検証・電力システムに関する改革方針

「自然エネルギーですべての電力をまかなう町」の第2部です。

町政改革のポイントつくりへ 連載小説104

2012年09月15日 | 第2部-小説
  次期町長選に公平が現町長後継候補になることを受諾するといろいろなものが一気にうごき出した。
 将太と公平は松本から占部町の各種資料を渡された。1カ月後、大滝町長も入った町政改革のポイントを町長宅に集まって話し合うことになっている。ポイントは予定候補になる公平がどういう町づくりをしたいのか、意向を尊重する意味で公平がたたき台をつくることになった。とはいえ初めて体験することである。資料はインターネットを利用して送受信することになったので欲しい資料は松本にいえば、すぐ用意する。しかしそれを読み取り、問題を組み立てるのは1人では無理だ。それに公平は会社を辞めていない。時間を十分とれる将太が張り付いてサポートすることにした。

 松本から将太にミカン箱大で3箱の資料が届いた。いずれも公表資料だが議会、各種委員会、審議会議事録と各種の調査報告書で2箱を埋めていた。将太はその資料を本棚整理して確保したスペースに並べた。1つの書棚が上から下までびっしり埋まり、改めて役所仕事の緻密さと高い実務処理に感心した。役所の職員はこの仕事をするために働いているといって過言でない。それは別の見方をすればこの資料をつくるために町予算の多くが使われているといえる。多くのお金をかけて日々作り出す、この資料がどれほどの人が読み、活用されているのか。ふとそんな疑問が頭をよぎる。
 しかし議会議事録をはじめ、各種議事録は占部町の各分野で何が評価され、問題になっているのか凝縮されている。将太は朝から晩まで議事録をよみふけり、これはと目に止まった頁に付箋を貼った。
 10日ほどで読みきると占部町で何が取り組まれ、何が問題になり、どうしようとしているのかが浮かび上がった。