はさみ屋のブログ

理・美容師の使うカットシザーのメンテナンス・アドバイザー(研ぎ・調整・販売)

意外と分からない理・美容鋏をメンテナンスに出すタイミング

2013年10月20日 | Weblog

理・美容師さんの中には、「どの位の頻度でメンテナンスに出せばいいの?」などの
質問をされる方がいらっしゃいます。 

落としたりして刃が欠けた時は修理に出すのは当たり前ですが、そうでないと
まだまだ、切れるような感じで1年以上、2年近くもメンテナンスに出さずに
使い続けていらっしゃる方も見受けられます。

そこで、今回はカットシザーをメンテナンスに出すタイミングや目安を
拾い上げてみました。

カットシザーなら、使っているうちに髪の毛が刃先に送り出される様な感覚で
すべるようになったなと感じた時がひとつの目安になります。

もっとも、このすべる感覚は、ブラントカットなどの時に、思い通りにカットできない事でも有り
ベースカットに手間取るので、時間もかかり指が疲れるし仕上がりにも大きく影響します。

スライドカットなどではこのすべる状態でも、逆に気にならない筈ですが・・・
すでに、そのハサミが枝毛製造器に成りつつある状態ですのでご注意を!

どうせ、お客様の髪の毛だし枝毛が出やすくなればトリートメントにつながるから「まぁいっか」と
メンテナンスを怠ると、ある日突然お客貴様を失う可能性は保証します。

またお客さんの髪の毛をはさむようになったと感じた時がひとつの目安とお考えください。


次にセニングのメンテナンスのタイミングです。

セニングは構造上、棒刃(切れ刃)が磨耗していても、櫛刃で髪の毛をすべらせる事もなく
挟み込むように切れてしまうので、いつまでも髪の毛が切れているように感じられるので
カットシザーよりも見極めは難しくなります。

セニングでカットした後で毛先が白っぽく見える様なら、アウトですね。
切れているのでは無く、無理矢理ちぎっている状態です。
お金をいただいてお仕事をする資格は有りません。 理・美容業界の恥さらしです。

では、セニングに起こっている現象から説明するなら、そんな状態でもメンテナンスに
出さずに使っていると棒刃(切れ刃)に、櫛刃でこすれたスジが深くなってしまいます。

2~3年くらい使っているけど「まだ切れるんですぅ・・・」と錯覚している人に一言。
「切る」と、「ちぎる」の違いが分からないなら、お金をいただいてお仕事をする資格は有りません。

棒刃(切れ刃)に、櫛刃でこすれたスジが深くなると、棒刃(切れ刃)の刃先は
外側にひっくり返っているので、こうなってから元の切れ味に戻すには
裏・表両方から大きく研ぎあげる必要があります。 (大きく研ぎあげる=沢山削る)

棒刃のスジが深くなる前に、こまめにメンテナンスに出していただいたほうが
結果的にハサミは長持ちします。 なによりお仕事がはかどります。

使う頻度にもよりますが、カットシザーもセニングも、最低でも1年に一度くらいは
意識的に、メンイナンスに出すことをお勧めします。 (自分で判断せずに)


メンテナンスの話題をもうひとつ、「修理は何回目まで大丈夫なの?」という質問もいただきます。

最近のハサミはステンレスでもコバルトでも、ハンドル以外はすべて全鋼(はがね)ですので
何度修理に出しても、10年や20年どころか、いつまでも使ってもらえます。

「刃が減るから・・・」と修理を嫌がる方もいますが、★信頼できる修理屋さん★であれば
大きな欠けがない限り、それほどメンテナンスで刃を減らすことは無いのです。

メンテナンス=修理というと、「研ぎ」だけという印象もあると思いますが、実は刃を
研ぐだけではなく裏刃を細かい砥石で押したり、(裏押しと言いますね)
必要に応じて槌で叩きをして、ソリやヒネリなどの調子を直したりもしているんですよ。

ハサミは日に何千回と開閉されているので、鋼どうしがこすれる事で磨耗していきます。
人の手で使うものなので、使う人の使い方や力加減によって
鋏の磨耗の仕方にも「ムラ」・「クセ」が出ます。

★信頼できる修理屋さん★であれば、鋏の修理をする前には、まずこうした鋏に付いた
クセを見極め、理・美容師さん、お一人ひとりの使い方を考えて、研磨や
裏押しをして調子を直している筈だから、お任せしましょう。

戻ってきたハサミが、メンテナンスに出す時よりも思わしく無い仕上がりだったら
それがハサミメーカーやディラーで有っても★信頼できる修理屋さん★では有りません。

★信頼できる修理屋さん★を探し続ける旅をそのまま続ける事をおすすめします。


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