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ハッチがいた日常

夫は病死、仕事も辞めて被災猫ハッチと暮らしたけれど、10年で終わってしまった。これからは本当の一人暮らしの日々。

朝日俳壇11月17日

2019年11月17日 12時48分40秒 | 俳句

大串章選

身に入むや箪笥に眠るパスポート       古賀市 白石匡子

七五三一段ごとに吊られをり         北本市 萩原行博

ラグビーに痺れしままの冬支度        鹿児島市 青野迦葉

 一句目、私も同じです。もうパスポートの期限も切れているかも。最後に海外に行ったのはいつだったか?9.11テロのあと、機内持ち込みの制限が厳しくなり、コンタクトレンズ常用の人間にとっては困ったことになりました。それに、頚椎炎からあまり重い荷物を持てなくなったのも、海外旅行をあきらめた理由の一つです。いまさら無理してまで海外に行く必要もないし、その経済力もなくなりました。会いたい人がいれば、ネットで会えるしね(そんな人もいませんが)。ハッチがいるから、旅行もとっくに諦めています。

 二句目、七五三のお子さん(お孫さん?)が、両手を大人とつないで、神社の石段を吊られて上がる様子が目に浮かびました。うまい表現ですね!

 三句目、ラグビーロスですよ。あの熱狂が忘れられません。

 

高山れおな選

ハンサムウーマンコップで新酒酌みにけり   加古川市 森木史子

 いやー、かっこいいですよね!女性活躍と言われてもなかなか男女平等にならない今の社会、もっとこういう女性が増えてほしいと思います。

 

稲畑汀子選

生き甲斐を見つけし学び文化の日       神戸市 池田雅かず

 公民館活動をしているので、こういうことをもっと多くの人に味わってほしいと思い、選びました。生涯学習は、健康寿命を確実に伸ばします。外に出て人と交わる、学ぶことが脳にもいいのですから、お互いにがんばりましょう!人とつながる、地域でつながる、それは防災の一歩でもあるんです。一人暮らしがどんどん増える今、孤立しないで外に出て行って学びましょう。

 

長谷川櫂選

冬ざれや水漬きし畳積みかさね         秋田市 松井憲一

庭よぎる狐や狸猫と観る            ドイツ ハルツォーク洋子

八頭ごろんとおはす竹の笊           八千代市 浦 卓夫

 一句目 あの台風による大水害の後、まだまだ日常が戻らない人たちが大勢いることを忘れてはなりません。早く何とかしないと、家自体がカビだらけになるとか・・。風を通そうにも、冬がもうやってきてしまっています。本当に、つらいことです。水漬く(みづく)という言葉を初めて知りました。

 二句目 中句の「や」を切れ字に取ると、狸猫となります。ハッチもそうかな?太った猫を想像しますね。今回、ハルツォークさんは高山れおな選でも「その夜見し夢や和服の狐嬢」がありました。ドイツの森に住んでいるみたいで、素敵です。彼女は朝日俳壇の常連ですね。

 三句目 八頭は、正月の雑煮に入れていました。皮をむくのが難しくて、失敗して親指をザクッと切ったことを思い出しました。八頭の存在感に共感したので取りました。

 今度の土曜日が句会なのに、なかなか句ができません。あーあ、困った・・・。「窓際に猫と一緒に日向ぼこ」、のんきな日々です。そんな日があってもいいですよね。


朝日俳壇11月10日

2019年11月11日 13時35分50秒 | 俳句

 今回も、秋出水の句がありました。今年は大水害の年になりました。今年も一文字は、「水」になうんじゃないかしら・・。

長谷川櫂選

病める人苦しむ人を照らす月        流山市 葛岡昭男

 月はだれにも分け隔てなく照らすけれど、お日様と違い、夜、あえて月を仰ぐという行為は、誰もがするわけじゃないですよね。つらい時、悲しい時にこそ、月が寄り添うんじゃないかと思いました。

椅子二つ一つは猫に秋の昼         大阪市 今井文雄

 ほのぼのとした、秋の陽だまりを連想します。私が猫好きなので、ついつい、猫の句に注目!

