検証・電力システムに関する改革方針

「自然エネルギーですべての電力をまかなう町」の第2部です。

ビールでなくコーヒ 連載小説92

2012年09月01日 | 第2部-小説
 玄関で松本の声がすると公平は「ここだ」といっただけで玄関に出迎えに向う気配はみせなかった。するとまもなくラフな夏服に着替えた松本がハンカチで汗を拭きながら現れると「「暑い、暑い。冨田さん今日は、お疲れ様でした」といいながら、まるで我が家のように空いている椅子に腰かけた。
公平「今日は大丈夫だろう」
「もちろん。帰りは迎えにきてもらう」
松本は飲む体制をすっかり整えていた。
「京香さんはどうした。具合悪いのか」

「いや、もうくるだろう」といったとき京香が涼しい顔をして現れた。
「今日も京香さんの話をいっぱいききましたよ。ごくろうさまです」
「たいしたことしてないのに、大げさすぎますよ松本さんは」と京香はやんわり応え、冷蔵庫に向うと「冨田さんはキリンですか、アサヒですか」と聞いた。
 その言葉が終わる間もなく松本が「いや、ビールはあとにしましよう。まず用件をすませないと」といった。
「えつ、そんな大変な用件で課長さんはこられたの?」と京香は聞き返した。
「今日は、大平さんと京香さんにご相談したいことがあってきました」
「そうですか、じゃ、コヒーにしましょうか」
 京香は、ガスコンロに立つと、湯をわかしはじめた。