先日、Interop というイベントに視察に行って来まして、新たな洞察を得たので書いておこうと思います。
備忘録的に。
■現状認識
Windows 95 が標準で TCP/IP に対応したことで、インターネットが身近なものになり、これまで衰えること無く、普及/発展/拡大して来ました。今後、Internet of Things(モノのインターネット)と呼ばれる時代に突入すると言われており、既にエアコンなどの家電製品でインターネットに接続されるものが出てきていますが、多くの家電製品がインターネットに接続されるようになって行きます。それらは、利用者の情報を収集したビッグデータとセンサーを組み合わせ、自動的に適切に動作するようになって行くことでしょう。
セキュリティに目を向けてみれば、インターネットに存在する脅威も、インターネット成長と共に増大しており、マルウェアの数だけ見ても、近年、爆発的に増大していることが分かります。その上、パソコンやタブレットなどの汎用的な機器以外の機器に感染するケースが増えています。最近ニュースになったところでは、POSレジ端末への感染が挙げられますが、今後、インターネットに接続された多くの家電製品もターゲットになることが予想されます。IoTの普及と共に、脅威も増大するわけです。
ところが現状を見れば、特に家庭に目を向ければ、アンチウイルスソフトウェアを入れるだけで安心している人が大半ではないでしょうか。中には「重要なデータ入って無いし」と言って、アンチウイルスソフトウェアすら入れていないケースもあるでしょう。実際には、パソコンにデータが入っていなくても、様々な脅威があるわけですが、ここでは、その話はここでは割愛します。
実際のところ、高性能なアンチウイルスを入れて適切に設定を行えば、かなりの程度、脅威を逃れることが可能と言えます。しかし、この適切な設定が行える人が多くないことが、一つ課題としてあります。
ビジネスシーンに目を向けてみれば、アンチウイルスだけでは無く、UTMなどの、インターネットの出入口で防御するものもあれば、社内の機器の状況について情報を収集し、不信な動きがないかを分析する機器やソフトウェアも出て来ています。この様に、セキュリティに関連した機器やソフトウェアは増えて来ており、それぞれを管理することにも、大きなコストがかかるようになって来ました。また、それら機器を管理するためには専門的な知識も必要になるため、それら全てを適切に管理することが困難にもなって来ました。
そこで現在、ビジネスとして拡大しているのが、セキュリティのコンサルティング事業です。様々な機器やソフトウェアは、より高機能化しており、その全ての機能を覚え、適切な設定を行うだけでなく、その設定を行うための状況を把握も必要になることを考えると、社内のIT管理者が全てを面倒見ることは、事実上不可能なためです。
■未来
IoT の時代に突入すれば、各機器は有機的に接続し、それぞれのデータを持ち寄ることが出来るようになります。それらの情報は、恐らく、社内や家庭の中では無くクラウド上に保存され、そこで様々な分析が行われるようになるでしょう。
現在、IBM は、人工知能を利用した事業に力を入れていますが、その意味が、ここから読み取れます。膨大なデータが集積され、分析されたとしても、それらの結果から適切に何かを行うことは、これまで人でなければ行えないことでしたが、人工知能がこれを担うわけです。
セキュリティの業界を例に出せば、恐らく、現在増えているセキュリティコンサルティングの事業も、これによって業務は縮小するでしょう。それぞれの機器の設定に関する部分は、殆ど自動化されますが、それらのセキュリティシステムの利用を前提とした、運用ルールの策定と監査の部分は、残っていくものと考えられます。人的ミスや意図されたデータ漏えいなど、どんなに良いシステム/設計/運用があったとしても、結局、最後には人の問題に行き着くわけです。
今後、あらゆるものが自動的に適切に運用されて行く中で、人が意識しなければならないことは、どんどん減って行くのでしょう。それは便利ではありますが、人の成長や進化にとってプラスに働くのか?その点について、私は非常に懐疑的ではありますが、それでもその様な社会に生きるものとしては、人して如何に生きるかを考え続けならが生きて行きたいと思っています。
