはなく、
「じゃあ、2ヶ月後にまた来てください」
そう言って出してくれた薬は、血流をよくするビタミン剤でした。
顔面神経麻痺って原因は判らないだけに、特段治す方法もない。
なんてやっかいなんでしょう。
このやり場のない気持ち、どう収めればいいんだろう。
この曲がった顔の不自由な生活、あと何か月続くのかなぁ。
それにしてもめったにならない病気なのに、なぜ私が???

ビタミン剤を飲むだけというのも心細くて、
インターネットで「顔面神経麻痺」と検索すると、どうも鍼灸が良いらしい。
何もやらずに手をこまねいているよりは、
やれるものはやってみよう。
だって三分の一の治らないに入ってしまうかもしれないもの。

というわけで、近くにある評判の高い鍼灸院に通うことにしました。
顔に鍼を打つなんてすごく恐ろしいけれど、がまんがまん。
曲がった顔を戻すには仕方ないじゃありませんか。
鍼灸院の受付嬢は「顔面神経麻痺の人は毎日来る方が多いですよ」と。
たしかに顔面神経麻痺の場合、最初の1週間が大事みたいです。
私の場合はもう2週間経ってしまったけれど、
毎日顔に鍼を刺すのなんて耐えられない。
というわけで、一日おきに通うことにしました。

なんて不自由な生活(顔面神経麻痺 1)

2021-06-05 | できごと






翌日は救急外来に行き、その病院になんと5時間も滞在、
診察、MRI、CTを撮り、大量の血液検査、そしてまた診察。
その次の日は2時間半いて診察、追加の血液検査、聴覚検査など。
個人病院では考えられないほどの詳しい検査の連続でした。
さすがこの辺りでは一番大きな優秀な病院。
多摩地方の基幹病院でコロナの患者さんも引き受けているので、
この時期なるべく近づかないようにしていましたが、
こんな奇妙奇天烈な病気になってしまっては、そんなこと言っていられません。

病名は堂々の?「顔面神経麻痺」。
40年ほど前、まだ現役で猛烈に忙しかった頃に一度罹ったことがあります。
でもそのときはちゃんと仕事に出かけていたのですから、今回ほどひどくはなかった。
歪んだ顔を気にしながら、仕事に励んでいたのです。
ま、言ってみればその程度でもあったのか?
もともとあまり気にしない性格だから、
あるとき、「ギャハハ~」と大笑いました。
そのとき私の顔を見た相手が、
「ワッ・・・○○さん、笑い顔が怖い!」とつぶやいたので、
私は自分の顔が相当ひどいのだと悟ったのです。
でもそれでも仕事はできていた。

今回はこうしてブログを書いているぐらいだから、
もちろん仕事をやろうと思えばできる状態なんですが、
ただ今回のこの面相、人前にはとても行けないぐらいひどい。
ほ~んとにひどいのです。
我ながら鏡を見るとあまりの顔のゆがみにギョッ。

担当医の先生も、
「かなり悪いほうだから、時間がかかるかもしれないなぁ」
さすがの私もこの夜は寝付きが悪かった。
シュン。
やっぱ私、そんなに悪いんだ・・・。


それにそれに、この状態になってからの不自由なことったらありません。
なにしろ右半分の顔が動きませんから、
左半分が笑っていても、右は無表情のまま。
左の顔はいつもの顔なのに右の眉は大きく下がり、
目は細くなり、口端も下がったまま微動だにしません。
だから飲み物を飲むときは左半分からストローで飲み、
飲み込むときは左側に落ちるように顔を傾けて慎重に。
口をゆすぐときは自由が効かない唇を
両手で強く挟まないと水が流れ出てゆすげません。
それでもそこから漏れ出てしまい、ときどきピュッピュッと飛び出てきます。
あぁ、情けない。
なんて不便なことでしょう。
普通に物を噛める、物を食べられるってどんなに大事なありがたいことだったことか。
こうなって痛感する私なのでした。