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ハッチがいた日常

夫は病死、仕事も辞めて被災猫ハッチと暮らしたけれど、10年で終わってしまった。これからは本当の一人暮らしの日々。

アマチュアの醍醐味

2006年07月02日 12時54分47秒 | 音楽
 昨夜は荻窪の先月リニューアルオープンした杉並公会堂で、合奏団の指導のK先生が指揮する東京ムジークフローの第43回定演を聴きに行きました。
 普段、合奏団の練習では一応化粧していく私も、別にいいやと、全くすっぴんで出かけ、服装も自分のお手製ブラウス&スカートで気軽に行ってしまい、まさか知り合いに会うとは思いもよらず、最初からコンバスU氏(演奏ではチェロ弾いてました)やチェロ、ヴィオラのO夫妻に会ってしまい、とほほでした。というのも、昨日は夫は肝臓定期検診を済ませてから行くので、別々に現地に行ったのですが、広い会場でなかなかめぐりあえなかったのです。けっこう大きなホールでした。当日出演するU氏のほかにもヴィオラのY女史にも会ってしまい(今回、彼女からチケット入手)、けっこう大勢の知り合いがいたものだと恐縮。
 結局、夫は1階をうろうろしていて、それを見つけた2階席の私が手を振って呼んだのでした。目が悪いのに、よく見つけられました。夫は2階席、嫌がっていましたが、オケ全体を見渡せて音も多分いいだろうと踏んだのでした。大正解でしたね。
 今回のプログラムは、夫がとても興味を持ったので一緒に行くことにしたのですが、その注目の曲目は、ブルックナーの交響曲第3番ニ短調「ワーグナー」。他にはワーグナーの「さまよえるオランダ人」の序曲、クリスチャン・バッハのシンフォニーでした。
 ブルックナーは以前、別のアマオケで聴いて、楽章の意味がないように思えて、まるで「金太郎飴」と思ったのでした。でも、昨夜の演奏は、ものすごく面白く、まったく退屈しませんでした。もちろん、楽章の意味もあったし、集中力も緊張もあって、素晴らしい演奏でした。これぞ、アマチュアの醍醐味だと思いました。きっと、私たちの15周年コンサートのときのように、K先生はぎりぎりまでリハーサルをしたのではないかしら?先生は「ボクは諦めない!」といって、最後の最後まで仕上げたのでした。
 合奏団仲間もこのオケに入っているし、そんなに上手じゃない(失礼!)はずなのに、見事な演奏、やってくれましたよね。聴いているほうも気持ちよかったけれど、何より、弾いていて気持ちよかったんじゃないかしら?
 本番には魔物が住んでいるというけれど、昨日は魔法がかかったように、素晴らしい演奏でした。もちろん、多少難ありというのはあるでしょうけれど、すべて完璧に演奏できたからと言って、素晴らしい感動を呼ぶものではありません。私は夫に、確かにN響はもっと上手に演奏するでしょうけれど、でも面白くないと思うといいました。
 音楽というのは不思議なものです。その場を共有して感動すること、それは私の気持ちや体調にもよるし、演奏の良し悪しだけではないと思います。昨日、あの演奏を聴いたことで、私はブルックナーを嫌いではなくなりました。そして、同じアマチュアとしてその場にいたことを本当に幸せに思いました。K先生、ある種の魔法使いだと思います。お疲れ様でした。
コメント
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