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●「最高裁は、一切の…が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所」…が壊憲認定?

2015年09月08日 00時00分36秒 | Weblog


asahi.comの記事【「集団的自衛権行使は違憲」 山口繁・元最高裁長官】(http://www.asahi.com/articles/ASH9255ZGH92UTIL02Q.html?iref=comtop_list_pol_n03)。
東京新聞の記事【最高裁元長官も「安保法案は違憲」 「砂川判決は根拠にならぬ」】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015090402000126.html)。
asahi.comの社説【「違憲」法案―「専門知」の警鐘を聞け】(http://www.asahi.com/paper/editorial2.html)。
東京新聞の社説【安保法案「違憲」 「番人」の指摘は重い】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015090502000178.html)。

 「少なくとも集団的自衛権の行使を認める立法は違憲だと言わざるを得ない」。
 「元最高裁長官の山口繁氏(82)が三日、共同通信の取材に応じ、安全保障関連法案について「集団的自衛権の行使を認める立法は憲法違反と言わざるを得ない」と述べた。政府、与党が一九五九年の砂川事件最高裁判決や七二年の政府見解を法案の合憲性の根拠と説明していることに「論理的な矛盾があり、ナンセンスだ」と厳しく批判」。
 「最高裁が「憲法の番人」と呼ばれるゆえんは何か。憲法81条はこう定める。「最高裁は、一切の法律、命令、規則または処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である」 そのトップを務めた山口繁・元最高裁長官が、安全保障関連法案で集団的自衛権の行使を認めることについて「違憲」との見解を初めて示した」。
 「集団的自衛権の行使に道を開く安全保障法制関連法案はやはり、憲法違反ではないのか。すでに退官したとはいえ憲法の番人」だった最高裁元長官の指摘は重い。安倍政権は廃案を決断すべきだ」。

 「高村正彦自民党副総裁は、憲法学者から法案が違憲と指摘され「憲法の番人は最高裁であり憲法学者ではないと強調」し、「自民党幹部が「憲法解釈の最高権威は最高裁。憲法学者でも内閣法制局でもない」と反論し」ていたけれども、「その元トップが違憲と明言」した訳です。
 憲法学者、弁護士、退職裁判官、そして、元最高裁長官。あとは、現役裁判官の勇気だけ。この一連のクーデター行為によるトンデモな壊憲。壊憲法案・戦争法案を何とか廃案に持って行かねば、ニッポンは御終い。いずれにしても、今後、様々な裁判が提起されると思う。そこで現役の裁判官がどう判断するのか、特に最高裁。
 「安倍政権は専門知の警鐘を真正面から受けとめるべきだ」……「反知性」「痴性」なアベ様に届くだろうか?

   『●自公議員投票者・支持者の大罪:
      壊憲法案・戦争法案を目の当たりにして罪の意識も無し

    「法律が憲法に適合するか否か最終判断するのは最高裁だが、
     憲法学者ら専門家の多くが違憲と指摘している事実は軽視し得まい」

   『●砂川事件弁護団:「眼科病院に行ったらいい」
       「アクロバチックでむちゃ」「ふらちな拡張解釈」とまで指摘

   『●「ほとんどの憲法学者が違憲としているのを
       政権が合憲というのはナンセンス」……退職裁判官も蜂起を!

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http://www.asahi.com/articles/ASH9255ZGH92UTIL02Q.html?iref=comtop_list_pol_n03

「集団的自衛権行使は違憲」 山口繁・元最高裁長官
論説委員・高橋純子、編集委員・豊秀一 2015年9月3日07時22分

     (山口繁・元最高裁長官)

 安全保障関連法案について、山口繁・元最高裁長官(82)が1日、朝日新聞の取材に応じ、「少なくとも集団的自衛権の行使を認める立法は違憲だと言わざるを得ない」と述べた。安倍内閣が従来の憲法解釈を変えて集団的自衛権の行使を容認した昨年7月の閣議決定について、「(解釈変更に)論理的整合性があるというのなら、(政府は)これまでの見解が間違いだったと言うべきだ」と語った。


■解釈変更「立憲主義わきまえず」

 「憲法の番人」である最高裁の元トップが安保法案を「違憲」とする見解を示したのは初めて。歴代の元内閣法制局長官や憲法学者の多くが「違憲」と指摘するなか、法案の正当性に改めて疑問が突きつけられた。

 山口氏は、安保法案を「違憲」と考える理由について「集団的自衛権の行使は憲法9条の下では許されないとする政府見解の下で、予算編成や立法がなされ、国民の大多数がそれを支持してきた」と指摘。「従来の解釈が憲法9条の規範として骨肉化しており、それを変えるのなら、憲法改正し国民にアピールするのが正攻法だ」とも述べた。

 安倍晋三首相らは、米軍駐留の合憲性を争った1959年の砂川事件最高裁判決が、法案の合憲性の根拠になると主張する。これに対し山口氏は「当時の最高裁が集団的自衛権を意識していたとは到底考えられないし、(憲法で)集団的自衛権や個別的自衛権の行使が認められるかを判断する必要もなかった」と否定的な見方を示した。

