あまねのにっきずぶろぐ

1981年生42歳引き篭り独身女物書き
愛と悪 第九十九章からWes(Westley Allan Dodd)の物語へ

風音

2017-04-29 12:13:27 | 
きみは骨うずめる場所、きみは見付けたり。
そらは下うずめる大地、きみは閉ざしたり。
遠くで風音、吹き荒れにけり。
きみの虹彩、渇ききって、死んだ鯨の様。
遠くで風音、吹き荒れにけり。
目が醒めて、ほか何者も去ぬ。
きみの声、聴こえゆるほう、歩きみたが、
遠くで風音、吹き荒れにけり。
きみの瞳孔、開ききって、なみだ落つる。
きみの声、呼ばわるほう、いってみたが、
遠くで風音、吹き荒れにけり。
海獣われを、地上にて咆哮す。
かなしからずや。
遠くで風音、吹き荒れにけり。
なんど目が醒めて、も、きみ見やらない。
かなしからずや。
きみわれの胎盤と、もろとも剥がれ落ちたりて、
声音なき終焉す。
遠くで風音、吹き荒れにけり。
吹き荒れにけり。


















2017-04-29 04:19:40 | 
僕はなんか、恐ろしい境地に入ってるみたいや。
君のことが、恐ろしい僕が体内におるみたいやわ。
自棄になって、欝になるほど幸せだ。
幸せってなんか、船虫みたいやな。
形のことを言っている。
嗚呼、切腹しながら君に接吻が慕い。
腸を引きずり出しながら、これが君と僕を繋ぐ臍の緒だよと言って君の首を三重に巻いて締め付けてさしあげたい。
是が、恋といふものである。
人物の相対に蹲った蠢くサヴァイヴァルである。
僕と君はそうしてこの珍妙な世界で生き残ったんだよ。
だれも、たれも、あてにするな。わたしいがい。
そう君はぽくにゆうた。たわしでちんぽを擦り付けながら。
僕が、マシュー・バーニーの「クレマスター4」のケツの穴に時めいていたらば。
君は彼に嫉妬した。
其が、恋とゆふものである。
最も、おそろしいレヴェル。
僕は表現に、今もっとも恋をしている。
幸せだと素晴らしい作品なんて絶対書けないさ。
嗚呼、僕の脳髄に醤油をかけて君に食べさせたい。
是が恋でなくてなんなんだ。
経血馬鹿。胎盤のすべてを、君だけの為に剥がし尽くしたい。
何物にも代えられない痛みの代償だ。
額縁の中のイザナミが海へ還る頃、君は下血して此の世は終末を迎えた。