整形外科に行く必要があり、都立多摩総合医療センターに行きました。
風邪などは近所の町医者ですましてしまうから、
大病院には7,8年ぶり? いえ、それ以上かもしれません。
久々に行ってみて、まぁ、驚いたこと驚いたこと。
いまどきの大病院って、こうなってんの? というお話です。
まず、整形外科受付に電話をかけ、私の症状に合った専門医の予約を取ります。
いよいよ当日、初診受付に行くと、
「病院見取り図、予約案内、受付から帰宅まで」のパンフレットを渡されます。

赤いストラップ付きケースと「呼出機」を渡され、「呼出機の説明」パンフレットを渡されます。
呼出機には必要なすべての指示が表示され、それに従って患者が動くというシステム。
だから患者は皆、赤いストラップのついた呼出器を首から掛けています。

しばらくロビーのソファで待っていると、ビビーッと軽いバイブレーション付きで呼出器に指示がきました。
「16番待合室でお待ちください」
黄色い「確認」ボタンを押すと鳴り止みます。
16番待合室に行くとまもなく「3番診察室にお入りください」との指示が。
診察のあと、医師は次の予約日と処方箋をファイルに入れてくれ診察は終了。
医師の指示のもと、血液検査とレントゲンを撮ることになりました。
今度は「15番(採血室)の前でお待ちください」との指示。
15番に行くと、待ち時間はたったの1分でした。
それが終わると「20番の前でお待ちください」との指示。
20番の前に行くと「○番の扉からお入りください」
で、あっという間に検査2つは終了。
会計にファイルを出すと、会計終了のお知らせも呼出器に表示されます。
まもなく「会計が終わりましたので、6番自動支払機でお支払いください」と。


<自動支払機が並ぶ6番コーナーに行き、支払機の口に呼出器を入れると、
一瞬でストンと落ちて、まもなく金額が表示されます。
支払い機で支払うと予約票と領収書が出てきて終わり。
受付から、ここまでたったの40分。
あっちへこっちへの効率よい指示で、本を読む暇さえありません。
検査がなければ、受付してから20分で終了ということもあります。
この呼出器の良いところは、院内どこにいても指示がわかること。
安心してトイレに立てますし、売店にも行けます。
「○○さん、△番診察室にお入りください」などという呼び出しの声は全くないから、
院内は至って静かで落ち着いた雰囲気。
耳が聞こえない方はバイブレーションが付いていますから、見落とすことがありませんが、
目が見えない方のための対策がどうなっているかはよくわかりませんでした。
それにしても久しぶりに大病院にかかった私、いまどきの大病院ってこんなふうになっているの?
と、いたく感心してしまったという次第です。
それで思い出したのが、古い話で恐縮ですが1996年当時のこと。
中国雲南省昆明市に住み、そこから辺境地の少数民族調査に通っていたときのことです。
山道で対向車との正面衝突を避けるため、私たちの車はとっさに土手下に転がり落ちて衝突を逃れました。
車に3時間ほど揺られ、近くの市の総合病院に行ったら、鎖骨を骨折していることが判りました。
痛みに耐えつつ、1日かけて昆明市に戻り、すぐ大病院へ。
そこは大変な大混雑で病室は満員、廊下にまでベッドを置いて入院している人たちがいます。
ベッドの下には血だらけの洗面器が放置されているという状態。
受診の順番が来たら、医師から「診察室が空いていないから、廊下で上半身を脱ぎなさい」と言われて仰天しました。
さすがに相棒が拒否し、何だか判らない部屋に連れて行かれ、包帯できつくぐるぐる巻きに。
しかしあまりにきつく巻かれて手先が痺れてくる始末で、骨折の痛みどころではありません。
手を尽くして航空券を取り帰国し、立川災害医療センターという大病院に行ったら、
なんとそこの天井にはカルテを入れた箱がレールでスイスイ走ってる。
唖然として見とれているうちに診察の順番が来ると、
医師は「この縛り方はひどいなぁ」とすぐに包帯を解いてくれ、鎖骨骨折用の固定用具を填めてくれました。
あぁ、楽ちん、楽ちん。鎖骨を守りつつ普通に動けるのですから。
(その後の1か月は、包帯できつく縛った後遺症に悩まされました)
立川のその病院でトイレに行ったら、これまたショック。
な、なんと美しくて清潔なこと!
すさまじい中国トイレ事情の中で暮らしていた私は大感激。
(いまから思えば普通のトイレでしたが・・・)
「私、こんなにきれいなトイレだったら、床舐めることだってできちゃう」
と、同行者に言って失笑されましたっけ。
ま、今回の大病院行きはそんな落差はもちろんなかったけれど、
大病院のシステムというのは、ドンドン変わっているんだなあと痛感、
で、思わずあの衝撃を思い出したというわけです。