あまねのにっきずぶろぐ

1981年生42歳引き篭り独身女物書き
愛と悪 第九十九章からWes(Westley Allan Dodd)の物語へ

If This World Were Mine

2019-07-26 20:00:22 | 
僕は僕が死ぬ日に、命が吹き込まれるだろう。
邪悪な天使は、僕を傲慢にし、
この世界に生まれ堕ちた日、君は祝福された。
僕のマザーはサインを送り、忠実を祈る。
君の下僕であり、揺り籠のなかのこどもたちに。
君は僕に約束し、僕を預言者にする。
君のマザーは、君を連れて行った。
君のファザーは、彼らから隔離した。
君は彼の子供を運んで、夫のいない母と、息子のいない父を創った。
声が在り、君を下の方から呼ぶ。
”絶望してはならない。”
”主は、あなたの足元に”
”その水面を自分の足で走る小川を与えられた。”
声が在り、下から君を呼んだ。
”この世界がわたしのもので在る為”
”わたしはあなたの足元に跪く”
”わたしは見た。わたしの所有する全て”
”それはわたしとあなたに、とても良かった”
声が在り、下から君に呼びかけた。
”この世界が僕のものだったならば”
”僕は君に花や鳥、そして蜜蜂を贈るだろう”
”僕のなかに、あなたの愛を持つ為に”
”それは僕が必要とする全てとなるだろう”
君は言った、”あなたがわたしに触れないとき、どうすればあなたは生まれますか”
僕は答えた、君が僕を恐れるのならば、”近づかないでください”
僕は言った、”僕があなたに触れないとき、どうすれば僕は生まれますか”
君は答えた、わたしがあなたを恐れるのならば、”近づかないでください”
下から声が在り、君を呼んだ。
”この世界が僕のものだったならば”
”僕は君が望んでいるものすべてを創造する”














Marvin Gaye – If This World Were Mine (Claes Rosen Remix)





















Carnism(肉食主義)ー肉食を正当化する4つのNー

2019-07-19 02:49:26 | 食と社会問題
    


 
 何故、我々は犬を愛し、豚を食べ、牛を纏うのか?
そう社会心理学者兼ヴィーガン活動家のメラニー・ジョイが我々に投げかけるスピーチです。
是非、御覧ください。



肉食主義を離れ理性的で正当の食事選択を | メラニー・ジョイ | TEDxMünche
Toward Rational, Authentic Food Choices | Melanie Joy | TEDxMünchen






『メラニー・ジョイは、マサセッチュー大学で教鞭を執る心理学と社会学の教授であり、著名な『私達が犬を愛し、豚を食べ、牛を纏う理由』の著者です。


ジャイナ研究所が与えるアヒンサー賞の受賞者として、ネルソン・マンデラ、ダライ・ラマに続いて8人目となりました。


私達がある種の動物を食肉用として扱う一方である種の動物を愛玩する、その矛盾に対する疑問を私達に投げかけ、畜産業界の現実を明らかにしながら、メラニーは私達が当然として受け入れている肉食主義の根絶を説いています。


このトークは、TEDカンファレンスから独立して運営された、ローカルのTEDxです。 ( 翻訳 Reiko Bovee 、レビュー Masaki Yanagishita )』


スピーチの中でジョイはこう話す。

『一つ思考実験をしたいと想います。』
『ある晩餐会に招かれたとします。』
『そこでこのような料理が出されました。』




『これを見て美味しそうか、胸が悪くなりそうか考えてください。』
『美味しそうだと想う人がレシピを家人に尋ねると、』
『その秘密は肉にあるのです。』
『という返事が返ってきます。』
『それは1,5kgの美味しく料理された…』









『ゴールデンレトリバーの肉です。』

(続きはスピーチの動画を御覧ください。)




カーニズム(Carnism)とは



カーニズム(英語:carnism)は、人類と他の動物との関係を論じる際に用いられる概念で、動物製品の利用と消費、特に食肉の消費を支持する支配的なイデオロギーを指す。


マルタン・ジベールとエリーゼ・デソルニエによれば、
カーニズムは、ある種の動物製品を消費するように人々を仕向けるイデオロギーを指し、本質的にヴィーガニズムに対置されるものである」




カーニズムという言葉は、2001年に社会心理学者兼ヴィーガン活動家のメラニー・ジョイが作ったもので、彼女の著書『なぜ我々は犬を愛し、豚を食べ、牛を身にまとうのか(英語版)』(2009年)によって普及した。


carnはラテン語で「肉」を意味する。




ここではカーニズムは、様々な防衛機制とほとんど疑いようのない前提に支えられた支配的な信念体系であると指摘されている。


この理論によれば、イデオロギーの核心は肉食を「自然・正常・必要」なもの、(時には)「良い」ものとして受け入れることである。


カーニズムの重要な特徴は、特定の種の動物のみを食品に分類し、もし他の種に適用すれば受容すべからざる動物虐待として拒絶されるような慣行を、これらの動物に対しては受容する点にある。










