何を見ても何かを思い出す

He who laughs last laughs best

穂高の光

2021-10-20 09:51:25 | 

ワンコが天上界の住犬になって5年と9カ月
今月はたくさん本をお告げしてくれて、ありがとう
真夏のような暑さから一転、ストーブが必要な寒さになったせいもあるし、
二回目のワクチンが思いの外しんどくて倦怠感が続いていたということもあるし、
まぁ色々あって体調が優れない日々だったのだけど、
ワンコのお告げ本がたくさんだったおかげで、
あまりゴチャゴチャ考えずに過ごすことができたよ
ありがとうね ワンコ

で、お告げ本の報告なのだけど、今月は何も考えずに純粋に単純に読書を楽しませてもらったので、
どう報告しようか迷ったのだけど、
『お前にとって一番美しいものって何だ』という問いかけが印象に残った一冊をまず報告するとするよ

「ノースライト」(横山秀夫)

本の帯より
『一級建築士の青瀬は信濃追分へ車を走らせていた。望まれて設計した新築の家。施主の一家も、新し自宅を前に、あんなに喜んでいたのに・・・・Y邸は無人だった。そこに越してきたはずの家族の姿はなく、電話機以外に家具もない。ただ一つ、浅間山を望むように置かれた「タウトの椅子」を除けば・・・・。このY邸でいったい何が起きたのか?』

警察ものが多い横山氏だが、本書の謎を解くのは、一級建築士の青瀬。
建築ラッシュに沸いたバブルの後、その反動で家族も仕事も失った主人公・青瀬を立ち直らせたのは、「あなた自身が住みたい家を建てて下さい」という言葉だった。
ミステリーとしては、なぜ新築の家から施主家族は消えたのか?、施主はなぜ自分が望む家ではなく建築家自身が住みたい家を建てるよう依頼したのか?という謎があるのだが、本書を読む間私が一貫して気になっていたのは、タイトルでもある「ノースライト」という言葉。

浅間山を背にした土地に建てられたのは、南からも東からも十分に光を取ることも出来るにもかかわらず、敢えてそれを補助光にし、北からの「ノースライト」を採光の主役に抜擢した木の家、Y邸。

’’ノースライト’’
ほのかな採光の風合いが素晴らしいフェルメールの絵のほとんどは北窓からの光だし、真珠の選別は北窓からの採光で行われると聞いたことがあるので、ノースライトは、時に気高く、また柔らかく優しく、そして静かに本物を映し出すのかもしれない。
ただ、’’ノースライト’’には、体を温めてくれる温度が乏しいのではないか、それが本書のミステリーの底流を流れているような気がする。

で、今月のワンコのお告げは?というと。
主人公が所属する建築事務所が手掛けようとしていた美術館の画家の言葉だと、思う。
学徒出陣で散った従兄を思い、一人ヨーロッパで絵を描き続けた画家の言葉が、胸にしみる。

『埋めること  足りないものを埋めること
 埋めても埋めても足りないものを
 ただひたすら埋めること』(『 』 「ノースライト」より)

次から次へとすべきことが溢れ出てきて息つく暇もないので、
最近ほんとに疲れやすいんだよ
やりがいを感じることも多いのだけど、何だか徒労な気がすることも多く、
最近の私の口癖は、「賽の河原の石積みのよう」だったのだけど、
きっとワンコはそれではいけないと思ったんだろうね、
だから、まだまだ足りない、と発破をかけるために、この言葉を贈ってくれたんだね

『埋めること  足りないものを埋めること
 埋めても埋めても足りないものを
 ただひたすら埋めること』

たぶんこのまま12月半ばまで忙しいよ
九月には一度ぶっ倒れているので、繰り返さないよう気をつけ、
自分に限界を設けず頑張るよ ワンコ

で、私にとって一番美しいものは、もちろん

     

来月もよろしくね

見守っていてね ワンコ         


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