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合間の博物館旅日記

博物館を回りながら日本各地を旅をする過程の壮絶な日記。(2005.4-9月)
旅終了後は適当に随時更新の予定。

「-JIN-仁」 ドラマと漫画(原作)の違い

2009-12-07 15:41:26 | Weblog
TBSのドラマ「-JIN-仁」の評判がいいけれど、今回はドラマと漫画の違いを明確にしてみよう。

まず、設定で大きく違ってるのは、未来(みき)という、現代に残した南方仁の恋人の存在だ。彼女は同じ外科医だが、脳に腫瘍が見つかり、仁は摘出手術を行うものの失敗して、植物状態にしてしまう。彼女は外見が花魁の野風にそっくりであり、仁の行動によって、未来と一緒に撮った写真の内容が変化していく、というのがドラマのキーとなる。
しかし、原作には未来という恋人の存在はなく、写真もない。ドラマ化にあたってもっとも原作と異なるのが、この部分である。南方先生は現代に戻れるのか? 未来はどうなってしまうのかが、視聴者の興味をかきたてるポイントになっている。

次に、ドラマは1クールで納めるため、いろいろなことが前倒しになったり、エピソードが省かれたりしている。具体的には、麻疹の治療の件がそっくり省かれてコレラで代用されるなど。(原作では枝豆売りの少年喜市がかかるのはコレラではなく麻疹である。)
仁が竜馬暗殺を阻止するというのが原作のストーリーの骨子だが、ドラマでは竜馬暗殺の時期も早まっている。その理由も、仁がペニシリンを開発するなど歴史を変えたためだ。未来の写真の変化もそうだが、これらを説明するために、バタフライ効果等の話もドラマでは語られている。漫画でも仁は歴史を変えてはいるものの、それがどの未来につながるのかは不明なため、仁は内心その行為に慄然としながらも、一方で淡々と行動しているように見える。

ドラマの中では、毎回印象的なセリフが出てくる。緒形洪庵の説く「国のため道のため」だの、仁の言う「神は乗り越えられない試練しか与えない」だの、喜市の「ちちんぷいぷい御用のおん宝」だの……。ところがこれらは、原作には全く登場しない。脚本家がどっかから持ってきたセリフなのだ。
もちろん、原作にある台詞も登場する。死に行く女郎が言う「おさらばえ」なんてのはそう。咲が手術中の仁を落ち着かせようと「蒸しますね」と笑いながら語りかけるとことかね。原作を知らない視聴者には、どこがドラマオリジナルなのか判別がつきにくい感はある。

ドラマではやたら登場人物が号泣したり、熱く語ったりするシーンが多いが、原作にはほとんどない。緒形洪庵との別れなんかさっぱりしたもんだし、火事を理由に仁に去られた野風が流す涙もただ一筋のみ。決して竜馬に抱かれて号泣したりしない。ドラマの演出ははっきり言ってくどく、そこが鼻につくが、逆に仁を見て号泣してるような人たちは多分そこがいいんだろう。(もちろん自分はちっとも泣けないが) 映画「三丁目の夕日」に泣くような層をターゲットにしてる気がする。

不自然なシーンが目立つのもドラマならではだ。たとえば、仁が辻斬りに襲われるところを咲が助けるシーン。男女が神社の周囲でたくさん逢い引きをしており、刺客はそれで立ち去るわけだが、漫画では夜のシーン。夜鷹が客を引っ張ってるような野原で、咲もその辺の事情を察してカモフラージュのため仁と抱き合うわけだ。咲の機転の良さを示すと共に、仁が咲を異性として意識する重要なシーンだが、ドラマでは仁が死の恐怖から生きている実感を取り戻すというふうに意味づけが変わってしまっている。しかし、昼間っから男女がたくさんそんなところで愛の営みをしてたら、風紀が乱れて教育的にもよろしくない。
洪庵が血を吐いた手で浜口儀兵衛の手を取って頼みごとをするが、そんなことをしたら結核が移ってしまう。洪庵がそんなに無神経でどうするのか。
仁先生も、やたらと現代の医学用語を不用心に使いまくっている。漫画では周囲に怪しまれないよう、極力江戸ことばに置き換えて話しているのに。


