あみたろう徒然小箱

お気に入りのモノに囲まれ、
顔のつぶれたキジ猫と暮らせば、あぁ、極楽、極楽♪

木目込みの立雛

2012-02-27 | goods ・インテリア


数十年前までは、初めての女の子が生まれたとき、
立派な段飾りの雛人形を買うことが多かったのですが、
いまでは住宅も狭くなり、五段飾りを買う家は少なくなりました。

長女だった姉は戦争直前というご時世だったにもかかわらず、
母の実家からたいそう立派な五段飾りをもらいました。
その後私も生まれたのですが、
家にはその五段飾りのお雛様だけがあるのだと思っていたのです。
子どもなので、誰のお雛様かなどという関心は特になく、
梅が咲くころに五段飾りの準備をするのは、毎年とても楽しみでした。

五段飾りともなると調度品の多さは大変な種類になり、
そのうちだんだん、出したり仕舞ったりの手間に根を上げ、飾る機会も減っていきました。
五段飾りを最後に見てからずいぶん経ったころ、いまから10年ほど前でした。
“これはあなたが生まれたときに買ってもらった雛人形よ“と、
実家で、姉が木目込みの立雛を渡してくれたのです。
子どもの頃は、おそらく五段飾りの横に申しわけ程度に並べてあったのでしょう。
豪華な五段飾りに目が奪われてか、どうにも見覚えがないのです。
それだけに、初めて出合ったような新鮮な驚きがありました。
しかもそれが、私のために誂えられたものだったなんて。
持ち主からも忘れられて、長い間、かわいそうなことをしました。

「まぁ、なんて綺麗!」
木目込みの小さな内裏雛セットはそれは美しく、一目でその魅力に惹かれました。


自分の嗜好がはっきりとしたいまの目で見ると、それは大変素晴らしいと感じます。
現代の雛にはない、ほのぼのとした優しい目鼻立ち。

パステルカラーが主流の現代では考えられない鮮やかな衣裳で、
やわらかな色は使われていません。
柄は、古風な松と藤と椿。

雛人形にはめずらしい鮮やかなピンク、赤、朱、紫、緑の配色に、強いインパクトがあります。
昭和20年代の古風で斬新な意匠センスにすっかり魅了されました。
台座の裏には「日本玩具統制協会」「登録番号○○○○」のラベルがあり、
桐の箱に入っています。

毎年2月になるとこのお雛様を飾りますが、
長い間仕舞い込んでいたお詫びに、我が家で一番目立つ特等席を提供しています。

青いテーブルフラワー

2012-02-25 | テーブルウェア


いまから30年ほど前でしょうか、
フランスからオランダ経由で帰国するとき、
アムステルダムのスキポール空港のショップで買ったブーケです。

花は半円球型のブーケ型に作られていて、土台には白い陶磁器の円形台。
裏に返すと「ZAKA HANDWORK」の文字があります。
 
当時の日本では造花でさえも紺色の花などなく、この青いブーケに驚きました。
いまでこそたまに青い花の造花を見ることがありますが、もちろん主流ではありません。
こんな色のブーケを作ってしまうなんてさすが花の国オランダならでは、
といたく感心してしまったのです。
これだけ強い青づくしのアレンジは、現代でも少ないのではないでしょうか。
ましてテーブルフラワーとしてこの色使いはめずらしく、
こういう個性的アレンジはなかなかできないものです。


↑ふだんはこんなふうに食器戸棚の一角で青い仲間と並んでいますが、


↑ときにはテーブルに出てくることもあります。

30年経ったいまでも、お気に入りの青いアレンジメントです。

12歳の赤ワイン体験

2012-02-20 | できごと


生まれて初めてワインを飲んだのは、12歳になったばかりのときでした。
なにッ? 12歳でワインを飲んだって? と、目くじらを立てないでください。
だってそれは、私が知らないうちの出来事だったんですから。

