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合間の博物館旅日記

博物館を回りながら日本各地を旅をする過程の壮絶な日記。(2005.4-9月)
旅終了後は適当に随時更新の予定。

信玄・宝石

2005-04-22 23:17:26 | Weblog
 いろいろな鳥の鳴き声で目が覚める。昨日、とゆうか今日の夜中は寒かった。完全防備でなお寒いのだ。トイレの入り口にシャッターが閉まってて使えない。便意を催すとことなので(こんな綺麗な公園内で野糞はできない)、朝飯を作ることもせず、慌ててテントを撤収し公園を脱出する。今日は甲府市内の博物館をいろいろと見る予定だ。まずは朝マック。
 甲府市民俗資料館に開館時間の9時に入館。さまざまな民具が並んではいるが、甲府市と名がつく割に規模は大きくはない。
 次にいったのは印傳博物館。甲州印傳とは鹿革に漆付けをする独特の技法。企業ミュージアムだが入館料200円。知らない世界なのでまあまあ面白かった。(入館無料)
 中銀金融資料館に行ったが、この日は休みとのこと。ネットで確認したのだが休日が変わったらしい。パンフのみ貰う。
 続いて武田神社宝物殿。甲府駅から北へ武田通りを進む。ずーっと上りだ。ここは予想外にいろいろと面白かった。武田勝頼夫人の願文とか金鉱石を磨り潰すための石臼、明治14年に三条家から武田神社の神宝にするよう寄託された太刀と送り状など、いろいろと興味深いものがある。甲州印傳製の超特大信玄袋、戦国時代の有名な孫子の兵法の旗(風林火山のやつ)もあった。旗はかなり大きい。入館料は300円。
 神社隣にある甲府市藤村記念館。あの藤村紫朗県令の記念館である。建物は偽洋風建築の旧睦沢小学校。懐かしい小学校の教室を再現している。昭和40年代の給食用具、下駄スケート、ストーブの前身である角火鉢とか。2階には藤村紫朗の年表や業績が細かい字でびっしり書かれている。これを全部読む人はよっぽど根気のある人だろう。なお、武田氏館跡から平成元年に発見された馬の全身骨格もある。入館無料。
 宝石博物館も見学する。巨大な白色水晶を初め、一体幾らするのだろうと思うような美しい宝石のオンパレードだ。恐らく僕の人生とは一生縁がないであろう宝石の数々。入館料400円だが、なかなか見ごたえがある。ただ、場所も建物の概観も地味で、あまり観光客は訪れないのではないか。出口付近に即売所があり。一生無縁かと思ったが、安いものは200円からある。つい300円の針入り水晶を買ってしまう。今回の初お土産。
 駅の反対側に出て国道52号を西へ進む。入ったのはクリスタルミュージアム。こちらは国道沿いでお洒落な雰囲気。団体客に混じってただで入れそうになったが、流石にきちんとお金を払う。入館500円。こっちも水晶を始め様々な石が並んでいるが、数で言うと圧倒的に宝石博物館の方が多い。こちらは雰囲気で見せ、かつパネルで解説を加えている。二階にはガレやラリック、モーゼルやドーム兄弟などのガラス製品が並ぶ。
 もう今日はここで打ち止めにしようと、山梨県立文学館と山梨県立美術館の共通券630円を買う。文学館では木々高太郎宛ての書簡の展示があった。海野十三や夢野久作、小栗虫太郎や松本清張らのもので、推理小説ファンには涎もの。常設展では山梨県と係わり合いのある文学者について、資料と映像で紹介している。山本周五郎や深沢七郎、中里介山、太宰治、樋口一葉や芥川龍之介など。特に芥川や飯田蛇笏については独立して詳しく展示している。芥川については「羅生門」の末尾の変遷や、第一高等学校時代の「富士山」の作文、スケッチブックなども。芥川は絵もうまかったのである。芥川の「水虎晩帰之図」のポストカードが売ってたので買ってしまう。
 続いて県立美術館。はっきり言って美術はよく分からん。大方のものは特に興味を示すことなく通り過ぎたが、中には惹かれるものもあった。例えば、石井精一の「畳の記憶(B)」や佐藤正明の絵など。開発好明の「ケンタウロス1.5倍」は既存の発泡スチロールを焼き鳥の串のようなもので組み合わせた迫力のあるオブジェだ。おかげでここでもポストカードを3枚も買ってしまった。ああ、お土産づいてるなあ。版画家・萩原英雄のコレクションの展示。縄文土器やアフリカの諸民族の仮面、大津絵など、形の面白いものや不思議なものが並んでいる。図録を見ると実際にはこの何倍もの量のコレクションを博物館に寄付したらしい。当人の作品も展示されていたが、そちらの方は僕にはよく分からなかった。

 国道20号を北上する。実は、27日頃までに長野市に着かねばならないのだ。理由は、姉がGWの一週間出掛ける予定なので。家には猫が4匹いるので、一週間不在だと飢え死にしてしまうのである。僕は弱い立場なので、「出かけるな」とは口が裂けても言えない。幸い長野に親戚がいるので、自転車と荷物を預けて列車で一時帰宅しようというわけ。当初は楽勝のつもりでいたが、思ったより距離が進まず、最近あせっているのである。
 国道20号沿いには釜無川が流れている。ここの公園を寝場所に決めた。夕食を取る。風が強い。