東京新聞の社説(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2011120502000042.html)。また、関連したasahi.comの記事(http://www.asahi.com/national/update/1207/OSK201112070047.html)。
「大いなる論争を期待する」ね~っ!? いやいや橋下元〝ト〟知事やその取り巻き連中がそんなことを許すとは思えないのですが。それを選んだ府民や市民が責任を負うことでしょうから、私が言っても仕方ないことですね。横山ノック氏の比ではない、「御笑い」を選んでしまったツケですね。
「市場競争を勝ち抜く人材の養成」が教育だってさ、すごい時代になったもんです。早く大人になっていて、本当に良かった。大阪〝ト〟と大阪市の教員の皆さんにホントに同情しますよ。水までがコモンズでなくなる時代、教育までもが教育産業・教育工場とされ、人工光の下で無菌的に野菜を育て、巨大デパートで売るがごとく、教育までが市場原理とは、呆れるね!
後半の記事にあるような「親分」の横槍が入ったからといって方針を変えたり、止めるなんてことはないでしょう。第一、「親分」さんの方も、内心、〝ト〟の教育の方向性としては大賛成でしょうしね。全く困ったものです。
『創』2011年12月号に中島岳志さんが鋭い論考を載せておられた。「ハシズム」とは「既得権益バッシング」である点。既得権益もどきとして、今いちばん可視化されたターゲットは大阪市職員。でも、めぐりめぐって苦しむのは、貧困で苦しんでいる層。公務員削減で非正規雇用職員が増加すると云う公務員版新自由主義・消費税増税の「効果」。弱者・虐げられた者が「ハシズム」を支持してしまう理由について。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2011120502000042.html】
大阪の教育条例 時代に沿う人材養成を
2011年12月5日
大阪の学校教育の行方が気掛かりだ。府市政を握った「大阪維新の会」の教育基本条例案では市場競争を勝ち抜く人材の養成ばかりが強調される。もっと時代の要請にかなう人材を育てるべきだ。
大阪でのダブル首長選に勝った大阪維新の会は、府議会と市議会で同様の教育基本条例を成立させるつもりだ。知事から市長へ転身する橋下徹代表は、それが「民意の反映だ」と唱えている。
政治主導による教育行政の改革が狙いだが、その基本理念には時代錯誤を覚える。
「グローバル化が進む中、(中略)激化する国際競争に迅速的確に対応できる、世界標準で競争力の高い人材を育てること」
この文言が子どもの人格形成にかかわる項目と同列に並んでいる。しかし、現実の世の中はとうにもっと先まで進んでいる。
激しい市場競争は国内外で大きな経済格差を生んだ。拝金的風潮は社会のモラルハザード(倫理観の欠如)を招き、人心の荒廃をもたらした。高齢者や障害者、女性、子どもという弱い立場の人にばかりしわ寄せが行く。
世界中の国家や社会はこうした問題を前に立ち往生し、今やその役割が根本から問い直されている。それに応えられる人材をどう育てるのか。そこにこそ、これからの教育の使命があると考える。
グローバル化の荒波にのまれて切り捨てられてきたものに、その構想力を培う源泉はないか。
自然や文学、芸術などの幅広い教養や、家族や地域を大切にする暮らし、思いやりや支え合い。子どもが秘めている多様な能力を見つけ、伸ばすという視点が今ほど必要とされる時代はない。
条例案は逆行している。現場を競争原理に委ね、優勝劣敗のルールを貫く。首長が学校の目標を定め、教育委員会と校長が実現を目指す。失敗すれば退場だ。親身になって勉強の苦手な子を教え、悩みのある子の相談に乗る先生がいなければ学校は成り立つまい。
とはいえ、この条例案は教育委員会の仕組みへの警鐘でもある。戦前の軍国主義的な教育の反省に立ち、首長から独立して民主的な教育を担う建前だが、形骸化が指摘されて久しい。
子どものいじめ自殺や学力格差、先生の力量不足などの問題にも向き合う気概が伝わらない。
条例案に反対する大阪府の教育委員らは、世の中を立て直す才能を育てるための対案を示してはどうか。大いなる論争を期待する。
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【http://www.asahi.com/national/update/1207/OSK201112070047.html】
2011年12月7日13時49分
大阪教育条例案の知事目標「違法の可能性」 文科省見解
大阪府議会に提出された府教育基本条例案をめぐり、文部科学省は「知事が教育目標を設定する」とする条例案の骨格部分について「(教育目標の)内容次第では違法になる可能性がある」との見解をまとめた。府教委はこれを受け、7日午前の府議会教育常任委員会で議員らに説明。松井一郎知事は取材に対し、違法性が明確になれば条例案の変更もあり得ると述べた。
条例案が提出された後、府教委が現行法との整合性について文科省に見解を問い合わせていた。
府教委によると、文科省は首長と教育委員会の職務権限を規定した地方教育行政法の趣旨について、「教育には中立性、安定性が求められることから、首長から独立した教育委員会が教育事務の大部分の権限を担う」と説明。知事の権限が及ぶのはスポーツや文化に関する事務だけで、それ以外の事務を条例で規定することはできないとした。
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