 安倍首相の私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)は昨年5月、安保環境の変化などを理由に憲法解釈の変更で「限定的な集団的自衛権行使」の容認を求める報告書をまとめた。内閣はこれを踏まえ、同7月1日に解釈変更を閣議決定。山口氏は、こうした考え方について「法治主義とは何か、立憲主義とは何かをわきまえていない。憲法9条の抑制機能をどう考えているのか」と批判する。(論説委員・高橋純子、編集委員・豊秀一)

     ◇

 やまぐち・しげる 1932年11月、神戸市生まれ。京大卒。55年に司法修習生になり、東京高裁部総括判事、司法研修所長、福岡高裁長官などを歴任。第2次橋本内閣の97年10月から、第1次小泉内閣の2002年11月まで最高裁長官を務めた。長官在任中は、裁判員制度や法科大学院の導入などを柱とする司法制度改革に対応した。著書に「新井白石と裁判」。

     ◇

 〈砂川事件最高裁判決〉1957年7月に東京都砂川町(現立川市)の米軍基地拡張に反対した学生ら7人が基地に立ち入ったとして、刑事特別法違反の罪で起訴された。東京地裁は59年3月、米軍駐留は憲法9条違反として全員無罪としたため、検察側が二審ではなく最高裁に跳躍上告。最高裁大法廷は59年12月、①憲法9条は自衛権を否定しておらず、他国に安全保障を求めることを禁じていない②外国の軍隊は、憲法9条2項が禁じる戦力にあたらない③安保条約は高度の政治性を持ち、「一見極めて明白に違憲無効」とはいえず、司法審査になじまない――と判断して一審判決を破棄し、東京地裁に差し戻した。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015090402000126.html

最高裁元長官も「安保法案は違憲」 「砂川判決は根拠にならぬ」
2015年9月4日 朝刊

     (山口繁氏)

 元最高裁長官の山口繁氏(82)が三日、共同通信の取材に応じ、安全保障関連法案について「集団的自衛権の行使を認める立法は憲法違反と言わざるを得ない」と述べた。政府、与党が一九五九年の砂川事件最高裁判決や七二年の政府見解を法案の合憲性の根拠と説明していることに「論理的な矛盾があり、ナンセンスだ」と厳しく批判した。

 「憲法の番人」である最高裁の元長官が、こうした意見を表明するのは初めて。高村正彦自民党副総裁は、憲法学者から法案が違憲と指摘され「憲法の番人は最高裁であり憲法学者ではない」と強調したが、その元トップが違憲と明言した。

 政府、与党は、砂川判決が「必要な自衛の措置」を認めていることを根拠に、限定的な集団的自衛権の行使容認を導き出したが、山口氏は当時の時代背景を踏まえ「集団的自衛権を意識して判決が書かれたとは考えられない。憲法で集団的自衛権、個別的自衛権の行使が認められるかを判断する必要もなかった」と語った。

 七二年の政府見解は「必要な自衛の措置」を取り得るとする一方で「集団的自衛権の行使は憲法上許されない」と明記歴代政権も引き継いできた政府、与党は、この見解を行使容認の論拠としつつ、安全保障環境の変化を理由に結論部分を百八十度転換した。

 山口氏はこの点について「七二年見解の論理的枠組みを維持しながら、集団的自衛権の行使も許されるとするのは、相矛盾する解釈の両立を認めるもの。七二年見解が誤りだったと位置付けなければ、論理的整合性は取れない」と断じた。

 その上で「従来の解釈が国民に支持され、九条の意味内容に含まれると意識されてきた。その事実は非常に重い」と主張。「それを変えるなら、憲法を改正するのが正攻法だ」と述べた。

 さらに、こうした憲法解釈変更が認められるなら「立憲主義や法治主義が揺らぐ」と懸念を表明。「憲法によって権力行使を抑制したり、恣意(しい)的な政治から国民を保護したりすることができなくなる」と危ぶんだ。

<山口 繁氏(やまぐち・しげる)> 32年神戸市生まれ。東京高裁部総括判事や司法研修所長、福岡高裁長官などを歴任し、97年10月~2002年11月に最高裁長官を務めた。

<砂川事件最高裁判決> 駐留米軍の合憲性が争われた砂川事件で、1959年12月に出された。「わが国が存立を全うするために必要な自衛のための措置を取り得ることは、国家固有の権能の行使として当然」と指摘。「日米安保条約は高度の政治性を有するため、司法審査権の範囲外」との「統治行為論」を用いた判決として知られる。

<1972年政府見解> 政府が72年10月に示した見解。憲法9条について「自国の平和と安全を維持し、その存立を全うするために必要な自衛の措置をとることを禁じているとは到底解されない」とした。一方で、その措置は「必要最小限度の範囲」にとどまるべきで、わが国への侵害に対処する場合に限られると説明。「集団的自衛権の行使は憲法上許されない」と結論付けた。
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http://www.asahi.com/paper/editorial2.html