早生まれだった私は、12歳になるとすぐ中学に入学しました。
カソリック系中高一貫進学校、厳しい校則にがんじがらめの女子校でくそまじめな6年間。
いまにして思えば貴重な思春期を、あぁ、もったいない。
教師の何人かは修道女で、
なかでもアイルランド人修道女の英語の授業はとりわけ厳しく、
鉛筆で机をバンバン叩きながら生徒の発音を直しては、
No! No! ノ~ッ!」と叫ぶ姿に縮み上がっていました。

生まれて初めてワインを飲むことになったのは、その厳しい学校でのこと。
入学後まもなく、講堂でミサがありました。
ミサは、パンとワインを使って行うカソリックの最も重要な儀式です。
おごそかな儀式は延々1時間以上続き、
訳もわからない儀式に、新入生は緊張したものです。
祭壇には神父と、その補佐役に男性教師が2人。
男性教師2人はカソリック信者で、ミサの進行を手際良く補佐します。
その間私たち生徒は、神父の所作や教師が振る鈴の音に合わせて、立ったり座ったりひざまずいたり。
お祈りをしたり、賛美歌を歌ったり、進行をじっと見ていたり。
何が何だか解らないまま儀式は進んでいきます。
座ったかとまた起立、かと思うとひざまずいて祈り、次は立って歌い・・・・の繰り返し。

しばらく立っていたときのことです。
前方遠くに見える明るい祭壇が次第に暗くなってきました。
祭壇付近の空間にはあちこちに花火がパチパチと上がり、あれれ? これは・・・?
そこで、私は倒れたのです。
どうやって運ばれたのか、気づいたら講堂の隣にある修道院の一室で横になっています。
しばらくすると、修道女が赤い飲みものが入ったグラスを持ってやってきました。
促されるままに飲むと、美味しくもないし、まずくもない、ふしぎな味でした。

中・高校の6年間、数十回のミサを経るうち、
緊張で気を失うこともなくなり、それは退屈な時間となっていきました。
そして、変な味の赤い飲みもののことも忘れてしまいました。

カソリックのミサでは、神父が信者にキリストの血を意味するワインと、
肉を意味するパンを食べさせます。
それを「聖体拝領」といい、
信者が口にすることによってその人間の罪が贖(あがな)われるという儀式です。
ミサのとき、信者である大勢の生徒達は白いベールを被り、
順次祭壇に登って神父からワインに浸したパンを口に入れてもらいます。
信者でない大半の生徒は、延々と続く長い行列を見守るだけ。

というわけで、カソリック教会や修道院にワインは必需品。
気付け薬に赤ワインというのは、いまにして思えば当然の成り行きですね。
だって、ワインというのは昔から気付け薬として使われていたのですから。
手当の相手はたった12歳ではありましたが、あの修道女の処方は正しかった。

あれは紛れもない赤ワインだったのだと気づいたのは、ずっと後のことです。
当時の庶民にとってワインと言えば、サントリーの「赤ポートワイン」ぐらいのもの。
赤玉ポートワインは、「赤玉スイートワイン」とも呼ばれた甘い甘いワイン。
いわば梅酒のような甘い飲みものです。
ワインが一般に広く浸透するようになるのはもっと後のことですが、
その後、私も大人になって赤ワインを飲み、
修道院の一室で飲んだ赤い液体のことを思い出しました。

気付け薬と言えば、
プッチーニの歌劇 『ラ・ボエーム』 に、こんなくだりがあります。
「胸の病を持つ彼女は、階段を上がって来ただけで、息が切れてしまい軽いめまいを起こす。
ロドルフォは彼女を椅子にかけさせて、気付け薬にワインを飲ませて、
その美しい横顔に改めて惹きつけられる。」

私の横顔が美しいとは言わないけれど、あの頃の私ってなんてか弱い少女だったんでしょう。
いまではキャンティクラシッコが好きな、逞しい女性ですわ~。

「おかむらさき」を一滴

2012-02-16 | goods ・インテリア


昨年北海道に行ったとき、お定まりのコースの富良野巡りをしました。
ラベンダーガーデンで有名なファーム富田に立ち寄りましたが、
まだ初夏だったため、ラベンダーはハウスの中でほんの少し咲いていただけでした。
それでもチャイブ、ポピー、マリーゴールド、ハマナスなど、
初夏の花がたくさん咲いていて、とても綺麗でした。


