このお気に入りの珊瑚のネックレスを付けると、ポンペイを思い出す
このところTVでポンペイの遺跡について何回か放映していたのを観て、
私とは因縁深く、かつ縁浅かったイタリアの遺跡の事を思い返しました。
初めてポンペイの遺跡に行ったのは12年前の夏のことでした。
喜寿になる義姉に「お祝いにどこかに旅行しましょうか」と提案し、
彼女が好きな北海道かな? と目星を付けていたら、
なんと「南仏がいいわ」という思いがけない返事でした。
ありゃりゃと驚きつつ「これもご縁かな」とあれこれ調べましたが、
日程的に合うものがありません。
紆余曲折の末、南イタリアに落ち着きました。
思わぬ展開に驚きつつ次兄に報告すると「僕も行こうかな」。
こうして思いがけないメンバーでの南イタリア旅行が決まりました。
3人とも南イタリアは初めてです。
ナポリ、カプリ島、ポンペイ、アマルフィ、マテーラ、アルベルベッロ、タオルミーナ、
サレルノ、アグリジェントほか盛りだくさんのツァーでした。
ところが盛夏に胃弱になる私の悪い癖が出て、直前まであまり食べられません。
キャンセル締め切り直前まで迷いに迷い、決行しました。
おいしそうなイタリア料理もろくに食べられず、体力もなし。
体力を使いそうな名所はパスして、皆に迷惑をかけないようにしました。
その筆頭がポンペイの遺跡。
ここは見学後にまた同じ入り口に戻ってくるので、パスすることが可能です。
入り口にある喫茶店や店で時間を潰しながら皆の帰りを待ちました。
ポンペイを埋もれさせたベスピオ火山に登る登山電車は♫フニクリフニクラ♪の歌で有名な「フニクラ」駅から出る
この入り口から皆は遺跡に入って行った
中はこんなふうな遺跡らしい
入り口にあるスタンドではくだものの生ジュースが飲める
イタリアといえばカメオ。店ではカメオ彫刻師が制作中
もちろんたくさんの豪華カメオを販売中
カメオは高くて買えないし、クラシックで私に似合わない。
隅っこに売っていたさんご、日本にはない細い筒型のパーツが気に入った
さて次にポンペイに行ったのは5年前のこと。
それまで3回のイタリア旅行がすっかり気に入った私は、
計4回目の旅行に相方と出かけました。
ところが出発前日の日曜日の早朝、ドアに思い切り小指の爪をぶつけ、
足の甲まで腫れ上がり、小指を薬指にテーピングして、
足を引きずり引きずり旅行に出かけるはめになりました。
予備の柔らかな靴が壊れ、フィレンツェでバックスキンの靴を買い、
ようやくツァーに付いていくという状態。
そこにまた、ポンペイの遺跡がやってきました。
もちろんこんな足の状態で広い遺跡をめぐり歩くのは無理です。
で、またまたのパス。
日本でならとにかく、あんなに遠いイタリアで2度も見放されるとは。
よほどご縁がないのでしょう。
結局2度とも皆を待つために入り口の喫茶店で生ジュースを飲み、
カメオの宝飾店を覗いて時間を潰しました。
そんな縁のないポンペイですが、
宝飾店の隅で売っていた珊瑚のネックレスが気に入って買いました。
日本のデザインにはない、プレーンなチューブパーツが素敵。
単品使用のほか、チェーンと重ね付けをしたりして楽しんでいました。
最近地元国立の工芸作家に同じ色のガラストップを付けてもらった。
2度もポンペイの遺跡に見放されたけれど、
その代わり、このネックレスが手元に残っていまでは一番のお気に入りです。