日蓮聖人のご霊跡めぐり

日蓮聖人とそのお弟子さんが歩まれたご霊跡を、自分の足で少しずつ辿ってゆこうと思います。

川奈のお岩屋(伊東市川奈)

2017-05-21 09:59:17 | 旅行
満潮時には海中に没する俎岩(まないたいわ)に置き去りにされてしまった日蓮聖人を、たまたま漁の帰りで通り合わせた地元の漁師・弥三郎さんが助けました。


弥三郎さんがひと月もの間、日蓮聖人を匿い、給仕したという岩屋が川奈にあるというので、訪問しました。



ゴルフ場で有名な川奈ですが、岩屋に通じる道はご覧の通りの「ザ・路地」!


港のすぐ近くにありました。

この岩屋の前にお堂が設けられており、蓮慶寺の祖師堂となっています。
蓮慶寺からは路地を下ること5分、てとこでしょうか?


この法塔によると昭和50年に祖師堂は改築されたそうです。
川奈の篤い信者さん達が維持されているようです。


祖師堂の裏側に山を背負っているのがわかります。
その昔は漁具を保管しておく倉庫として、地元の漁師が利用していた岩屋だったそうですよ。


岩屋と祖師堂がつながっている場所に、黒い題目法塔がありました。
四箇格言が刻まれていました。
法難なんかに屈しないぞ!という日蓮聖人の強い意志を汲んでいるようです。


日蓮聖人を助けた弥三郎さんは、川奈の自宅に案内しようとしました。
しかし地頭から「日蓮は大罪人だから匿ったり庇ったりしてはならん」との布告が出ており、詮索も厳しいため、この岩屋の奥に匿ったのです。

匿った事がばれたら、それこそ弥三郎夫婦も同罪になってしまうのに。


妻が日蓮聖人に食べ物を供養し、弥三郎さんが周りを警戒している姿が描かれている絵がありました。この岩屋の存在を象徴している一枚だと思います。

弥三郎夫婦が危険を顧みず日蓮聖人を匿った理由が書かれていました。
「大聖人のお姿があまりに尊く、またいくつかの深い宿縁を感じ」たからだそうです。


見ず知らずの、それも「札付きの罪人」扱いされていた一人のお坊さんの、肩書きとか身なりで判断せずに、見えないもの、内面を見抜いた弥三郎夫婦。
それこそ「実相」(まことのすがた)を感じることができる人に助けられた、不思議な縁だと思います。


弥三郎夫婦は30日あまりにわたってこの岩屋で日蓮聖人をお世話した、ということです。
日蓮聖人はのちに弥三郎夫婦に「船守」の姓を与えられたそうです。
なので、宗門では現在も「船守弥三郎夫婦」と呼ばれています。


それでは、船守弥三郎夫婦のお墓がある蓮慶寺さんに行ってみましょう。
急坂を登らなきゃいけないんだよな・・・憂鬱(笑)