こちらは、ファーム富田のオリジナルエッセンシャルオイル「おかむらさき」です。
1990年にフランスで開かれた「ラベンダー芳香フェア」で、
エッセンシャルオイルの第一位に輝きました。
同時に、「オートプロヴァンス・ラベンダー修道騎士」の称号を授与されたそうです。
この称号は、南フランスにあるラベンダーを生産する組織から、
ラベンダー栽培での功労者へ贈られるものだとか。
ラベンダーの品種のなかで最も香りがよく、オイルの質も高い「おかむらさき」という品種を、
一番良い時期に蒸留したものだけを使用しているそうです。

ラベンダーにはたくさんの種類があって、
彩りを楽しむなら濃紫3号、
香りを楽しむなら4号とも呼ばれる「おかむらさき」なんだとか。
「おかむらさき」という品種は上品な香りが好まれ、
オイルはもちろん、ポプリ、サシェ、ハーブピローなどの香りグッズや化粧品に使われています。
開花が遅いので遅咲きラベンダーとも呼ばれているそうですから、
6月後半期に行って見ることができなかったのは無理もありません。

ハーブの香りのなかでもっとも好きなのはローズマリー、次がラベンダー。
せっかく生産地に来たのだからと、
その栄えあるオイルをとファーム富田の売店で買ってみました。

いままで愉しんできた国内外のラベンダーオイルと比べて、香りの質の高さは段違いです。
“香りがキ~ンと澄んでいる!”  
これがまず感じたことでしょうか。
クリアな香りが濃厚で、一滴垂らすとふわりと立ち上るさまが見えるようなインパクトがあります。
かといって、強すぎるということは決してなく、優しく上品な香りです。

これを知って以来私は、ラベンダーの香りと言えばファーム富田の「おおむらさき」。
すっかりこのラベンダーオイルの虜になってしまいました。
ポプリに垂らしたり、アロマポットで温めたり、
自然塩と一緒にお風呂にも入れてアロマバスに。
一日の疲れをラベンダーの香りで癒されるバスタイムはとても幸せです。
ファーム富田のサイトから購入することができます。

その旅で泊まったウィンザーホテル洞爺のホテルショップは、
ハイセンスで上質なものばかりが集められていて、こちらも大好きでした。
そこで買ったのが、ホテルの随所に飾られていたポプリ(冒頭の画像)。
グリーンリーフというアメリカのメーカーのもので、
NOUVEAU というサイトで買うことができます。
オイルは付いていませんから、当然まもなく香りが消えてしまいます。
そこで、この「おかむらさき」を一滴。

それはそれは素晴らしいラベンダーの香りが立上がってきます。

平兵衛新田ハケ下

2012-02-11 | よもやま話
私が住んでいる町に鉄道マニア垂涎の研究所があります。
正式名は、「JR 鉄道総合技術研究所」、略して「鉄道総研」。
運輸大臣の認可を得て正式に設立したのは1986年(昭和61年)ですが、
そのずっと前の1955年(昭和30年)には、この地で鉄道技術の研究が始まっていたのだそうです。
その後ここで新幹線の開発研究がされ、
1964年(昭和39年)10月1日にめでたく東海道新幹線が開通。
東京オリンピックの開会式は1964年10月10日ですから、
まさにオリンピックに間に合わせるための新幹線だったんですねぇ。

この町は以前、平兵衛新田という地名でした。
江戸時代の享保年間にこの辺りで新田開発が推奨され、
1729(享保14)年に平兵衛さんが開発したという記録が残っているんだそうです。
そんなことからここの地名は平兵衛新田。
時代は飛んで1966年(昭和41年)、この辺り一帯は町名整理され、
新幹線の研究が始まった土地であることから「光町」と改名されました。
平兵衛新田って、なんと237年も続いた由緒ある地名だったんですって。
「ひかり」でなく「こだま」を選んでいたら、「児玉町」だったんでしょうか。
どちらにしても町名としてはあまり馴染まないけれど、
“速いもの勝ち”ということでか、「ひかり」が選ばれました。

