検証・電力システムに関する改革方針

「自然エネルギーですべての電力をまかなう町」の第2部です。

私欲を超え、町再生へ 連載小説103

2012年09月14日 | 第2部-小説
  「長老たちは自分がまとめる。町政にしがらみがない人物こそ、いま、この町に必要だと思わないか。ここは私欲を超え、町を再生させる大所高所からこれまで町政を運営してきた者が一致団結して礎になる。町の人間がまとまれば、この町、捨てたものじゃない。宝がいっぱいあると思わないか」
 そんなことを話す町長は生き生きしていたと松本は振り返っていった。
「その条件を満たすのは大平公平さんしかいないと松本さんは考えたわけですね」と将太はいった。
「その通りです。わたしの知る範囲、公平しかいません。家柄、学歴、経歴、町に対する思い。それに奥さんの評判など総合的に検討・評価して、自信をもって町長に推すことができるのは公平だけです。だから公平、覚悟しろ」
 松本はきっぱり言い放った。その言葉に町再生にかける松本と町長の本気度が包まれているのが将太によくわかった。

「わかった。すべてをお前にまかせる。冨田さんからもそうしろといわれている」
松本「京香さん、公平が承諾してくれたことを町長に知らせたいのだがいいか。じいちゃんとばあちゃんにはまだ了解してもらっていないことはちゃんと伝えるから」
「いいですよ。どうぞ。結構ですよ」
 京香は苦笑いをしていった。顔に笑みがこぼれていた。
 松本はあわただしく携帯を取り出し、電話をかけた。松本がこの人選にいかに思いをかけ、町長もいかに期待していたかわかるものだった。