 

大串章選

家ごとの軒ごとの柿すだれかな       仙台市 三井英二

 私、柿が大好き!軒に干し柿を吊るしている光景が目に浮かびました。

木の実独楽ことりと止まる夜更けかな     川越市 大野宥之介

 小さな木の実の独楽が、止まって倒れたあとのしーんと耳鳴りがするような静かな感じ、なんか惹かれました。

 

高山れおな選

家康が信長兼ねる村芝居           対馬市 神宮斉之

 村芝居、地芝居は、晩秋の季語というのを、初めて知りました。稲刈りのあと、村の人たちが歌舞伎や芝居を自分たちが演じて楽しむということがあったそうで・・。農閑期の楽しみですね。それにしても、家康も信長も、一人の演者がやるなんて、忙しいです、大変だー。秀吉と信長は無理だけどね。

 


朝日俳壇11月3日

2019年11月03日 12時59分18秒 | 俳句

 今回もなお、台風被害の句がありました。俳句の季語に「秋出水(あきでみず)」という言葉があります。ということは、昔から、この時期の台風による川の氾濫は、かなりあったということが言えると思います。現代のように、気象予想図とかない時代だったから、どんな台風なのかとか、全然わからなかったと思います。これから収穫という時期のこの川の氾濫は、本当に農家の皆さんにとっては死活問題です。

長谷川櫂選

玉砕の島から島を十九号       新座市  五明紀春

 季語は、ないようですが、十九号というのが「台風」とわかるので、季語扱いになるのかもしれません。そういう見方があるのかと、注目しました。

 ラグビーは、昨日の決勝戦も見ました。この一か月、夢中でラグビーを見ていました。秋出水の被害もすごかったけれど、勇気や元気をもらいました。ラグビーの句もありますね。私もいくつか詠んだけれど、句会に持って行ってもなかなか評価される句になりませんでした。特に「ノーサイド」というフレーズで作りたかった!というわけで、同じ長谷川櫂選にあったのが、こちら。

爽やかやビクトリーロード忘るまじ    箕面市  岩井真理

ラグビーや夫婦やうやうノーサイド    島根県邑南町 椿博行

 

稲畑汀子選

酔芙蓉純白通す雨となる         玉野市  勝村博

 俳句をするようになって、酔芙蓉という面白い花を知りました。近所の遊歩道に咲いているので、いつも楽しみにしています。

 

高山れおな選

落花生抜けば大地に百の穴      つくばみらい市 北野和良

 八王子に住んでいたころ、生の落花生が手に入り、炊き込みご飯にしたり、いろいろ料理してみました。あの落花生の収穫の様子が、見事に表現されていますね。冬の季語に「大根引」というのがあります。畑で大根を引っこ抜くという情景が季語になっています。抜けた大穴が想像できますね。

 先日の大災害で、野菜が高値になりそうです。

 さてさて、今日は伊勢神宮の全日本大学駅伝、気がつかなくて7区から見ました。なんとか、母校はシード権を獲得できました。今朝は、Eテレ日曜美術館で正倉院展を見ました。学生時代は、何度も見に行ったものでした。懐かしかったです。


朝日俳壇10月27日

2019年10月27日 22時12分53秒 | 俳句

 二度の台風で、関東や甲信越、東北など、広い範囲で川の氾濫がありました。未曽有の大水害でした。つい金曜の大雨も、半日でひと月分の雨量に達するひどい雨、二次災害どころか、三次災害、被災された人たちへの負担は想像を絶する事態になっています。そのさなかの投句は、この大水害に関することも多く、無季語でも選句されていました。

高山れおな選

軽トラや泥の案山子を積みて去る       京都府精華町 土佐弘二

 

稲畑汀子選

こんなにも人智を越ゆる秋出水        枚方市   石橋玲子

台風に一変したる千曲川           長野市   縣展子

 

長谷川櫂選

台風禍川の容(かたち)のなき大河      長野市   縣展子

泥の海されど生きよと小鳥来る        松山市   竹林一昭

台風やラヂオの声のあたたかさ        長野県川上村 丸山志保

 

 台風の句ではないけれど、以下の句の季語は「花野」。私は花野というと、どうしてもあの世の花野というイメージを浮かべてしまいます。

大串章選

大花野佇む友は若きまま           加古川市 森木史子

 

