54のパラレルワールド

Photon's parallel world~光子の世界はパラレルだ。

スタートレック/ジーン・ロッデンベリィ

2005年02月14日 | ハコ
 ヴィージャーっていう巨大な宇宙船が地球に向かってくる!この地球の危機を防ぐためにエンタープライズ号が旅立つ!・・・そんな物語。
 このヴィージャーってのが自我をもった機械でね、しかもとんだ勘違い野郎。機械が生命体だと思ってる。宇宙船に乗った人間を汚染物、寄生虫か何かとみなしてる。ヴィージャーにとっては自我のない機械なんて信じられないのだろう。人間が宇宙船を操縦してるなんて!
 ヴィージャーは「創造主」(ヴィージャーを創造した者)を探しに地球に向かっている。彼は自分を創造したのは自分と同じ機械だと思っている。それは人間が神を想像するとき同じ人間の姿を思い浮かべるのと同じだ。しかしヴィージャーを造ったのは人間である。この「勘違い」はなかなか面白かった。
 機械というのはプログラムされたこと以外は無知なのである。プログラムどおりに処理をするのはプロフェッショナルだが、プログラムに無いことは何一つできない。
 機械は天才であり大馬鹿である。そして、機械は単純で子どもみたいだ。

 「スタートレック」から得たアイディア>無人宇宙船に地球の位置情報などを乗せて太陽系の外まで飛ばせば、いつか違う星の知的生命体に発見されて、改良されて地球に戻ってくるかもしれない。それによって地球の科学が飛躍的に進歩するかもしれない。しかし逆に、恵まれた地球の位置情報を他の知的生命体に教えてしまい、地球が宇宙人に襲われる・・・なんてことも。

 人間は何かプログラムされているのだろうか。答えはNO。「生きる意味なんてものはない」というのが僕の見解で、それゆえ生きる意味を探すのだろう。しかしプログラムされていればそれしかできなくて不幸だが、何もプログラムされていないと宙ぶらりんでそれも不幸だと思えてしまう。ネガティブなんだろうか。親の職業を継げばよかった時代は進路に悩むことは無かっただろう。しかしそれでは不公平だといって自由を求めた。それが、自由すぎて何でもできるが何もできないという感じ。選択肢がありすぎるのだ。情報の波ってやつは僕たちを飲み込んで遭難させようとしている。灯台でもあればいいのだが・・・。

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3 コメント

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それって (室井)
2005-02-14 21:42:51
第一シリーズのエピソードだっけ。実は「ヴォイジャー」探索船だったっていう奴だろ? 60年代SFの人工知能物やロボット物には一定のパターンがある。円周率を計算させるとそれに没頭して他のことができなくなってしまうとか、嘘つきのクレタ人型のパラドクスを突きつけると無限ループに陥るとか。もう一つは第一シリーズのスポックから第二シリーズのデータに至る流れで、完全にロジカルであるはずの存在が抱える不条理な感情というテーマ。スポックはバルカン人と地球人の混血、データは天才ロボット学者の秘密の技術という説明がついていたが、どちらも人間と機械の中間的な存在として描かれている。

最後のパラグラフがちょっと安易だね。プログラムされていることと、自由な存在であることとは何ら矛盾する物ではないという風に考えてみたらどうだろう。
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失敗 (越野)
2005-02-16 19:03:32
タイトルからして第一弾だと思ったら違ってた。テレビシリーズ後の映画の話でした。本当は転送について読みたかったんですけどね。
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そうそう (室井)
2005-02-18 20:40:16
映画も見た。だから、それは第一シリーズのエピソードを膨らまして映画にしたものだ。よく考えたら、新しい「スタートレック」のシーズンも「スタートレック・ヴォイジャー」だから、どうもロドンベリーは土星探査船「ヴォイジャー」に取り憑かれているらしい。
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