検証・電力システムに関する改革方針

「自然エネルギーですべての電力をまかなう町」の第2部です。

町改革の基本 連載小説107

2012年09月19日 | 第2部-小説
 将太「大平さん、町改革の基本はどこにおけばいいでしょうかね」
公平「考えているのですが難しい。あれもこれもじゃだめですからね」
将太「大平さんは先ほど、働ける場所をいかに確保するかといったでしょ。そこが一番大切なところじゃないでしょうか、資料を読むと町はいろいろ手は打っているがこの3年間、開業・開店した事業所はありません。それどころか廃業で事業所数は減っています。廃業数の1位は建設・土木、次にサービス業です」
 将太は松本が送ってきた資料を広げ、その箇所を公平に見せた。資料を手にした公平は「占部町で一番多い事業所は建設・土木です。その事業所が少なくなっているのは矢張り公共事業が少なくなっているからでしょね」といった。
将太「現象としてはそうですが大切なものがこの資料に載っていないと思いませんか」
公平「大切なもの?」

将太「林業ですよ。林業はこの「その他」に含まれていると思いますが占部町でもっとも多数を占める事業家は林家です。2012人の町民の中で、270人の林家がいます。この人たちがかつて町のにぎわいをつくった人たちです。恐らく家族ぐるみで一生懸命働き、蓄えたお金で山を買い続けたのではないでしょうか。その思いは子孫の繁栄、家が代々栄えることを願ってだと思いますよ。山で多くの人が生きてきた。それがいま見る影もない。でもなんとか山がよみがえって欲しいと思っている。その思に光をあてる。これを町おこし、町振興の基本にしなければいけないと思いますがいかがでしょ」
公平「それは確かに、そう思いますが難しい問題ですね。木は売れば売るほど赤字ですからね」
将太「だがそこを突破しない限り、町の再生はないんじゃないですか」
公平「確かにそうですが、うん」
 公平はうめき声を上げ、腕組みをすると黙った。だが公平は策を考えているだと将太は思った。