54のパラレルワールド

Photon's parallel world~光子の世界はパラレルだ。

バック・トゥ・ザ・フューチャー/クレイグ・S・ガードナー

2005年02月16日 | ハコ
デロリアンっていうタイムマシンは最高にかっこいいデザインだね。
この物語のタイムパラドックス。85年から55年にタイムスリップしたマーティはひょんなことから両親の出会いを邪魔してしまう。すると85年から持ってきた写真の兄の姿が消え始める。両親が結婚しないと生まれないからね。
しかーし、一度現像された写真が変化するなんて物理的におかしい。写真なんてただの跡なんだし。視覚的表現としてはおもしろいけどね。ドクはこれについて、過去が未来に影響するだけでなく、「未来もまた過去に影響する」と言っている。未来で存在しなくなりかけてる兄が過去に持ってきた写真に影響を与えてると。面白い考え方だ。逆走する時間。
苦労の末両親の仲を結んだマーティは85年に戻る。すると両親の性格が変わっていた。自信なさげな父は自信ある父になっていた。マーティがその変化に驚く様子を家族は不思議がる。家族はそういう時の流れを生きてきたからだ。
しかしマーティだけが以前の85年の記憶のままというのはおかしくないか。「未来もまた過去に影響する」なら記憶にも影響を与え、両親の性格ははじめからそうだったと認識するのではないか。それとも時間旅行をしたものは歴史の変化の影響を受けないのか。それなら写真の変化と矛盾する。
過去で歴史を変えると未来を変えてしまう。マーティの家族の記憶から見てとれる。デロリアンが1台だから話がややこしくないが、デロリアンが1億台もあったなら、、、しょっちゅう歴史が変わり記憶が変わり人が変わる。現在の私は一体何?誰かが過去で何かするたびに消されてしまうのか。消される瞬間ってどんなだろう。存在って何だろう。めちゃくちゃだ。これが本当ならタイムマシンが開発された瞬間に「時間旅行禁止法」のようなものが制定されるだろう。
マーティ主体の物語を客観的に眺めるから楽しめるが、他のキャラを主体にするとたちまち物語がつながらなくなる。タイムパラドックスは何が面白いのだろう。頭がこんがらがるのが面白いのか。その糸をほどいていくのが面白いのか。
最後に。時速88マイル(140キロ)でタイムスリップできるって簡単すぎやしないか?光速を超えるって方が説得力がある気がする。
コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« スタートレック/ジーン・ロッ... | トップ | ダウンダウン/エド・マクベイン »
最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
これって (室井)
2005-02-18 20:51:53
全く科学的な根拠を説明するのを放棄しているおとぎ話だからねえ。パラドクスというよりも、魔法おとぎ話だと思えば何でもありなんじゃないの。その点50年代から60年代の古典期SFは真面目だったよね。
返信する

コメントを投稿

ハコ」カテゴリの最新記事