とまあこのように、漫画とドラマはいろいろ違うのだった。
噂では映画化されるとか何とか。平成22年発行の十円玉をみると、仁が再び現代から過去に来るんだと思うけどね。

のど自慢(続き)

2009-12-07 15:07:00 | Weblog
・・・とゆうわけで、先日寅さん記念館リニューアルオープンののど自慢大会に行ってきた。今日はその顛末を少し。

当日は音合わせのために10時までに来るように言われていたが、9時半には記念館についてしまう。記念館の上は土手とつながっていて、江戸川の風景が見られた。朝早くからゲートボールなどにいそしむ人たちが多い。

家を出る時、何気なくテレビでやっていた占いをみると、さそり座はこの上なく運勢がいいようで気を良くしていた。ところが、帝釈天で引いたおみくじは何と凶! その内容たるや惨憺たるもの。以下に引用すると
 「おもうことならずとも雲の上は歩むあたわず及ばぬのぞみにあくせくすることなく、自らを省みて正道をたどるべし」だと。
 のど自慢なんかに出てないで、早く職を見つけろ、ということだろうか?

控室に行くと、のど自慢の参加者14名のうち、まだ2人しか来ていない。アコーディオンの演奏の人が来てさっそく音合わせを始める。みな、僕よりうまい。ひょっとしてハイレベルな大会か、と警戒したが、結果的にはそれは杞憂だった。
自分はわざわざCDに音を吹き込んで送ったのだが、他の人に聞くとそうした人はいなかったよう。とゆうことは、応募者全員選ばれたのだろう。(その割には個性に富んだ人が多く、人選は成功と思われた。)
一人の持ち時間は2分半。とゆうわけで、みな2番程度までしか歌えない。1等を決めるとかそうゆう大会ではなく、半分の7名には賞が出るとゆうことだった。

11時にお弁当が配られる。実はこの時式典が始まっており、山田洋次監督を見るチャンスだったのだが、まったく気付かずに飯を食っていたのは失敗だった。

12時から中庭のような会場に移動。天気は悪かったが屋根があるので問題なし。寒いのでコートを着ながら見る。
まずは、東京大衆歌謡楽団の3人が登場。この人たちはまだ20代だというのに、おじさんも知らないような歌を次々と歌っていく。直立不動で無表情な姿と声は、東海林太郎か田谷力三を彷彿とさせる。普段は浅草や上野で活動されてるそうだ。
続いて、紙芝居の登場。バットマンなどをさらっとやったがやや受けの感あり。

そして我らののど自慢。14名のうち前半の7人の出番。1番手のおじさんが、芸人なのか鼻眼鏡と扮装をしてエノケンの「洒落男」を。持ち時間2分半なのにしっかりとフルコーラス歌ってたっけ。
フーテンの小寅さんという芸人の方司会で、皆で歌う懐かしい歌のコーナーに。「青い山脈」など皆知ってる歌を4曲ほど歌った。本番の前に、いい発声練習になった。
で、後半の7人。いよいよ自分も登場。今回、誰も応援がいないが、「憧れのハワイ航路」を歌った。出来は85点くらいか。柄にもなく緊張して声が上ずった感あり。(前日カラオケで練習したが、DAMの採点機能では90点しかでなかった。)

このあと、プロの歌手が登場。林あさ美さんという演歌歌手(見た目は演歌歌手とは思えぬほどお美しい)と、ロベルト杉浦さんという芸人ばりの面白い人。2曲ずつ歌われたが、さすがにプロは違う! 当たり前だがうまい! アンコールの声が自然に出たのもうなずける。プロの歌は何曲も聞いてみたいと思わせる心地よさがあるのだ。
 
で、最後に審査結果発表。自分は「素敵だったで賞」というのを頂いた。もっとも結局出場者は全員なんかの賞をもらっていたようだったが。商品には定価3000円もする江戸切子グラスと、寅さん関連の本、袋を頂き、しっかり元は取れたのだった。全員でお決まりの「男はつらいよ」を歌って終了。
14時半前には終わったイベントだったが、何故か疲れてしまい、記念館を見学することもなくそのまま帰途に着いた。

まあなかなか面白い経験ができたのだった。