「違憲」法案―「専門知」の警鐘を聞け
2015年9月4日(金)付

 最高裁が「憲法の番人」と呼ばれるゆえんは何か。

 憲法81条はこう定める。「最高裁は、一切の法律、命令、規則または処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である

 そのトップを務めた山口繁・元最高裁長官が、安全保障関連法案で集団的自衛権の行使を認めることについて「違憲」との見解を初めて示した。

 安保法案に対しては、すでに多くの憲法学者や元内閣法制局長官、日弁連の元会長らが「違憲」との見方を示している。

 実質的なリスクをはらむ問題である。たとえば、このまま法案が成立するとする。自衛隊の海外派遣の正当性を問う訴訟が相次ぎ、違憲判決が出る可能性は否定できない

 先月、法曹や各界の専門家ら約300人が参加した記者会見でも、最高裁判事OBが「違憲」の声をあげた。村越進・日弁連会長は「立憲主義の破壊だけは認められない」と訴えた。

 全国各地で続くデモなど幅広い市民の抗議活動もあわせ、異議申し立ては広がるばかりだ。

 いくら理を尽くして反論しても、政権は数の力で押し通そうとする。そんな政権に対する怒りや不安が、市民や専門家らの背中を押している。

 安倍政権は思い出すべきだ。

 6月に憲法学者から「違憲」批判が上がった際、自民党幹部が「憲法解釈の最高権威は最高裁。憲法学者でも内閣法制局でもない」と反論したことを。

 その最高裁の元長官が、次のように指摘した意味を、政権は重く受けとめねばならない。

 「集団的自衛権を有しているが行使はせず、専守防衛に徹する。これが憲法9条の解釈だ。それに基づき、60余年間、様々な立法や予算編成がなされ、その解釈をとる政権与党が選挙の洗礼を受け、国民の支持を得てきた。この事実は非常に重い」

 「憲法9条についての従来の政府解釈は単なる解釈ではなく、規範へと昇格しているのではないか。9条の骨肉と化している解釈を変えて、集団的自衛権を行使したいのなら、9条を改正するのが筋だ」

 政府提出の法案に対して、憲法や法律の専門家からここまで明確かつ広範に違憲性が指摘されるのは異常な事態だ

 安倍政権は専門知の警鐘を真正面から受けとめるべきだ。そうでなければ、そのツケは必ず深刻なひずみを生むだろう。

 法的安定性に重大な疑問符がついたまま、自衛隊を危険な海外活動に送り出す。そんな法案を成立させてはならない。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015090502000178.html

【社説】
安保法案「違憲」 「番人」の指摘は重い
2015年9月5日

 集団的自衛権の行使に道を開く安全保障法制関連法案はやはり、憲法違反ではないのか。すでに退官したとはいえ「憲法の番人」だった最高裁元長官の指摘は重い。安倍政権は廃案を決断すべきだ。

 一九九七年十月から五年あまり最高裁長官を務めた山口繁氏(82)が共同通信などの取材に対して、安保法案について「集団的自衛権の行使を認める立法は憲法違反と言わざるを得ない」と述べた。

 違憲立法がなされようとしていることに対する相当の危機感があったのではないか。退官後とはいえ、最高裁長官経験者が、個別の法案の違憲・合憲性について、こうした意見を表明するのは、極めて異例である。

 山口氏は、安倍政権が集団的自衛権の行使を合憲とする根拠とした五九年の砂川事件判決について当時の状況から「集団的自衛権を意識して判決が書かれたとは到底考えられない」と指摘した。

 憲法学者の多くが、これまでも同様の理由から安保法案を違憲と指摘しているが、安倍政権は「憲法の番人は最高裁であり、憲法学者ではない」(高村正彦自民党副総裁)などと突っぱねてきた

 確かに、憲法八一条は最高裁について、法律などが「憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所」と定める。

 今回は、その最高裁の長官経験者による「違憲」の指摘だ。

 かつて憲法の番人として、憲法の規範性や法的安定性に心を砕いてきた法曹人による真摯(しんし)な意見の表明だ。安倍晋三首相をはじめ、安保法案の今国会成立にはやる政権の面々は、山口氏の発言を重く受け止めるべきではないか。

 山口氏は、集団的自衛権は行使できないという「従来の解釈が国民に支持され、九条の意味内容に含まれると意識されてきた。その事実は非常に重い」とも述べた。

 同感である。日本国憲法の平和主義や専守防衛はもはや、戦後日本の「国のかたち」でもあり、国民の「こころ」となっている。

 だからこそ、報道各社の世論調査では、安保法案を違憲としたり、法案に反対する答えが常に半数を超え、国会周辺をはじめとする全国でのデモ参加者が膨らみ続けているのだろう。

 首相はきのう安保法案を今国会中に成立させる決意を重ねて表明した。国民や法曹界からの異議申し立てはなぜ届かないのだろう。立憲主義や法的安定性を揺るがす法案である。このまま成立させることがあってはならない。
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