ジョイは、肉を食べる人々が肉の消費を「正常・自然・必要(normal, natural, necessary)」なものとみなしているとして、「正当化の3N」という考えを導入した。


3Nは、奴隷制や反女性投票権といった他のイデオロギーの正当化においても叫ばれ、彼らの支持するイデオロギーが解体されて初めて問題含みのものと広く認識されるようになったと彼女は主張する。




この議論では、人類は肉を食べるように進化したこと、人類に肉食が期待されていること、生き残るため・強くあるためには肉食が必要であることを信じるように人々が仕向けられているとする。


こうした信念は、宗教・家族・メディアなどさまざまな機関によって強化されているという。
科学者たちは、人間が肉を食べることなく食事に十分な量のタンパク質を得られる
(*正しくはタンパク質だけではなく植物だけで十分な全ての栄養素を得られることは多くのVeganたちが実証している。ちなみに僕は2015年9月からVeganだけれども、こないだの血液検査の結果はすべて基準値内であった。不足されがちと言われるビタミンB12も不足してはいなかった。)ことを示してきたが、肉が必要だという信念はなおも存続している。




ジョイの著書に基づいて、心理学者が米国とオーストラリアで一連の調査を行い、結果が2015年に公表された。

ここでは肉を食べる人々の大多数が、正常・自然・必要に加えて「美味(nice)」という「4N」に基づいて肉食を正当化していることが分かった。


その主張は、人間は雑食動物であり(natural)、ほとんどの人々が肉を食べ(normal)、ベジタリアンの食事は栄養に欠け(necessary)、そして肉は美味しい(nice)というものである。




こうした主張を支持した肉食の人々は、自らの食習慣についてあまり罪悪感を覚えないと報告する傾向が強かった。


彼らは動物を客観化し、動物に対する道徳的配慮が少なく、また動物への意識が低い傾向にあった。


彼らはまた、社会的不平等と階級的イデオロギーをより支持し、自分の消費者行動にあまり誇りをもたないことも分かった。』









君の眼の前で

2019-07-14 22:33:20 | 随筆(小説)
LIFE IN THE SLAUGHTERHOUSE - À L'ABATTOIR
https://www.youtube.com/watch?v=u06gSp8gXYY


先日、このドキュメンタリー映画を観終わってから、自分の首が、同じように、ザックリとナイフで奥まで切られ、そこから溢れ出る赤黒い粘液を伴った血、機械で仰向けにされた牛が呼吸する幾筋もの器官が、どろどろの肉のなかで苦しげに動く様子、目を剥いて拷問の苦しみを受けながら牛の白く長い舌は口の隙間から力無く垂れ伸び、そこから白濁した涎が溢れ、人間の二倍以上の巨体が、冷たいコンクリートの床に投げ出され、牛の首は三分の一の肉と皮で漸く繋げられている。
彼はまだ意識がある。手脚を動かし、必死にこの地獄から脱け出ようともがき苦しんでいる。


僕に向かって、男が言う。
『エンパシーが必要なんだ。』
『お前は来世の自分の姿を観た。お前の首を、切り裂いてやる。』
『エンパシーが必要なんだ。』
気付けば僕の手に、と殺(屠畜)用ナイフが握られている。
血でぬめり、胃液の上ってくる悪臭のなか、人間の啜り泣きが聴こえてくる。
『お前は一体だれを殺してきたんだ。』
自分の脳裡のなかで、自分の声は自分の食べてきた死体のパーツごとに分裂する。
そのバラバラの声を組み立て、また一つの声となって、声が聴こえる。
『お前が食べてきた断末魔は、お前を幸福にしたか。』
嗚呼…そこにいるのは…
(僕はまだ息をしている。)
そこで待っているのは…
(僕は助けを請うている。)
そこにいるのは…
一頭の黒い雄牛。角を切られ、両耳には番号の書かれた耳標が付けられている。
(僕を待っている。)
自分の血溜りの中で、真っ赤に飛び出した目で、何かを必死に観つめようとしている。
(僕を待っている。)
僕の隣で、男が囁く。
『暴れてるじゃないか。お前がもっと深く切り込まないからだ。』
僕は血濡れたナイフを持ったまま言う。
『これ以上切ると、首が外れそうだ。』
灰色の床を血の海にして、雄牛は手脚をばたつかせてのたうっている。
男は僕からナイフを奪い取って牛の半分近く切り開かれた血の溢れる首の肉に、深く切り込む。
『ぶつっ。』と、不快な音が響き、雄牛はこれまで以上に、苦しそうに鳴き声をあげて僕を見つめている。
そして声が聴こえる。
『エンパシーが必要なんだ。』
『エンパシーが必要なんだ。』
『エンパシーが必要なんだ。』
『君は殺される。』
『君は殺される。』
『君は殺される。』
『君の手で、君は殺される。』
『君の眼の前で、君は殺される。』


僕は目を覚ます。
そして僕のなかから、声が聴こえる。


『エンパシーが必要なんだ。』