備忘録的に。
■現状認識
Windows 95 が標準で TCP/IP に対応したことで、インターネットが身近なものになり、これまで衰えること無く、普及/発展/拡大して来ました。今後、Internet of Things(モノのインターネット)と呼ばれる時代に突入すると言われており、既にエアコンなどの家電製品でインターネットに接続されるものが出てきていますが、多くの家電製品がインターネットに接続されるようになって行きます。それらは、利用者の情報を収集したビッグデータとセンサーを組み合わせ、自動的に適切に動作するようになって行くことでしょう。
セキュリティに目を向けてみれば、インターネットに存在する脅威も、インターネット成長と共に増大しており、マルウェアの数だけ見ても、近年、爆発的に増大していることが分かります。その上、パソコンやタブレットなどの汎用的な機器以外の機器に感染するケースが増えています。最近ニュースになったところでは、POSレジ端末への感染が挙げられますが、今後、インターネットに接続された多くの家電製品もターゲットになることが予想されます。IoTの普及と共に、脅威も増大するわけです。
ところが現状を見れば、特に家庭に目を向ければ、アンチウイルスソフトウェアを入れるだけで安心している人が大半ではないでしょうか。中には「重要なデータ入って無いし」と言って、アンチウイルスソフトウェアすら入れていないケースもあるでしょう。実際には、パソコンにデータが入っていなくても、様々な脅威があるわけですが、ここでは、その話はここでは割愛します。
実際のところ、高性能なアンチウイルスを入れて適切に設定を行えば、かなりの程度、脅威を逃れることが可能と言えます。しかし、この適切な設定が行える人が多くないことが、一つ課題としてあります。
ビジネスシーンに目を向けてみれば、アンチウイルスだけでは無く、UTMなどの、インターネットの出入口で防御するものもあれば、社内の機器の状況について情報を収集し、不信な動きがないかを分析する機器やソフトウェアも出て来ています。この様に、セキュリティに関連した機器やソフトウェアは増えて来ており、それぞれを管理することにも、大きなコストがかかるようになって来ました。また、それら機器を管理するためには専門的な知識も必要になるため、それら全てを適切に管理することが困難にもなって来ました。
そこで現在、ビジネスとして拡大しているのが、セキュリティのコンサルティング事業です。様々な機器やソフトウェアは、より高機能化しており、その全ての機能を覚え、適切な設定を行うだけでなく、その設定を行うための状況を把握も必要になることを考えると、社内のIT管理者が全てを面倒見ることは、事実上不可能なためです。
■未来
IoT の時代に突入すれば、各機器は有機的に接続し、それぞれのデータを持ち寄ることが出来るようになります。それらの情報は、恐らく、社内や家庭の中では無くクラウド上に保存され、そこで様々な分析が行われるようになるでしょう。
現在、IBM は、人工知能を利用した事業に力を入れていますが、その意味が、ここから読み取れます。膨大なデータが集積され、分析されたとしても、それらの結果から適切に何かを行うことは、これまで人でなければ行えないことでしたが、人工知能がこれを担うわけです。
セキュリティの業界を例に出せば、恐らく、現在増えているセキュリティコンサルティングの事業も、これによって業務は縮小するでしょう。それぞれの機器の設定に関する部分は、殆ど自動化されますが、それらのセキュリティシステムの利用を前提とした、運用ルールの策定と監査の部分は、残っていくものと考えられます。人的ミスや意図されたデータ漏えいなど、どんなに良いシステム/設計/運用があったとしても、結局、最後には人の問題に行き着くわけです。
今後、あらゆるものが自動的に適切に運用されて行く中で、人が意識しなければならないことは、どんどん減って行くのでしょう。それは便利ではありますが、人の成長や進化にとってプラスに働くのか?その点について、私は非常に懐疑的ではありますが、それでもその様な社会に生きるものとしては、人して如何に生きるかを考え続けならが生きて行きたいと思っています。
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