 再びの大雨による浸水被害を受けた方々に、お見舞い申し上げます。今年は、日本が災害列島となってしまいました。あらゆる基準を改訂しなくてはならないのではと思います。家の基礎や、その前に、家を建てていい場所かどうかとか。そして、耐久の基準。雨風にもっともっと耐えられる基準にしないと、本当に何もかもがもたなくなるでしょう。怖いのは地震だけじゃないと思い知った今年の台風です。

 

 

          


朝日俳壇10月20日

2019年10月21日 14時54分02秒 | 俳句

 今週の朝日俳壇で、私の心にひっかかった句を発表します。なんちゃって、私は俳句初心者なので、選句もあてになりませんよ。

大串章選

浮世絵のジャパンブルーや秋の空      大分市  峯戸松祥子

稲刈の済まぬ彼の家案じけり        さいたま市 齋藤紀子

 

 最初の句は、どうしてもラグビーワールドカップを思い浮かべてしまいます。なぜか?実は、今年7月にオリジナルフレーム切手セット「JAPAN NATIONAL RUGBY TEAM」が販売されて、私はさっそく買いました。そこに、浮世絵とラグビーをコラボした絵葉書と切手が入っていて、特大絵葉書だから、切手は封書分必要でしたが、とにかく素敵な切手絵葉書セットなのです。このラグビー熱で、おそらくもう売り切れかもしれませんが、欲しい方はぜひ、郵便局にトライしてみてください!
 二句目は、今回の大水害のことが詠まれていると思いました。

 

高山れおな選

うねりつつ裏返りつつ稲雀          長岡市  内藤孝

 

 私は今年、はじめて稲雀という季語を知りました。その表現が素晴らしい!

 

稲畑汀子選

すつきりと秋くつきりと空の青        東京都  藤森荘吉

 

 リズムがいいですね!


10月13日の朝日俳壇

2019年10月14日 13時25分32秒 | 俳句

 

 ラグビーワールドカップの影響か、ラグビーの句もいくつかありました。

 最近、また俳句の独習を始めたんです。入門書は読み終えたけれど、その本はあまり好きじゃなかったのです。そして今、読んでいるのが清水基吉の「俳句入門 作り方味わい方」です。昭和45年発行の、相当古い本ですが、いろいろ読みましたが、これが一番好きです。文章に棘がない、初心者をいたわってくれるという優しさを感じます。それというのも、私が好きな石田波郷門下なんですよ。いいなーー。こういった本は、俳句サークルに入ったときに、先輩からいただきました。ありがたいことです。

 話は戻り、今週の俳壇で心にひっかかったのは・・・。

高山れおな選

浮浪児ら月さへ食べるものに見え       横浜市  志摩光風

秋の蚊は妻に言ひ寄るごとく来る       箕面志  菖蒲哲郎

 

稲畑汀子選

よく見れば怖い目をした目白かな       四街道市 深澤豪彦

 

 浮浪児と言えば、あの第二次世界大戦の日本の敗戦後の様子を思い浮かべるし、アニメ映画「火垂るの墓」を思い出します。秋の蚊・・の句は、ユーモアがあって、楽しい句です。

 目白もそうだけれど、鳥って、みんな怖い目してません?昔住んでいた場所が、その鳥の名前がついていたんです。

 

 

 


朝日俳壇10月6日

2019年10月06日 19時03分08秒 | 俳句

 今週の朝日俳壇は、二日酔いの頭で鑑賞しました。だから、ぼろぼろです。

長谷川櫂選

舟ひとつあるも秋なり余呉の湖       栃木県高根沢町  大塚好雄

 父が琵琶湖周辺の土地をよく訪れていたので、いいなあと思い、選びました。

叩けども終に動かぬ籾摺機         淡路市  中尾菲出る

 

大串章選

村中の猫の来さうな良夜かな       八代市  山下しげ人

露天湯にひとり夕日の花野見ゆ      山口県田布施町 山花芳秋

 ふたつとも、なんだかほっとするような句で、好きですね。 


今週の朝日俳壇

2019年09月29日 09時55分43秒 | 俳句

 今回、最初の句からお気に入りがありました!