鉄道総研は年に一度一般公開する催しがあり、旧町名に因んで「平兵衛まつり」と呼ばれています。
鉄道の日の10月14日の辺りに開催されますが、1万人も来場するんだとか。
先日、NHKの「ぶらタモリ」で鉄道総研を訪ねていましたが、
敷地の中には踏切やら駅構内やら暴風雨実験場やら、さまざまな実験場があり、
鉄道マニアでなくてもとても楽しい公開になるのでしょう。
敷地はなんと東京ドーム3個分もあるのだとか。
せっかく町内にあるのですから、今年はぜひとも行ってみたいものです。

光町は、国立市のJR中央線国立駅前にある国分寺市の町。
国立駅から北へ100mも歩けば国分寺市になります。
駅前徒歩2、3分の所には、古くからの立派な住宅街があって、
ミッドセンチュリーっぽい、古き良き時代の立派な住宅がたくさん残っています。
先日、散歩していたら「平兵衛新田」と書かれた表札を見つけました。
ここは町名変更前、「東京都北多摩郡國分寺町平兵衛新田」だったのです。

さて、その貴重な表札がこれ。

平兵衛新田の下に「ハケ下」と入っているのが、すばらしい!
この辺りには「国分寺崖線」というが通っています。
東京西部から埼玉にかけて広大な「武蔵野台地」があって、
台地の南側を流れる多摩川とその支流によって浸食されてできた崖のつらなりを「国分寺崖線」と呼びます。
崖線の下側は「ハケ下」と呼ばれて湧き水があり、
国分寺にはハケ下の湧き水を巡る遊歩道があちこちにあります。
ちなみに、「ハケ」は崖を意味する多摩地方特有の言葉なんだそうです。
その「ハケ下」という奇妙なローカル名称が、当時の住所に入っていたとは。
そして、それがいまも表札に残っているとは。
この付近も、まさにハケ下だったんですねぇ。
そういえばいまから7、8年前、水はけを良くするための大がかりな工事があって、
数ヶ月間、夜間通行止めにしてガンガン行われ、睡眠を妨げられて閉口しましたっけ。

ということでこの表札、50年近く前から掲げられていることは確か。
小ぎれいだけどちまちました現代住宅が増えるなかで、
この住宅地では、古風で風格あるたたずまいが守られています。

歴史あるこの表札、どうか取り外されてしまいませんように。

クリスタルガラスのコンポート

2012-02-10 | goods ・インテリア


うちのインテリアにたびたび登場する脇役がこれ。
主役にはなれないけれど、アロマオイルを垂らしたカラー小石をのせておきます。
硬質で澄んだ印象が爽やか。

直径15㎝、高さ7㎝ほどの小さなコンポートです。
上のお皿があくまでもシャープな幾何学円であるのに対して、
土台は、まるで岩を荒削りしたようなラフなデザインになっています。
その対比が、クリスタルガラスの冷たさにおもしろみを出しています。

入手したのは20年近く前、八王子のはずれにあるお気に入りの雑貨店でした。
店主の伴侶が建築家ということで、開放的な吹き抜けをもつコンクリート打ちっ放しの小さなビル。
店内には、他では見られないお洒落な商品があふれていて、
店主の趣味の良さを伺わせました。
いつも店のドアを開けるときは、モノとの新たな出会いにワクワクしたものです。

店主は時々海外に買い付けに行き、
このコンポートは香港で買い付けたものだということでした。
もっと詳しく聞いたのですが、アジアのモノではないということぐらいしかわかりません。
お気に入りのこのコンポート、何者かもわからないままいまに至っています。

chilewich チルウィッチ

2012-02-10 | テーブルウェア


テーブルウェアの中で主役となるのは食器類ですが、
食卓の雰囲気を大きく左右するのは背景となるテーブルです。
ところが壊れもの食器と違って、
食卓は一度買うと、そうそう取り替えられるものではありません。

うちの食卓は、30年前に新築したときに作った黒いテーブル。
その後、質の良いチーク材に惹かれ、チーク材のエクステンションテーブルを探しましたが、
強力な候補もないまま、黒テーブルはいまも健在です。

