54のパラレルワールド

Photon's parallel world~光子の世界はパラレルだ。

時間の起源と終わり

2005年05月16日 | 飛行する時間
「時間が止まる」とはどういうことだろうか。不思議な時計のスイッチを押すと時計の針が止まり、周りを見てみると町中の人や物も止まってしまう。時間が止まると物質は動けなくなるのか。
私が考える「時間が止まる」はその逆だ。物質が動かなくなることによって時間は止まる。そもそも「時間」というものは独立して存在するわけではない。物質が移動することによって、「前」「後」が生まれる。その変化を時間と呼んでいるのではないか。物質が動くことによって時間が生まれる。物質が全く動かず変化しなければ「時間」は存在しない。机の上に置いてあるコップは静止しているので時間は止まっているのだろうか。違う。コップの表面には酸素や窒素といった分子が絶えず衝突している。厳密な真空をつくり出すことができるなら、その空間は時間が止まっているといえるかもしれない。しかし地球が静止してくれないだろう。
時間は宇宙とともに生まれた。ビックバンが起こる前の「無」の空間では何も変化しない。変化のないところに時間は存在しない。そこに突然現れた特異点、全ての銀河、宇宙空間が凝縮した小さな点の大爆発とともに時間は生まれた。ビックバン直後は変化が激しく、時間は次々と更新されていっただろう。それを時間が早いとか遅いとか、長いとか短いと呼ぶのは解釈の仕方によって異なるだろう。時間が濃いともいえる。
ビックバン以降宇宙は膨張し続けている。その速度はだんだん遅くなってきている。ビックバンによって与えられた初速度が、自らの重力によって遅くなっていると考えられる。変化はビックバン直後よりゆるやかになっているので、時間は薄くなっているといえる。
宇宙の膨張はいつか止まるだろう。その後は自らの重力に引き寄せられ収縮し始めるだろう。そして再び宇宙は特異点(ビッククランチ)に戻り宇宙が終わる。そして時間も終わる。膨張の後ビッククランチへと向かわずに、宇宙が「熱的死」を迎えたとしても時間は終わる。どちらにせよ変化がなくなれば時間は意味を失う。

変化が時間を生み出す。人間も同じだ。毎日変わらない生活をすれば、時間は止まっているようなものだ。歴史の教科書を見てみればいい。激動の戦国時代や幕末のページ数は多いが、進歩のないアウストラロピテクスは数百万年分が数行でしかない。人生という教科書のページ数を増やすには変化が必要だ。日々変化し続けることによって人生は分厚くなっていく。長生きするとは死を先延ばしにすることではなく、人生を濃くすること、人生という時間を長くすること、教科書を厚くすることではないだろうか。

変化が未来を創り出す。

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4 コメント

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Unknown (tsuki)
2005-10-28 19:09:43
私もそう思います。昔、大学の授業で哲学の先生にそういったら「ちがう、時間は普遍なんだ!」といわれ、納得できなかった覚えが・・・
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時間観 (54)
2005-10-31 12:17:18
「時間」というものが多義的であるから、何を「時間」というかによって見方も変わる。

「時間が普遍だ」という場合、それは神様的視点からみたものであって、確かにそういう「時間」があってもいいと思うのだが、

時間の外にいる神様にとって時間は普遍かもしれないが、時間の内にいる私たちにとっては時間は相対的であると思う。
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2005年5月16日 (ホワイトバンド)
2006-05-17 06:06:13
丁度一年前 54さんの 時間観に変化は

ありましたか?



最近私が思うのは すべて自分の時間なのだと



やはり積み重ねる 数 に結果あり と



それと 吟味 の価値  等



の日も  出かけよう
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限られた時間の中で (54)
2006-05-17 15:10:22
一年前ね~

最後の、「変化が時間を生み出す」というのは変わらずです。

人生を分厚くするというのが、私という書物を分厚くするってとこまで発展してる感じ。

最近はより、限られた時間の中でどれだけのことができるか、ということを考えてます。。
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