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●『おサケについてのまじめな話』読了

2010年10月21日 04時48分59秒 | Weblog

西原理恵子×月乃光司のおサケについてのまじめな話/アルコール依存症という病気』、10月に読了。西原理恵子・月乃光司著。小学館。2010年8月初版第2刷(2010年7月初版第1刷)。

 帯より。
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   こんな死に方はしたくない。いや、生きたいんだ―――月乃光司
    巻頭口絵●おサケについてのまじめな話
    第1章 酔っ払いの家族として
    第2章 私のアルコール依存症カルテ―――過去・現在・未来
    第3章 【対談】アルコール依存症という病気
   家族の方は、もう一つ力を振り絞って
             一歩を踏み出してほしいです―――西原理恵子
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 「私はもっぺん生まれ変わっても/やっぱり鴨ちゃんと一緒になると思う。/・・・でも今の私には知識があるから・・・/大丈夫。もう憎まない。/・・・そして正しい知識を。/家族が憎み合わないために」(pp.7-8)。

 アルコール依存症からの回復、でも、「・・・元夫の鴨志田穣は、二〇〇七年、四十二歳の若さで亡くなりました」(p.9)。
 再三『病気』であることが繰り返し述べられています。「アルコール依存症は、自分の意志では飲酒をコントロールできなくなる病気です。・・・/・・・お酒が覚せい剤になってしまう病気なんです。多くの人にとっては単なるお酒が、覚せい剤ぐらい強い依存を引き起こしてしまう・・・。不幸にして覚せい剤中毒になってしまった人に、根性がないとか、なんでがまんできないのかなんて、そういう理屈は通用しないということをわかってほしいのです」(pp.14-15)。
 家族にできることの限界。「わたしは自分の体験から、依存症の旦那さんが治療もせずにいるという奥さんには、そこから逃げてください、と言いたいです。・・・結果的に、本人が飲むのを助長する図式になってしまうからです。/・・・やっていいことと、わるいことの見極めには、やはりプロのアドバイスが有効です」(p.25)。
 仕事と自立。「・・・どんなときでも働いていてよかった、仕事があってよかったと、しみじみ感じています。/・・・/だいたい、人は病気になるぐらいでは、たやすく死にはしないと思っています。それが病気と借金が重なると、案外すぐに死んじゃうんじゃないか。だからわたしは、まず働くんです」(p.30)。

 「飲んだら元の木阿弥、生きる道は断酒のみ。」(p.50)。「・・・この病気はそういった類の病気ではない。精神的な問題が解決しても依存症は治らない。一滴でも飲んだら元の木阿弥。脳がアルコールによる快楽を学習してしまったために、一瞬にしてまたあの地獄が戻ってくる。酒を断ち続けるしか解決方法はないのである」。

 「本人だけではなく、家族や周囲を混乱と不安に巻き込んでいくアルコール依存症という病気。あのとき、どうすればよかったのか―――。どんな助けが必要だったのかを振り返る」対談(p.59)。

 本当にいろいろと考えさせられた。家族に依存症のいる方は、ぜひとも本書を一読してほしい。
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