あみたろう徒然小箱

お気に入りのモノに囲まれ、
顔のつぶれたキジ猫と暮らせば、あぁ、極楽、極楽♪

忘れられない人々〔お年寄り編1〕 惚れ惚れする格好よさ ヌー族

2014-02-28 | 少数民族あれこれ

怒(ヌー)族の呪術者であるお婆さんは、ニコリともしないでこちらを見据えた

年齢を重ねた人には、例えようもなく豊かな魅力に溢れている人がいます。
少数民族調査の旅では、神話、習俗などいろいろ語ってもらう関係上、
お年寄りとの出会いが多かったのですが、
とりわけいまその姿を思い返しても、瞼にありありと浮かんでくる筆頭がこのお婆さん。
惚れ惚れするほど格好いいというのは、こういうお年寄りを言うのではないでしょうか。

彼女に会ったのは1997年8月、
雲南省貢山独龍(ドゥーロン)族・怒(ヌー)族自治県の中心都市、
貢山(ゴンシャン)から40㎞ほど北にある丙中洛郷という小さな村でのこと。
貢山独龍族・怒族自治州は雲南省の奥地の西北端にあり、
すぐ隣はミヤンマーという位置にあります。
数㎞離れた甲生村から2時間ほど歩いて、丙中洛の公安局に来てもらったときのことでした。
こんなお年寄りを歩かせて、と不謹慎に思うでしょうか?
確かにそうですね。
しかしちょっと言い訳するなら・・・・、
日程の関係で、貢山の公安局でいろいろな人にいっぺんに会う予定だったため、
現地が気を利かせて呼んでくれたのです。
山道を2時間歩くというと、機材を持った私たちには難行ですが、
健脚の彼らにとっては山の傾斜地を歩くのも日常的なことで、
ヤワな日本人とはまったく違うのです。
もちろん、感謝感謝でした。

彼女の名は甲底(ジャディ)さん、80歳。
ヌー族では「ニマ」と呼ばれる巫師(ふし=呪術者)で、
ヌー族の神話をよどみない安定したメロディーで歌ってくれました。
取材が終わり、さて村に帰るというとき、屋外に出た彼女を写真を撮らせてもらったのがこれ。

まあ、この立ち姿の素晴らしいこと!
竹製のキセルをくわえ、使い慣れた上等な杖を突いてすっくと立ち、
こちらを見据える眼には強い意志が溢れています。
媚びない生き方を貫く自信に満ちて、どんな立派な衣装にも負けない神々しさ。
ファインダーを覗きながら、身震いするほど感動したのを思い出します。
強い意思と自信、誇りに満ちたお年寄りに出会うと、それだけで感謝したくなるのは何故でしょう。


(雲南省貢山独龍族・怒族自治県貢山 1997.8)

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キツネのトレイは優れもの

2014-02-05 | テーブルウェア

前:Grey 後ろ:Green

こちら現在、大のお気に入りのトレイです。
あるとき、企画もののアートスペースでこの不思議な動物のデザインを見ました。
犬かな? キツネかな? オオカミかな? 
それにしてもおもしろいデザインだな、と思いました。
直線だけによる動物のデフォルメがいい。
それにこのトレイ、表面に強力な滑り止め加工が施されていて、
いままで見た滑り止めトレーの中で最も優秀です。
ちょっとぐらい乱暴に飲みものを載せて歩いても、滑る心配はありません。
その強力度を試したのがこちら↓ 

高さ7㎝の台を使って傾けても、載せた器は全くずれ落ちません。
中に液体が入っていれば、傾きのためこぼれるのは当然ですが、
持ち運びの揺れで滑るリスクはゼロといっても良いでしょう。
色展開はどれも魅力的で、私が持っているのがグリーンと黄、グリーンがかったグレイと赤、
その他にネイビーと赤もあります


「BRITA SWEDEN」(ブリタ スウェーデン)の製品。
母親+娘2人の3人組によるテキスタイルブランドだそうです。
この動物、何かと調べたらキツネでした。
公式サイトの説明によると、
「3人のデザイナーの生まれ故郷、スウェーデン北部では、
夏の日没になると海岸沿いに「赤きつね」が現れます。
しっぽの先だけが白く、体は真っ赤な毛に覆われたキツネは、
スウェーデンでは最も美しく、ゆかいな動物と言われています。
とても恥ずかしがり屋な彼らは、森や庭先に隠れながら、人間たちを観察しています。
キツネの目もよくよく見てみると、目がキョロキョロといろんなところを見ています。」
ということです。
これを読んで初めて気づいたのですが、確かに目玉があっちを見たりこっちを見たり。
これは、人間を観察している恥ずかしがり屋の赤キツネの眼なんですって。

たしかに目玉がキョロキョロ。人間を観察しているのね?

「BRITA SWEDEN」の公式サイトはこちらで、デザイナー親子3人組はこんな人。
製品展開は、基本となるファブリックの切り売りはもちろん、
トレイ、鍋つかみ、鍋敷き、エプロン、ポーチ、トートバッグ、
よだれかけ、クッションカバー、スリッパなどいろいろ。


思いきりカラフルにコーディネイトしても、フィットしてしまう

白い器は、白がぐんと映える

私の好きなファイヤーキングにも合う

午後のお茶タイムには、このトレイにコーヒーとクッキーやナッツなどを載せます。
かなり主張が強い色とデザインですが、こんなふうにカラフルにコーディネイトしても楽しいし、
白い器を合わせると、いっそう白が美しく見えます。

というわけで、粗忽者の私でも滑る心配をしないで済む安心トレイ。
ちょっとマンネリ化した作業タイムの休憩時、
新鮮な空気を吹き込んでくれるカラフルなキツネは、午後の元気の素になっています。