日本の創成期の時代、日本近海から朝鮮、中国をまたにかけた航海術を持っていたといわれている安曇族。
彼らの拠点といわれる福岡市東区志賀島、かってはこの島に多く安曇という姓が残っていた。
古より志賀島の民が信仰をのよりどころとした志賀海神社で、正月の15日に近い日曜日に歩射祭が行われる。
これは安曇百足(あずみももたり)の、土蜘蛛退治に由来するといわれ病魔退散、五穀豊穣を願う祭事であるという。
胴結締は弓の練習に用いられる俵のことで、これを歩射祭の前日に射手になる若者が、参道を200m担いで大人になった証を見せる。
担ぐのは15歳位の若者が多く、白装束に白足袋姿のいでたちで臨む。
およそ100kgの重さの胴結を一人の少年が、首からダイダイを紐でつないだものをぶら下げ背負う。
残りの青年がこれを支え、笛や太鼓のお囃子に合わせ道中歌を歌いながら参道を歩く。
この日は小雪交じりの空模様、厳冬の厳し道を一歩一歩前に進んでいく。