夕方、久しぶりに、ほんとうに久しぶりに、夕焼けを見た。
もうこのままずっと雨が降り続けるのではないかと思うほど雨ばかりの日々の、ほんの一時のことだった。
茜色に染まる空を楽しんでいるのは、人間ばかりではなかった。
どこにこれほどのツバメがいたのだろうか、と思うほどのツバメが、楽しそうに空を舞っていた。
そうして君を思った。
「玄鳥至る」の候、君にその名の由来を話したね。
農耕民族の日本にとって、本格的なコメ作りを始める時期に南方からやってくる玄鳥は、大切な始まりを告げる大切な存在だと。
そして、玄には、時空を超えて天地万象の根源との意味があるのだと。
7月14日 パリ祭
”Fluctuat nec mergitur“ たゆたえども沈まず
今日という日に、
私にとって新しい日が始まる、この日に、
玄鳥の楽しそうな舞を見ることができたのは、嬉しいことだったけれど、
君が戻ってくる知らせは、嬉しく安堵するものだったよ
元気の素よ
また本の話が一緒にできることを楽しみにしてるよ