『ヘドバン』13号に刺激されて、SYSTEM OF A DOWNの5枚のアルバムを入手(最寄りのツタヤに全作あったので借りて)、聴いてみたのだが、4th『Mezmerize』と、5th『Hypnotize』には驚愕した。
大傑作だ、これは。
いやはや、凄い。
1stから順に聴いていったのだが、1st~3rdは、『ヘドバン』のコピー文そのまま「かつてミクスチャー・メタル、オルタナ・メタル、ラウド系等々と言われていたバンド」的なアクが強くて、ややしんどかった(まだ1~2回ずつしか聴いていないので、聴き込めばまた印象は変わるだろうけれど)。
ところが、4th、5thは、初聴時から鳥肌たちまくりである。
1st~3rdのラウドな爆発感に、叙情的なメロディやコーラスが載って、その劇的な音楽性に首もこころも持って行かれる。
その快感。
知性と狂気とのうねり。
その音楽的な説得力。
いわば、プログレッシヴ・ハード・コア・メタル、という趣。
「BABYMETALに出会って、他のどのバンドも物足りなくなった」
そんな思いを抱いている方で、この記事をお読みいただいていて、もしもSYSTEM OF A DOWN を聴いたことがなければ、ぜひ御一聴を。
好みはあるだろうから、お気に召すかどうかは保証しかねるが、「物足りない」ことがない、ということは確かだ。
そして、この2枚のアルバムともに、ビルボードで全米1位になった、というのが、また凄い。
こんな音楽的に刺激に満ちた、とんでもないアルバムが、チャート1位になる、というのが、さすがエンターテインメントの国、アメリカだ、と思う。
ということは、BABYMETALの3rd、4th、5thも・・・なんて考えて、夢は広がるのだ。
まあ、言葉の壁、は圧倒的に大きいから、どこまでも「道無き道」なのだろうけれど・・・
この『Mezmerize』と『Hypnotize』が、例えば、近年のメタルの「大御所」たちの(それなりの良作ではあるのだろうけれども)「う~ん、70点、かな。なんか、残念・・・」という出来と根本的に異なるのは、
端的に言えば、ある種の「狂気」が全編を覆っていることである。
BABYMETALに僕たちが感じている魅力の核にあるのも(明確にそれと意識はしにくいけれど、「探究」してみれば)、
このある種の「狂気」のはずだ。
Kawaii・メタル。
メタル・ダンス・ユニット。
このコンセプト自体、すでに大いに狂っているのだが、
この”ある種の狂気”を「凄み」の次元で具現化しているのが、3人の持つ「Kawaii」の「極み」である。
SYSTEM OF A DOWN に鳥肌を立てた後で、BABYMETALを聴くと、(その「とんでもなさ」において)一歩もひけをとらないと感じるのだが、それは3人の「声」によるところが大きい、と改めて思うのだ。
SU-METALの歌が、”メタルらしい”唱法をほとんど使わずに、澄み切った凜としたまっすぐな声を響かせるのは、「Kawaii」の音響面での具現化である。そこに、さらにYUI・MOAのとんでもなく「Kawaii」声の「合いの手」が入る。
例えば、『METAL RESISTANCE』を初聴のつもりで改めて聴き直してみれば、その「狂気」ぶりに改めて気づく。
オープニングの、荘厳なイントロの後、まず耳にするのが、YUI・MOAの「ワン・ツー・スリー・フォー」であり、そこから怒濤のスピード・チューンの疾走がはじまり、SU-METALの爽やかな歌声が「METAL RESISTANCE」を高らかに宣言するのだ。
続く、2曲目でも、モダン・ヘヴィネスのグルーヴ感たっぷりのリフの後、まず耳にするのが左右のチャンネルに分かれたYUI・MOA「セイヤ、セッセイヤ、セイヤ」だし・・・。
「何、当たり前のことを繰り返してるのだ」と思われた方、ごめんなさい。
SYSTEM OF A DOWN を参照項にすると、BABYMETALの「何」がヘヴィメタルに衝撃を与えたのか、がくっきりと見えてくる、という話なのです。
それは、決して神バンドではない。
3人の「Kawaii」こそが、衝撃の核なのだ。
もちろん、神バンドの卓越した演奏力が、BABYMETALのライヴの楽しさのブースター(増幅装置)になっていることは疑う余地もないし、懐疑的なメタルヘッズがBABYMETALに「墜ちる」主要なきっかけとして神バンドの演奏があることは間違いない。
今日の世界的な人気に神バンドの貢献がたいへんたいへん大きいことは誰しもが認める事実なのだが、
SYSTEM OF A DOWN に匹敵するようなヘヴィメタルとしての(ロックとしての、音楽としての)新しさ・鮮らしさは、3人の「Kawaii」にあるのである。これも疑いようのない事実である。
逆に言えば、神バンドという凄腕集団の超絶的な演奏をバックに従えつつの、ライヴにおいて、(MC等の「アイドルの飛び道具」なしに)主役で有り続けている、SU-METAL、YUIMETAL、MOAMETALの3人の「Kawaii」の「極み」こそが、
(例えばSYSTEM OF A DOWN に匹敵する)BABYMETALの「凄み」なのだ、ということを、今回、僕は再確認したのだ。
これは、例えばIron Maiden 等を参照項にしていたのでは、見えて来にくい「真実」だろう。
そう、「Kawaii」の「極み」=「凄み」なのだ。
BABYMETALの、唯一無二、空前絶後、の核心とは。
年末・年始のWOWOWの放映を観ても、それを痛感した。
とりわけ、YUIMETALに。