高山れおな選

満月の猫は朝まで遊びけり      福岡市  松尾康乃

 月と猫は、俳句に詠みたい題材です。うらやましい!

 

稲畑汀子選

秋嵐房総的(まと)に吹き荒れん    木更津市  本郷政信

音沙汰の無き友案じ颱風禍       神戸市   高橋純子

 私は、俳句はその時代、その時を詠むべきだと思っています。そして、最初の句はその被害を受けた地域の方の句です。停電も長く続いたのではないでしょうか。お見舞い申し上げます。

 

長谷川櫂選

ラグビーボールほどが四日で満月に     藤岡市   飯塚柚花

 私もラグビー大好き!昨夜のアイルランド戦の勝利、本当にうれしかったです。飯塚さんも狂喜していることでしょう。月をラグビーボールに例えるなんて、すてきです。

 

大串章選

恐竜の骨起ち上がる夜寒かな      新座市  五明紀春

大海と化す大空や鰯雲         羽島市  勝康治

 どちらも、雄大な感じがします。恐竜の句は、ジェラシックパークみたいで面白い。鰯雲の句も、気持ちがいいです。

 

 空を海にたとえた2年前の私の句が、こちら。初心者ですから、お手柔らかに。

満月にあぶり出される雲の海

 実際に、仲秋の名月をベランダから見た光景です。幻想的でした。

 

 


朝日俳壇

2019年09月23日 10時45分45秒 | 俳句

 昨日の朝刊の俳壇を、じっと読みました。このところ、忙しくて、ゆっくり鑑賞するゆとりがありませんでした。だから、やはりあまり心に引っかかりません。その中で、二つだけかなあ・・。

大串章選

虫の夜や茂吉の里の酒をくむ    山形県河北町  小山田恒吉

 

長谷川櫂選

十秒で来る返信や秋の風      本巣市  清水宏晏

 

 今回、選者4人のうち3人が選んだ句が、こちら

大花野還らざる日の眼裏(まなうら)に    豊中市  堀江信彦

 

 「還らざる日」といえば、私はアリスの「帰らざる日々」を思い浮かべてしまいます。わが青春時代の愛唱歌です。親友の下宿で飲み明かしたこともありましたっけ・・・。

 今回、茂吉のところで、ネットで調べて、山形の酒だとわかりました。詠んだ方も山形ですものね。十四代、上喜元や冽、夫とよく飲みましたっけ。ついつい、そんなご縁で気に入りました。


昨日の朝日俳壇

2019年09月16日 14時01分02秒 | 俳句

 心に引っかかったのは、以下の句です。

長谷川櫂選

蛆を喰ひ蛆に喰はれし話など      高萩市 小林紀彦

 

大串章選

赤紙や骨の散らばる天の川       我孫子市 岡村英

アテルイも牛若丸も秋祭        久慈市  和城弘志

 

 9月になっても、まだ8月の敗戦忌を思い浮かべる句がありますね。蛆(うじ)が、夏の季語だとは、知りませんでしたが。これも、おそらく南洋の激戦地での体験ではないでしょうか。どうか、証言をぜひ、残してほしいと思います。

 月一で地元図書館で、奥の細道を古文書で読む講義を受けています。ちょうど、平泉のところで、義経に思いがあって、最後の句を選びました。

 最近は句が読めなくて、悲しいです。忙しくて、いい言葉が降りてこないのです。でも、俳句を辞めるつもりはないので、時間をかけて(周りは私よりも年長者ばかりですから)少しずつ前に進んでいかれればいいと思います。まあ、蝸牛ですね。

ヴーヴとは寡婦のことなり蝸牛

 これは自作です。ヴーヴクリコというシャンパンは、未亡人クリコという意味だから。未亡人歴7年になりました。

 関東はだいぶ涼しくなりました。名古屋は今日も34℃くらいとか、非情な残暑です。来週あたり、健康診断結果を聞きにいかなくちゃ。指の粘液脳腫が、ちょっと辛くなってきました。まさか、手にできるとは・・。体調管理、しっかりしなくては。そうそう、明日は新しい保険証が届く予定です(再配達になっちゃったので)。健康でいることが、節税になりますものね。がんばらねば・・。