新・日記どす(DOS)

写真は「ビートルズ」のヘルプごっこ(笑)~音楽からB級スポット訪問記まで、幅広くいろんなことを…笑いをこめて…綴ります~

名古屋市博物館にて企画展「戦前を生きる~収蔵品が伝えるココロ~」

2023-02-16 07:14:51 | 博物館・美術館

防衛費が、な、なんと2023年度からの5年間で総額43兆円、5年間で1.6倍まで増額されるとのこと

現在、国民1人当たりの防衛費の負担額は年間約4万円、これが、27年度には約7万円となり、3万円程度の負担増となるんだとか…

国民の生命を守り安全性を高めることが、防衛力強化の最終的な目的だと言ってるけど、防衛費増大で、反撃能力、継戦能力を高めることが国民の生命を守り安全性を高めることに安直に繋がると言ってること自体がそもそも疑問…かえって北朝鮮や中国を刺激することで安全保障上のリスクをむしろ高めてしまう、あるいは、遠い地域の紛争に米国が参加すれば、追従して巻き込まれるリスクをも高める危険性もあるんじゃないかって十分考えらそうなのに…

国民の意見は反映されず…某総理は防衛費増大を掲げてる…

…もう杞憂せざる負えないこの状況…

値上げラッシュが続く中での防衛費増大…要は税金アップ…ただ生活していくだけでも大変なことが予想されるのに…

 

そういえば昨年末に放送されたテレビ番組「徹子の部屋」にゲスト出演したタモリが、2023年について問われ「新しい戦前になるんじゃないですかね」と発言したことがニュースになってたなあ…

 

そんなことを思いつつ

名古屋市博物館

企画展「戦前を生きる~収蔵品が伝えるココロ~」を観に行く…

 

天皇を君主とし、国民は「臣民」とされた戦前の大日本帝国から太平洋戦争終戦までの時期の国民目線からの展示物が並んでて
ちなみにこの展示では、太平洋戦争終戦までの時期の日本を、「戦後」に対する「戦前」として扱うとの説明書きがありました…

 

さて展示室に入ると飛びこんでくるのが

MW35式プロペラ

「新しい戦前」ではない「戦前」のときに、税金で…防衛費(軍事費)で造られたものでしょう…

まずは、このコーナーから

「勅語関係資料ー大日本帝国であったころー」

大日本帝国憲法

教育勅語…

言葉だけは、教員採用試験対策で覚えた記憶が…

 

「昭和10年代の修身の教科書」

この頃の「よい日本人」の記述

国家の策略の恐ろしさを痛感します…

「忠君愛国の心」なんて綴られるととても素敵なことのように思えるけど、実際は、国民個々の生命よりも、愛国ですからね…あ、この頃は、国民じゃなくて、臣民でしたが…

明治天皇像

戦前から、名古屋は「金ぴか」が好きだったんですね…

御真影御勅語奉安庫

非常時には、真っ先にこれを抱えて逃げる…結構、これを持って逃げるの重たそうだけど…みたいな時代だったんですね…

この中に入っていたのが「明治天皇御尊像」

 

「軍人勅諭」なんていうのもあったんですね

携帯版も

 

続いては

「天皇行幸関係資料ー名古屋での大パレードー」

名古屋近郊で陸軍特別大演習が行われた時も、天皇が名古屋に行幸したようで…

 

その資料の展示…みてもよくわからないので、ただ「ふーん」と眺めただけだけど

東西軍戦況概要

天皇は東軍と西軍の模擬戦闘を、名古屋城の天守閣から眺めていたよう…下の図は模擬戦闘計画図…

続いては昭和天皇の即位行幸時の名古屋途中下車

小学生向けのガイドブック…副読本のようなものでしょうか

天皇が名古屋駅から名古屋城へ移動するのを拝謁しようと道で待ち構えている人たち…もう、この写真をみると、木村拓哉さんの織田信長が岐阜市でパレードしたことが想起されちゃいます…どっちも凄い人だかりで

各パビリオンなんて記されていると、つい万博と同じようなものかと勝手に思い込んじゃってる私…

「出征・銃後関係資料ーたがいに祈り、思いあうー」

検閲

軍事郵便とは戦争中に、戦地などにいる軍隊や軍人、軍属から出される郵便、また、彼らあての郵便のこと…郵便は無料だったそうだけど、内容は必ず検閲されていた…

その検閲をすり抜けるために

もし戦前だったら、このブログも検閲を受けたらアウトだったんだろうな…

 

召集令状…

「新しい戦前」とタモリさんが言葉にしたけど、マイナンバーが、こんなものに使われることが、来ることが絶対ないと、心から願って

奉公袋…なんか鎌倉時代みたいだな…御恩と奉公…

千人針

出征に送り出す時の旗

「慰問袋」を受け取って喜んでいる水兵さんのポスター

慰問袋は、デパートが推奨をしていたよう…

これらの展示で、ちょっとドキッとした展示品がこれ

戦場で身体的欠損をした人への天皇から下賜された義眼

そして、義手

上官からの弔意の手紙

戦争の最初の頃は戦死者の家族へ、死亡の状況とお悔みの手紙を送っていたよう…

子供に送る場合は御覧のように読みやすいようにカタカナ表記で

遺骨箱と遺品のメガネ

陰膳

続いてのコーナーは

「ポスター・絵本資料ースローガンに囲まれてー」

今回、個人的に興味深かったのが、このポスターの展示

今になって思えば、国策のなんとも愚かなことよ…でも、当時は、そんなふううに疑ったら「非国民扱い」だったんでしょうからね…

大日本帝国憲法のもとで、その国家神道は、宗教と政治、そして教育を一体化させる役割を果たした…

神聖化されていった軍部が掲げた超国家主義的思想と聖戦思想のよりどころが、国家神道…

 

軍隊の神聖視が圧倒的な支持を集めるなかで、マスコミやジャーナリストたちも主義主張を愛国主義へと転向させざるをえない状況に追い込まれていく…

国民の命よりも国が優先された時代…

そして、下記に掲げたポスターが強烈!!