黒テーブルの利点は、食器が黒い背景を得て映えることですが、欠点は食卓が暗くなること。
暗さをなくすには、テーブルクロスやランナーを多用することでしょうか。
しかし毎日の生活でテーブルクロスを使っていると、調味料や油で汚れてしまうため、手入れが大変です。
その上、テーブル本来の素材は全く見えず、それも物足りない。
そこで使い始めたのがテーブルランナーですが、いまから10年ほど前、
インテリアショップのACTUSで、チルウィッチに出合いました。

チルウィッチは、[ポリ塩化ビニール70%+ポリエステル30%]の人工素材です。
初めて手に取ったとき、
“こんな安っぽい素材をテーブルウェアに使うなんて”と思いました。
ポリ塩化ビニールは通称「塩ビ」で、ホースやチューブ、波板、雨樋などに使われます。
なのにチルウィッチは、上質リネンには及ばないけれど、ちょっとした布製よりずっと高い。
リネンのキリッとした清潔感と重量感、豊かさはないし、コットンの親しみやすさや温かみもない。
平板な安っぽさが特徴ともいえる素材です。
しかしチルウィッチには、素材のマイナス点を覆して余りあるデザイン性の高さがあります。


チルウィッチを最初に知らしめたのはこの製品ではないでしょうか。(↑プレースマット)
いまでは安価な類似品が出回ってしまい、どこででも見かけます。
しかし実物を見ると、“似て非なる”造りと配色の妙は歴然。
類似品を見ると、デザインの版権はここまでは及ばなかったのかと気の毒に思います。

塩ビは機械で自在に形を作ることができるため、布よりもずっと多様な形態や色を可能にしてしまう。
チルウィッチの特筆すべきデザイン性は、塩ビの安っぽさを逆手に取ったところでしょう。
しかもお手入れは簡単、洗って乾かすだけ。
プレスしての手間も要らない。
もし気鋭のデザイナーが、安っぽい塩ビを使ってテーブルウェアにと考えたとしたら・・・、
そりゃぁ、意欲的なおもしろい製品ができるに決まっていますよね。
そうでなければ、誰がそんなものを買うのです?
デザインセンスのみが勝負。

「チルウィッチ」はこの一連の商品群のメーカー名ですが、
NYで活動するデザイナー、サンディ・チルウィッチがデザインした商品です。
ambiente Design Plus賞を受賞を始め、工業デザイン賞その他を受賞しています。
もともとはジュエリーデザイナーとしてスタートし、
その後、天然素材に人工素材をプラスした新素材を使ったデザインへと方向転換したそうです。
現在は、ハンドバッグ、テキスタイル、テーブルウェア、フロアマットなどを手がけ、
これらのプレースマット、ランナー類は、一流ホテルなどで使われているのだとか。
MoMa(ニューヨーク近代美術館)のミュージアムショップでも売られているそうです。


一番登場するのはテーブルランナーです。
敷いてあるのがフラットデザインの「Mini Basket Weave 」、
丸めてあるのはやや立体的な「Lattice」で、キラキラとした光沢があります。
黒いテーブルのモダンさに都会的でシャープな雰囲気をさらにプラス。
とは言え、意外に江戸時代の染め付けもすんなり受け入れます。


こちらは「DAHLIA」という名のプレースマット。
型抜きされたちょっと不定型な花が、レース編みのように見えます。
強いインパクトがあるので、テーブルの中央に置くこともありますが、
プレースマットとして使うなら、白いプレーンなプレートが似合います。
色は、このシルバーの他にゴールドとブラック。
白磁や粉引き、伊賀などの和食器も合いそうです。

取り扱いは living motif
機能デザインの優れものアイテムが満載のネットショップで、私の大のお気に入り。
テーブルウェア → テーブルランナー と進むとチルウィッチが出てきます。

トーリの森~ふしぎな、ふしぎな帽子展

2012-02-02 | できごと


昨日、「トーリの森 冬の帽子展」へ行ってきました。
下北沢駅から徒歩4分という便利なところでした。

私は可愛いものやメルヘン系のものは全然似合わないし、好みでもないのですが、
不思議な魅力がある知人女性が何回か開いている帽子展なので、
一度ぜひ行ってみたいと思っていたわけです。
そんなわけで、彼女が作る帽子ってどういうものかという程度の興味だったんですが、
何とまぁ、楽しくてふしぎな帽子達がいっぱいだったこと!