(この話を書こうと思ったのだが、前置きが長くなってしまった。続きは近日中に書きます)。
大傑作だ、これは。
いやはや、凄い。
1stから順に聴いていったのだが、1st~3rdは、『ヘドバン』のコピー文そのまま「かつてミクスチャー・メタル、オルタナ・メタル、ラウド系等々と言われていたバンド」的なアクが強くて、ややしんどかった(まだ1~2回ずつしか聴いていないので、聴き込めばまた印象は変わるだろうけれど)。
ところが、4th、5thは、初聴時から鳥肌たちまくりである。
1st~3rdのラウドな爆発感に、叙情的なメロディやコーラスが載って、その劇的な音楽性に首もこころも持って行かれる。
その快感。
知性と狂気とのうねり。
その音楽的な説得力。
いわば、プログレッシヴ・ハード・コア・メタル、という趣。
「BABYMETALに出会って、他のどのバンドも物足りなくなった」
そんな思いを抱いている方で、この記事をお読みいただいていて、もしもSYSTEM OF A DOWN を聴いたことがなければ、ぜひ御一聴を。
好みはあるだろうから、お気に召すかどうかは保証しかねるが、「物足りない」ことがない、ということは確かだ。
そして、この2枚のアルバムともに、ビルボードで全米1位になった、というのが、また凄い。
こんな音楽的に刺激に満ちた、とんでもないアルバムが、チャート1位になる、というのが、さすがエンターテインメントの国、アメリカだ、と思う。
ということは、BABYMETALの3rd、4th、5thも・・・なんて考えて、夢は広がるのだ。
まあ、言葉の壁、は圧倒的に大きいから、どこまでも「道無き道」なのだろうけれど・・・
この『Mezmerize』と『Hypnotize』が、例えば、近年のメタルの「大御所」たちの(それなりの良作ではあるのだろうけれども)「う~ん、70点、かな。なんか、残念・・・」という出来と根本的に異なるのは、
端的に言えば、ある種の「狂気」が全編を覆っていることである。
BABYMETALに僕たちが感じている魅力の核にあるのも(明確にそれと意識はしにくいけれど、「探究」してみれば)、
このある種の「狂気」のはずだ。
Kawaii・メタル。
メタル・ダンス・ユニット。
このコンセプト自体、すでに大いに狂っているのだが、
この”ある種の狂気”を「凄み」の次元で具現化しているのが、3人の持つ「Kawaii」の「極み」である。
SYSTEM OF A DOWN に鳥肌を立てた後で、BABYMETALを聴くと、(その「とんでもなさ」において)一歩もひけをとらないと感じるのだが、それは3人の「声」によるところが大きい、と改めて思うのだ。
SU-METALの歌が、”メタルらしい”唱法をほとんど使わずに、澄み切った凜としたまっすぐな声を響かせるのは、「Kawaii」の音響面での具現化である。そこに、さらにYUI・MOAのとんでもなく「Kawaii」声の「合いの手」が入る。
例えば、『METAL RESISTANCE』を初聴のつもりで改めて聴き直してみれば、その「狂気」ぶりに改めて気づく。
オープニングの、荘厳なイントロの後、まず耳にするのが、YUI・MOAの「ワン・ツー・スリー・フォー」であり、そこから怒濤のスピード・チューンの疾走がはじまり、SU-METALの爽やかな歌声が「METAL RESISTANCE」を高らかに宣言するのだ。
続く、2曲目でも、モダン・ヘヴィネスのグルーヴ感たっぷりのリフの後、まず耳にするのが左右のチャンネルに分かれたYUI・MOA「セイヤ、セッセイヤ、セイヤ」だし・・・。
「何、当たり前のことを繰り返してるのだ」と思われた方、ごめんなさい。
SYSTEM OF A DOWN を参照項にすると、BABYMETALの「何」がヘヴィメタルに衝撃を与えたのか、がくっきりと見えてくる、という話なのです。
それは、決して神バンドではない。
3人の「Kawaii」こそが、衝撃の核なのだ。
もちろん、神バンドの卓越した演奏力が、BABYMETALのライヴの楽しさのブースター(増幅装置)になっていることは疑う余地もないし、懐疑的なメタルヘッズがBABYMETALに「墜ちる」主要なきっかけとして神バンドの演奏があることは間違いない。
今日の世界的な人気に神バンドの貢献がたいへんたいへん大きいことは誰しもが認める事実なのだが、
SYSTEM OF A DOWN に匹敵するようなヘヴィメタルとしての(ロックとしての、音楽としての)新しさ・鮮らしさは、3人の「Kawaii」にあるのである。これも疑いようのない事実である。
逆に言えば、神バンドという凄腕集団の超絶的な演奏をバックに従えつつの、ライヴにおいて、(MC等の「アイドルの飛び道具」なしに)主役で有り続けている、SU-METAL、YUIMETAL、MOAMETALの3人の「Kawaii」の「極み」こそが、
(例えばSYSTEM OF A DOWN に匹敵する)BABYMETALの「凄み」なのだ、ということを、今回、僕は再確認したのだ。
これは、例えばIron Maiden 等を参照項にしていたのでは、見えて来にくい「真実」だろう。
そう、「Kawaii」の「極み」=「凄み」なのだ。
BABYMETALの、唯一無二、空前絶後、の核心とは。
年末・年始のWOWOWの放映を観ても、それを痛感した。
とりわけ、YUIMETALに。
(この話を書こうと思ったのだが、前置きが長くなってしまった。続きは近日中に書きます)。
Persefone アンゴラ
Ne Obliviscaris オーストラリア