鳩の巣を下から見ると
2、3日前のこと、
マンションの周りの生け垣や樹木を園芸業者さんがカットしに来ました。
ツツジの木は電動ノコギリでみるみる間に短くされ、
伸びきった木々の枝は業者さんが木に登ってパツンパツンと伐り、みごとにすっきり。
大量に茂っていた葉はすっかり落とされて、
見えなかった枝が姿を現して、
木全体の枝葉の様子があらわになりました。
うちの小窓からは一番近いところにヤマボウシの木があって、
春になると十字型の白い花が咲いていました。
ヤマボウシは山に生える木で、
ふつうは庭木にしないことが多いのですが、
私はヤマボウシが大好きなので、
ふつうはこんな間近にしみじみと見ることができないヤマボウシを
小窓からすぐ見下ろすことができて喜んでいました。
しかしここ数年、園芸業者さんが刈り込みに来るうち、
あんなに咲いていた十字型の白い花が
全く咲かなくなってしまいました。
ヤマボウシをどんどんカットすると花芽を摘んでしまうのでしょうか、
そのうち咲けなくなってしまうのではないのではないかと思います。
やはり山に生えているときのように
大らかに伸ばしきってあげるのがいいようです。
今年はことのほか枝の伸びが良くてワサワサ茂っています。
だからか、よりによって今回は思いがけないほどの大幅なカットでした。
卵を温める親鳩にはカンカンに陽が当たっている
すると、どうでしょう。
そのスカスカになった枝の中で鳩が卵を温めていたのです。
思うに鳩は木陰に隠れて卵を孵化させようと安心していたのに、
直射日光はカンカンに当たるわ、
道路からは丸見えだわ、
それに近くの小窓からは興味津々のオバサンが双眼鏡で覗くわ、
落ち着かないったらありません。
“どうしてこんなに環境が変わっちゃったんだろう”
鳩はすっかり戸惑って困っています。
こんなに丸見えになっちゃって、困っちゃう
そのうち、卵を抱えていた鳩の下がモゾモゾと動いたと思ったら、
親鳥はサッと飛び立っていき、
残りの巣には小さな2羽のヒナ鳥がいるのが見えました。
そのうち親鳥は帰ってきて、ヒナの口に餌を与えています。
めったに出かけず、あとはずっとヒナを温めています。
毎日食卓の席から、それを眺めるのが日課になりました。
鳩のヒナが巣立ってしまったら、
ぽっかりと心に穴が開いたようになってしまうんじゃないでしょうか。
いつまでいてくれるの?