検証・電力システムに関する改革方針

「自然エネルギーですべての電力をまかなう町」の第2部です。

森林法改正が林家に及ぶ影響  連載小説110

2012年09月24日 | 第2部-小説
  読み終えた公平は「なるほど」といいながら「趣旨説明の前段にある『森林所有者がその責務を果たし、関係者の自発的な取り組みのもとで』というのが今後、問題にありそうですね」といった。
将太「わたしもそこが今後、一番大きな問題、要するに林家の脅威になると思います」
公平「すき好んで放置している人はいませんから」
将太「山を持っている者は管理の責任がある。その責任を自発的に果たしなさい。もし果たさなければ行政が代わって代執行するよ。その費用は林家が負担しなければいけない。そういう法律です」
公平「農地の耕作放棄地対策には見受けない行政の執行があります。わたしの家も山を持っていますが、認識していませんでした」
将太「法律が経営にどう影響するか、それを察知するのは普通は無理でしょ。通知や通告を受けてはじめて知る」

公平「でもこの改正によって自治体と森林組合は仕事がやりやすくなる」
将太「自治体と森林組合が大歓迎でしょうが、林家あっての山だと思います。林家がますます追い込まれる。その中で山が良くなるとは思えない」
公平「・・・・・・・・・」
将太「住民の福祉の増進を図ることが地方自治法が規定する自治体の役割ですから、この改正森林法のもとでどう林家を守るか、ここはよく考えないといけないとわたしは思う」
公平「松本課長は占部林業の経営建て直しを考えているでしょ。何をしようとしているのか。彼は改正森林法を当然、知っていると思うから、何をしようとしているのか。まず彼に聞きましょう」
将太「そうですね。この問題はそうしましょう。次に」といって、将太は別のファイルを取り出した。町がどうなっているのか、手がついていない問題はいっぱいあった。