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パーキンソン病についてその三~薬の副作用について

2013-04-06 13:35:08 | 救急箱
本日はパーキンソン病の薬の副作用についてお話したいと思います。

普通に医学書に書かれていることは、長年服用すると、副作用として妄想や幻覚がでることがある。

こう記述されております。それから不眠が出やすくなることも特徴的にみられるようです。

不眠はわかると思うので割愛します。

幻覚とは、ありもしないことがあるかのように見えること

妄想とは、ありもしない事実を本当にあったことのように自覚してしまうこと。


ちょっとわかりにくいでしょうか・・。妄想はわかりづらいと思われるので母の場合を例に出したいと思います。

ある日病院から電話がありまして、母からだったのですが、「皇后さまと雅子さまと紀子さまを殺してしまったみたいなのよ」

こう話されまして正直内容に返す言葉が出ませんでした。

とりあえず「TVに普通に出ていらっしゃるから、夢でも見たんじゃない?生きておられるよ」

こう返したのですが、妄想は本人が真実と固く思っているので、それを覆すことは性格にもよりますがとても困難になってきます。

母の場合、ストレスから妄想がはじまり、その後家にもどってからは普通の状態に戻りましたのでストレスフリーの状態だと出ないんだ、と安心しておりました。

しかし、ある日「どうして警察署にあんたたちを迎えに行ったのにお礼の一言もなかったの?あんたたちは(兄弟)北朝鮮につかまっていたんだよ」

こう申しましたので、それは妄想だ、と言っても本人は事実だと言い張っていて
やはり薬の副作用は確かに続いていて軽度化しただけなんだ・・・と実感しました。

妄想はそういうはっきりした真実とは思えない話もあれば、日常的にあり得る話もあります。

例えば、母の姪がお見舞いに来たという話になり、母の姉は実はヒステリーで亡くなったのだ
というので、びっくりしてさりげなく先方に裏を取ったところ、お見舞いは事実でしたが亡くなった病名は全く違うものでした。

妄想を患った母のことを振り返って思うのは、過去に大変な思いをしたこと、本当はとても怖がりで懐疑的なところがあること、(本人の性格的な特徴)

そのようなことが裏にあり、からみあって、妄想の症状としてあらわれているということです。


もっとわかりやすくいえば、過去にお金で人知れずやりくりに苦労していたとします。

すると、医者にお金をだましとられているので転院させてほしい、通帳も盗まれている・・
こういう妄想が、過去にしまいこんでいたストレス・・

このよう仕舞い込んでいた思いが妄想として転化しておこることが特徴的にみられるということ・・。

そのことに気づいてからは、いたずらに母の発言に気持ちが折れそうになることが減りました。

それから、健康だったときの母には考えられないことでしたが、自分の許せる薬以外は飲まない。

こういうこともありました。病院側としては強制的に飲ませることはできないというので身内が説得してもいっこうに拒否する。

これも、一種薬に関して怖がりの性格がが引き起こした
ある種の妄想がつくりだしたことだったといえるかもしれません。


もうひとつ知っておくほうがよいと思うのでちょっと追記します。

薬の副作用かはわかりませんが食事などの、好みの偏りも症状の一つとしてあるように思います。

妄想より一番苦労したのは食事です。病院の出す食事は拒否し、お菓子ばかり食べるのです。
体重はどんどん減ります。しかしおなかはすいてるだろうに絶対食べないのです。

それで命をつなぎとめるために点滴におちいることがしばしばありました。

あれほど昔、食の細かった私を叱責し、薬と思って食べなさい、と言っていた母がです。

病院から退院を許可されたとき、家に引き取ろうと決めたのですが、この拒食といえることが続いていたからでした。

事実引き取ってから体重は十キロ以上太りましたし、妄想も軽くなり日常生活のコミニケーションは普通にできる状態まで回復したのです。

幻覚も妄想とセットでしたので、あまり母の場合は症状的には出にくかったように思います。

以上、これらが私が体験した母のパーキンソン病の副作用です。
もちろんそうならない方もたくさんおられますし、症状が出る前に他界される高齢の方もたくさんいらっしゃいます。

ただ、脳の病気ですので私が体験したこれらの症状だけではなく、医学書の症状だけではなく、「想定外の症状」もでることもあることを心にとめていただければと思います。

最終週は、エピローグとして「看取り」についてお話したいと思います。

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