触点(しょくてん)
2枚合わせのカットシザーのネジの後ろ(ハンドル側)の内側に有るのですが
ここがカットシザーの切れ味の生命線なんですよね。
ここが正しく踏ん張ってくれないとハサミがパクリます。
パクルと言われても、聞きなれない言葉かもしれませんが、〝噛む〟と表現する
方もいますよね。 二枚の刃の間に切れ損ねた毛が挟まる状態を意味します。
カットシザーがピンセットに変身する瞬間です。(冗談です)
切れなくなった長めのハサミの刃先に良く起きる現象です。
原因としては、「ネジがゆるい」とか「腰が弱い」とか「切れ止んだ時」とか
ハサミの「調子が崩れた時」とか「長さと鋏体幅のバランスに問題がある時」や
「テコの力が働かなくなった時」等々、原因は数え切れない位有るのですが・・・
案外、触点が関係している場合が多いのですね。
触点はネジのすぐ側でハサミの幅位後ろの内側にある平らな部分のことをいいます。
刃先にテコの力で踏ん張りを掛けるには欠かせない部分です。
寄り道・道草情報
ラーメンを支那そばと呼んでいた頃には、必ずトッピングされていた渦巻き模様の
ピラピラした、お飾り食材と同じ名前のハサミ・メーカーには特別な形状により
「触点」をベアリングで代用した「立体触点」なる奇形児も有りますね。
デザイン的な意味と高額な値段には、賞賛に値する発想として評価します。でも・・・
刃物は研いで使う事を犠牲にしています。 2~3回研ぐ位なら大丈夫?です??
理由は、研ぎ込むと中のベアリングの厚みは変化しないので・・・
互いの刃が浮き上がってしまい、「パクル」が起こり易くなりますね。
勿論、べらぼうな値段で売られているので、買った人のステータスは保証します。
まだ購入していなくて、それが欲しいとお考えの方にはお薦めは致しません。
ネジ下とかネジ裏にベアリングを使っていて、触点が有るハサミは問題有りません。
ベアリングを中に入れる事で、触点を無くして?作られたハサミが駄目なのです。
寄り道・道草終わり。
ハサミに取っての触点とは、とても大切な役目を担っているんです。
でっ 触点にかかる力は、そのまま切れ味に影響を与えるので
切れ刃の部分と同じ素材で作られている物が良いハサミとも言えます。
そうでは無いハサミも、ある意味では奇形児ですね。 その内、問題が起こります。
また触点は、鋏を砥ぐ時には必ず砥石に当てる部分ですので、刃先と同様に
砥ぎ減らしたいため、刃先から触点までを同じ材質で作るべきだと思います。
ハサミのアキだのヒネリだのソリを口にすると、さも専門知識が有る様に聞こえます。
でも、触点の働き無くして、アキだのヒネリだのソリには発展しないのです。
また、大切だと書いた後から・・・ 触点の約半分は無くても良いと言ったら混乱しますよね?
無くてはならない半分と、無くても平気な半分が理解できると
ハサミ研ぎで調子を狂わす事も無くなるでしょう。 多分、きっと。
いつものスムーズな開閉がぎこちなく感じたら、ネジに油で無く触点に油。
ネジに油よりも効果が有ります。 すり合わさる触点と、ネジの回転運動なら
回転よりも、擦り合わせるところに負担が掛かっているからですね。
触点って結構・・・ 奥が深いんです。 ってか、頑張っているんですね。
http://transport57.web.fc2.com/index.html 同業者様もどうぞ・・・