「ユダヤ人、ゲイ、ジプシー、元精神障害者が上司に? 冗談でしょ」 ポーランド Gazeta news 2007/11
Gazeta's new poll
ガゼッタニュースの投票。ポーランド人の不寛容にようこそ!
我々は投票による見えない偏見を探ってみた。直接は聞けない質問だが、ポーランド人の大半が上司として受け入れられるのはどんな上司だろうか。これはいわゆる投影法という方法である。人々は自分の見方を多くの人の見方に照らして判断するものだ。
他の人を受け入れられるか一般的な質問をするよりも、他の人たちが我々に何をするべきを話してくれるかを聞いてみることにした。深く大きな不寛容さが明らかになった。
女性が仕事で目に見えない障害に直面するとしても、女性が上司であることには90%の男性と女性が問題ないと考えた。上司が女性であるということは何の問題にもならないようだ。
しかし、もし上司が車椅子に乗っていたらどうかという質問では、31%の人が受け入れられないと答えた。もしその上司がエレベータで動けなくなったり、縁石にはまったりして助けを求めたりしたら、職場での威厳は崩れ落ちてしまい、会社にとって戸惑いとなる。
上司の宗教は個人的な問題のように思える。個人の自由にさせようではないか。しかし、ポーランドでは少し事情が違う。
回答者の75%は(これは2番目に最も受け入れられる上司となるが)、自分がカトリックであることを前面に出している上司(例えば仕事中にロザリオを祈っているとしても)を受け入れられるとしている一方で、41%の人のみがエホバの証人の上司を受け入れられると答えており、無神論者もそれほど高くはない。
たとえそれを前面に出して実践していても、カトリックの信者であることはいまだにポーランドでは、職場において大きな利点となる。
73%の回答者は、アメリカ系ポーランド人を上司として受け入れるそうだ。アフリカ生まれのポーランド人はどうだろうか。その場合は45%ほどが一緒にやっていけるに過ぎない。
ローマ人やアラブ人たちにとってはさらに状況が悪くなる。回答者の75%はそれを受け入れることはできないそうだ。
上司がアメリカ生まれの女性だったらどうだろうか。彼女が白人でカトリックだった場合に限って受け入れられる。しかし有色系だったり黒人だった場合は論外だ。
しかし、すべての白人が受け入れられるわけではない。もしわし鼻だったりするとすこし面白いことになる。我々の半数はユダヤ系のポーランド人は受け入れられない。受け入れられたとしても、その上司は我々ポーランド人と同じようにユダヤ人が忌避する食べ物でも特にこだわない、浅黒い肌の男だろう。我々はよく、ポーランドにおいての反ユダヤ主義は静まってきていると言う。Jedwabne(ポーランド人によるユダヤ人虐殺事件)以降は特にそうだが、しかし相変わらず偏見は存在している。ユダヤ人の上司は明らかにありえない。
同性愛者への割合は本当に低いものだ。わずか16%のポーランド人がゲイの男性と女性を上司として受け入れられるに過ぎない。
私たちは、同性愛者についての沈黙の掟をこれまで書いてきた。「あなたの頭を突き出させるな。そうすれば迷惑をかけることはしない」。これはフーリガンから「ホモをガス室に送り込め!!」などと罵倒されることを防いできた。大統領が述べたように、「同性愛者たちを公式に推奨することはない。しかし彼らが同性愛者としてではなく、一市民として自己を表現するのならばそれを禁じることはしない」
投票は単なる沈黙の掟以上のものが我々にはあることを示している。それは敵意と排他的な精神だ。当時教育大臣だったGiertych氏が、中央教育訓練施設の長を解任したときのことを覚えているだろうか。長は、学校が同性愛者の団体の代表者を学校に招いて、寛容についてスピーチしてもらうように提案した教科書の件で解任されたが、とくに抗議などはなかった。
また同氏がヘイデルバーグに国民を代表して反同性愛者運動の施設を立ち上げたときはどうだっただろうか。44%ものポーランド人は「同性愛者の宣伝はヨーロッパで勢いを増しており、すべての若者たちへと影響を及ばしている。これは家庭を弱くしている」というGazetaの投票に同意し、44%は「同性愛者は自然の法をゆがめている」と考えた。
男性が男性に惹きつけられるのが何が悪いのだろうか?女性が女性に恋に落ちることは?彼らが私たちの上司になることは出来ないことだろうか?最近まで閉ざされた伝統主義的な国だったアイスランドでは、いまではルーテル国教会が同性愛者の結婚を執り行っている。それでもその島は海に沈まずにやっていけているのだ。
では過去に精神病の治療を受けて今では回復した人は何か問題があるだろうか。
周りを見れば、あなたもきっとそのような人を知っていることだろう。私はかつて精神病棟で働いたことがあったが、患者としてきた成功者や有名人たちに会った。治療を終えて彼らは自分たちの仕事へと戻っていった。
しかし93%ものポーランド人が精神病はどこまでいっても精神病だと考えている。こうした人々は黒人やユダヤ人、ローマ人や同性愛者たちさえよりも上司としての立場には向いてないと考えられている。
同様の態度が元受刑者にも向けられている。わずか14%のポーランド人のみがこうした人が他の人の上に立ってもいいと考えている。
さらにもうひとつ耳の痛い話だが、4分の3の回答が、70才以上の人が上司になることを受け入れられないとした。
これはめったに語られない偏見かもしれない。年をとりすぎている。出来やしない。私はただこれらの投票の結果がレオ・ベーンハッカーへのあてつけにならなければいいのだがと願う。
/// ポーランド人が上司として受け入れられるかのアンケート ////
はい いいえ
女性 90 10
カトリックであること公言している人 75 25
アメリカ生まれのポーランド人 73 27
車椅子の人 70 30
無神論者 57 20
アフリカ系ポーランド人 53 47
ユダヤ系ポーランド人 52 48
エホバの証人 41 59
70才以上の人 28 72
ローマ系ポーランド人、ジプシー 27 73
アラブ系ポーランド人 23 77
ゲイ・レズビアン 16 84
元受刑者 14 86
元精神病者 7 93
※ まあどこも本音ではそうなんでしょうけど、人種が絡んだ差別意識は強いものがありますね。日本人などはどのくらいに位置するんでしょうか。あと数ある宗教の中でエホバの証人が入っているのが興味深いですね。それほど認知されているということなのかもしれません。