「備えよ国防」とあって下の方には「明るき平和」とある…

なんと戦争を行いながら「平和」の言葉が描かれているのである…

これって「国民の生命を守り安全性を高めることが、防衛力強化の最終的な目的」だと岸田総理が言ってた言葉と似ているような…

憲法の前文および第9条で規定された平和主義…日本国憲法は「平和憲法」とも呼ばれてきた…だからこそ戦後、軍事予算はGDP比1%以内にほぼ抑えてきたし、以前の自民党の歴代総理大臣はずっと憲法維持を明言してきたのに…

その流れを変えたのが某新興宗教と繋がりのあるアベ総理

アベ総理は「平和憲法」を改正すると言い出し、そして、キシダ総理はGDPを二倍にすると言い出した…

アベ総理も、もちろん「平和」という言葉を使っていたし、キシダ総理も「平和」のために…と上記のポスターのように「平和」という言葉を使っている…

平和憲法をいじり、軍事予算を2倍にしながら…

 

戦地の将兵や、出征兵士たちの家族、戦地で負傷した人びとを、思いやり、支えることも、銃後の国民のつとめ

多くの「将兵」「傷兵」へと…

 

下のポスターは、実にストレート!!

最下位のプロ野球チームが用いそうなスローガ!ン

もう「御用心」だらけ…カフェも酒席も

「のぞくな軍機 聞くな流言 語るな秘密」

「見ざる言わざる聞かざる」の「三猿」に影響を受けてのスローガンのような

 

「銃持つ心で銃後に尽くせ」

戦場で戦う男性を支えるのは銃後の後援活動であり、女性や老人・子供の役割とされた… こんなあどけない少年も…成長すれば戦場へ…

「散って甲斐ある命なりせば」

国民を高揚してますなあ

「感謝で守れ 勇士の遺族」

戦時中に亡くなった兵士の死は「名誉の戦死」として家族に伝えられ、靖国神社合祀時の招魂式にも参列し…また、戦死者の遺族には、恩給法により扶助料が年金として支給され、税の免除、授業料・託児料の減免など、多くの優遇保護が与えられたそうだが…

 

あ、これは、今でも使えそうなポスター

ちょっと、ほっとします…

 

「節米」を「値上げ」「重税」と言葉を換えると、今、国が押し付けていることと被っているような

母親に期待された役割…

絵本も強烈

この絵本…文部省推薦です…汗

「オソラヲトバウヨ」

この少年が、ピーターパンにはみえません!!

そして、こちらのコーナーには

「国民精神総動員」

精神だけでなく、鉄、銅製品も総動員

「敵は日本の玄関に迫って来た」…この一文は「検閲」を通過できたのね…??…どう見ても劣勢が読み取れるんですけど…

風邪をひいたら、非国民扱いされそうです…そーいえば、新型コロナウイルス感染症が蔓延しだしたときに、感染者に対して、こんな感じのこと思ってましたよね…感染よりも風評被害の恐ろしさ…マスコミが恐怖をあまりにも、煽るから…感染したら、その街にもう住めなくて、引っ越しをしたなんて話もきいたような…

有名な3つのスローガン

続いては

「学童疎開関係資料ー家に帰れない遠足、教師はー」

服にわいたシラミをとっている写真

洗濯物を干す…

イナゴ…昔、幼児の頃、祖母の家で、つくだ煮をみたような…私は、見た目がグロテスクで食べれなかったことを今でも憶えています…

 

「写真絵葉書資料ー風景という故郷を失うー」

戦禍で焼ける前の熱田神宮

名古屋城

七寺

三重塔は今はなく…再建されていません…

市街中心部

 

ラストの章は

「空襲下での個人の記録ーもはや「銃後」ではないー」

「B29空襲日誌」

これ、以前、「常設展特別企画 おまたせ!再会博物館」に展示でみました…

この「B29空襲日誌」のことについても綴ってますので

リンクしておきますので、ぜひお時間あったら読んでくださいな…

 

名古屋市博物館で「常設展特別企画 おまたせ!再会博物館」

 

そして、初めて観る

「防空日記」

 

最後は「日本中部立体地図」でこの展示は〆られていました…

「隣国は敵だ…やっつけなくちゃ!」といった国民感情が国やマスコミの扇動によって煽られることのないように…と願いつつ

今は「戦前」じゃありませんよね…と、この人に尋ねても、ずっと答えはでず、考え中のご様子でした…

苦笑…

あの…この企画展、みていたのはご年輩の方ばかり…なかには、子供の頃、こうだっととばかりに、懐かしがる後期高齢者も…

 

本音は、戦争が、映画やドラマでしか知らない若い人に、見てもらいたい展示のような…

そして、考えてほしい…

防衛費、倍増…で、平和が保たれる、って、どうなんだろうって



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