馬場あき子選
極小のドローンのごとき蒲公英の絮追う視線が絡まる教室 千葉市 愛川弘文
光景が目に浮かびます。教室にまぎれこんだたんぽぽの絮なんて、のどかな(というか、退屈な?)授業だったのでしょうね。
佐々木幸綱選
田を植ゑて稲を刈るとふ当たり前の景色はフレコンバッグの彼方 福島市 安斎真貴子
シベリウス、ラフマニノフと雪の降る国の旋律津軽に馴染む 五所川原市 戸沢大二郎
一首目、前回から覚えたフレコンバッグの光景。復興なんてまだまだなのに、ちっとも元に戻らないのに、ひどい話ですよ。二首目、北方系の作曲家の曲は、確かに津軽にあいますね。
高野公彦選
阪神忌に続き東北忌が巡るコロナ終息ひたすら待つ日 茨木市 瀬川幸子
入試日は三寒四温の三にして歓喜のたびに子ら震えをり 可児市 前川泰信
一首目、国民みんなが思っていますよね、本当にどうなっちゃうんだろう。二首目、コロナ禍での入試、本当に大変だったでしょう。
永田和宏選
瓦礫にはブルーシートが被せられ聖火リレーのカメラ対策 相馬市 根岸浩一
記憶にない忘れましたとボケすすむ人らが国家の運営をする 東京都 野上卓
一首目、聖火リレーのために密を避けるけれど、カメラ対策のために、復興していない部分は隠すんですね。この国は、本当にいやらしいしおかしい!二首目はさらに政府や官僚への皮肉。そうよねえ、会食はダメと言っている当の本人たちが平気で夜中まで騒いでしまっては、誰も国の言うことなんか聞きませんよ、本当にサイテーの国ですね。とっても先進国とはいえません。だって、ワクチンだってまだまだなのに。そのうち、中国製ワクチンでみんな支配されちゃったりして、ああいやだ。