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応仁の乱 戦国時代を生んだ大乱 など

2016年11月01日 | 時代
「応仁の乱 戦国時代を生んだ大乱」呉座勇一著
「南朝研究の最前線 ここまでわかった「建武政権」から南朝まで」呉座勇一編
新進気鋭の中世史家、呉座勇一先生の本を立て続けに。
「応仁の乱」は、11年に渡った大乱が途中から大儀も名分も失い、
終戦にする機会があったものの、メンツと欲望がその機を逃してしまう、
という過程を将軍管領クラスの視線ではなく、中間戦闘員の国人レベルの視線で追ったもの。
「南朝~」は、「ここまでわかった」と副題にあるものの、
寄せられた論のいくつかに「問題が残されている」「正確な答えを出すのは難しい」とあるのに、
あれ?と思ったのは正直なところ。「ここまで、ですけどね」ということか。
驚くような新資料が出てこない限り、南朝はこのままぼんやりしたイメージのままなんでしょうね。
中で紹介されている「闇の歴史、後南朝 後醍醐流の抵抗と終焉」(森茂暁著)は
書かれて20年経っているものの南朝研究の決定版で、
新たに発見された資料を追加して角川文庫に入っているそうです。

「南朝研究の最前線」の著者たちのプロフィールを見ると、70年代から80年代生まれがほとんどで、
いわばゼロ年代世代の歴史認識ということなんでしょうか。

中でちらっと名前のあがっていた中公の「日本の歴史」(文庫で27巻)ですが、
個人的には前半の「江戸開府」まではホントに面白くて、
歴史の「レ」の字も興味がなかった人間が歴史ヲタクになったきっかけの本でした。
とくに「7巻 鎌倉幕府」の語り出しは、
「1180年の平安京の空にかかる月、その同じ月を伊豆で見上げるある人物」の描写から始まります。
そして7巻の最後は京都に強制送還される藤原将軍の輿が街道をゆくところで終わっています。
空にはやはり月が。こりゃまるっきり時代小説じゃないですか。
物語に流れている感もなきにしも非ずですが、歴史のダイナミズムってこういうところですよね。
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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
伊豆か… (無策後輩)
2016-11-04 22:42:43
ならボクですね!
(何も浮かばないならコメントしてくんな)
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君の縄 (非・哲学的先輩)
2016-11-05 20:56:56
ところで「君の名は。」はどうなの?
返信する
Unknown (未読後輩)
2016-11-08 00:31:02
ボク、新海さん全作品手元に録画はあるんですけど未見です(建設会社のCM以外)。
勇気がなくて旧作を繰り返し見るようになったらお仕舞いらしいですが、すでに漫画も小説もアニメも映画もそうなってます。
いつか見るんでしょうか?(質問?)

それはさておきボクそっち行く用事ありますからごはんご一緒してくださいよ!こっそり東京の連中の悪口で美味しいお酒を飲みましょうよ!
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いいネ (非・哲学的先輩)
2016-11-08 16:31:15
ご馳走しますよ。
また日程を教えて下さい。
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