帽子の制作者はかなりの癒やし系ですが、この日一緒に行った女性も癒やし系。
癒し系たちとふしぎな帽子を見ておしゃべりするひとときって、なぜあんなに楽しんでしょう。
どう見ても癒し系とは言えない私は、ひとり引け目を感じてしまうのでした。

肝心の帽子はというと、
「どうしてこうなるの?」の連続でした。
つまり・・・・、
どこをどう辿ったら、こういう発想の帽子が出てくるのか?
─── これは思考回路の問題
どうしたら、こんな形を作ることができるのか?
─── これはテクニックの問題 
とまぁ、形も発想もふしぎに思う帽子がいっぱいです。
ちょっと異世界というんでしょうか。
もちろん被りやすいフツーの帽子もあって、
私がこれならとkeepしたのは、この帽子展では異色的存在の平凡な帽子でした。

ところで、製作者のMakiさんは何もかもふんわり受け入れてしまう人です。
会った人はいつのまにMakiワールドに入ってしまう、そんな魅力の持ち主。
しかも明るいから、会っているだけで楽しくなる。
ちょっと誉めすぎかな? 
ま、とにもかくにも、希有なタイプです。
そういう彼女が作る帽子はと言えば、まさに人柄そのもの、
可愛いものメルヘン系とは対極が好みの私でさえ、思わず引き寄せられてしまうのですから。

まずは、その帽子をお見せしましょう。


とりわけ造形的に面白いのは、こちら↑
ハチャメチャの継ぎ接ぎ構造のため、帽子のトップはとてもつもなく変形しているのですが、
それでいてトップとしては意外性ある直線が、却って面白い立体を作り上げています。
それにしてもねぇ、なんでこういう形を考えたのでしょう。
その発想もちょっと異才という感じでしょうか。
一つ間違えば異才でなく、箸にも棒にもかからない帽子となるのですが、
そうならないのは、遊んでいるようで、しっかり実用の最低ラインは外さないところでしょう。
布地の選び方もいいですね。
ちょっと被って歩きたい気がしますが、私のファッションでは帽子が浮いてしまう。


次に注目したのは、左のベレー↑
作者は、「絵を描くような感じで♪ 作ってみましたぁ~♪」とか。
私は、ある程度の幅広ブリムがないと似合わないんです。
ベレー帽の似合う人って素敵ですね。
こんなベレー持っていたら、ちょっと得意になるかもしれない。

まだまだ面白い発想の帽子がいっぱいあるのですが、画像がなくて残念。
どうも実用的なものを中心に撮ってしまったようです。

例えば、白鳥が長く首を伸ばしている帽子や、
ベレーに長細~い手が付いていて、そのあちこちになぜかぬいぐるみのプリンが付いている帽子。
その手は首に巻いてマフラーもどきにするんだそうです。
更にその手の先にはスナップが付いていて、同じタイプの他のベレー帽の手と繋がるようになっています。
人と人との繋がりを意識した「プリン帽」だということですが・・・・。
??? なぜプリン? 
製作者は「プリン同盟」とか何とか言ってましたっけ。
説明を聞きながら、クスッとしてしまいます。
とりあえずその場の3人で被って繋がり、にっこりしてみました。
その他、小さな鳥、彫金のペンダントトップ、ブローチなどもあります。

この不思議な帽子と、ホンワカ楽しい製作者に会いたい方は、
「トーリの森 冬の帽子展」 2月1日~6まで

東京都世田谷区北沢3-34-3 Kasutela
アクセス/小田急線または井の頭線「下北沢」下車 徒歩4分
     「下北沢」西口を出て、駅前の道を線路を背にしてまっすぐ4分歩きます。
     初めての信号を右に曲がって10m。kasutela(カステラ)