ニュースの中のJW

WEB上のニュースや新聞などで扱われたエホバの証人のニュースを取り上げます。シリアスな話題から笑えるニュースまで。

ブルックリン - 協会の建物を巡る駆け引きの裏側 2

2011-09-28 21:23:33 | 組織
前回の記事では、ブルックリン・ブリッジ・パークの年間維持管理費を巡り、ものみの塔協会が建物を売却した後、新たな入居者からの税収を当てるという案が浮上していることを取り上げました。

協会の資産売却の税収を当てにした案に言及したブリッジパークの予算書を見る機会がありましたが、マンションを建てるのか、それとも協会が建物の売却に合意したのかといった新しい動きは特にないようです。水面下ではいろいろと動いていると思いますが・・・。

その後、8月19日付けのブルックリン・ペーパーには、一連の記事について読者から編集部へのコメントが載せられていました。そのうちの二つを紹介します。

・編集部へ

ブルックリン・ブリッジ・パークの維持管理費を支出するプランについてのあなた方の分析は、重要な事実を浮き上がらせていました。そのプランによると、ものみの塔協会の「ふさわしい」建物は、2013年12月31日までに販売されなければなりません。

もし売却されたとしても、現在住宅地区ではないところにある10の建物のうちいくつが、最終期限までに新しい持ち主に手渡されるでしょうか。

また私は、あなたがものみの塔協会と、協会が最も高く入札する人に譲渡する権利に対して非難していたことに、強く反対します。非課税の宗教団体として、協会は他の大きな宗教や小さな宗教と同じ権利を有しています。トリニティ・チャーチがマンハッタンに所有している広大な不動産を販売したとしたら、あなたは今回と同様の立場を取るのですか?
(アスーラ)

・編集部へ

ブルックリン・ブリッジ・パークに関する貴社の記事を読みました。そして、ものみの塔聖書冊子協会について、幾つかの情報をどうしてもお知らせしたいと思いました。

最初に、協会が所有しているお金は、エホバの証人からの直接の寄付です。私たちはそれを出版と流通のための実際のコストに支払っています。また、毎年何億時間も費やされる聖書教育や読み書きの訓練、災害の救助活動(証人たちの家屋に限りません)のために支払っています。

協会は、ブルックリンで多大な貢献をしてきました。世界中から協会へ常に観光客の流れがあります。各地で開かれる地域大会は大きなお金を落とします。それらの建物や施設を常に改修・管理するために協会が支払ってきた費用や時間やエネルギーは言うまでもありません。最後に、協会が税を払っていないのは、他の多くの非営利団体と同様のことであります。

私の個人的な意見として、もし協会が建物を売却せずにそのまま所有するとしても、それはそれでいいのではないかと思います。
(キャロライン)

おそらく、この2人の方はエホバの証人ではないかと思います。その他の方のコメント見てみますと、マンション建設に絡んだ雇用の話や、酒類販売許可申請、自転車の乗り入れの危険など様々な話題が出ています。人々のコメント見ていますと、多くの人は、あまりエホバの証人に敵対的な意見を述べてはいないように感じます。「40年以上前からエホバの証人は、他の人たちが投資価値がないとみなしていた建物を購入して、自分たちで資産価値を高めてきた。今になって、不動産を買い叩いてきたと非難したり、追い出したりするのはおかしい」といったコメントや、「そもそも税不足の問題に陥った市政に問題があるし、宗教への非課税が問題なら、彼らを非難するより、政治的な問題としてきちんと決着をつけるべきだ」といったコメントも見受けられます。長年、ブルックリンの住人としてそこにいる訳ですから、その存在は良くも悪くも当たり前のものと受け止められているのかもしれません。

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さて、9月16日付のニューヨーク・タイムス・CityToomBlogには「エホバの証人が一等地の物件を売りに出す」という記事が出ました。協会はブルックリンにある建物を着々と処分していますが、その詳細はどのようなものでしょうか。これまでに売却した、あるいは売却中の代表的な物件を以下に挙げます。

■2004年 sold 発送用ビルディング(ファーマン通り360番): $205 million (約200億円)


過去の協会の資料によると、この12階建ての建物は1983年に購入されました。「ブルックリンでは,聖書や聖書文書の発送が,ファーマン通り360番地にある,広さ約9万3,000平メートルの建物で行なわれてい」たとのことです。- 塔86/1/1 P17 (目87/8/22 P16-18に詳しい記事がある)

■2006年 sold 宿舎棟 (リビングストーン通り67番) : $18.6 million (約18億円)


「協会は1989年春に,建設したばかりでまだ内装の済んでいないリビングストン通り67番の建物を購入しました。ものみの塔の中央事務所から歩いて15分ほどのところにあります。29階建ての細長い建物(ニックネームSliver,“細長い小片”の意)で,約150人のベテル奉仕者を収容でき,1990年の半ば過ぎから入居が始まりました」- 鑑1991年 P10


■2006年 sold 詳細ないがおそらく宿舎棟 (ヒックス通り89番地) $14 million (約14億円)


■2007年 sold スタンディッシュ・ホテル 宿舎棟(コロンビア・ハイツ169番)$50 million(約50億円)


「スタンディッシュ・ホテル ベテルの建物群に加えられた二番目に主要な施設は12階建てのスタンディッシュ・ホテルで,通りを少し下ったコロンビア・ハイツ169番にあります。ブルックリン・デーリー・イーグル紙は,ニューイングランド初期の著名人,マイルズ・スタンディッシュにちなんで名づけられたこのホテルの建設について,1903年に次のように述べました。「その環境,そしてそこから展望できるイースト川と周辺の興味深い地点の無類の景観からして,選ばれた場所はホテルにとって理想的な所であると会社は確信している。また,この国で最も仕上げと設備の見事な建物の一つを建設する意向である」。このホテルはその後まもなく開業しましたが,1970年代には甚だしく老朽化が進みました。1980年代の初めにコーハイ・タワーズ協会がこれを購入し,ベテル家族を収容する付加的な住まいを備えるという目的で,間もなく徹底した改装工事が行なわれるようになりました。改装工事は1986年に完了し,1988年にはものみの塔協会がスタンディッシュを購入しました。この建物は140人のベテル家族と,引き続きそこに住んでいる,初めからの居住者およそ25人を収容しています」- 目89/4/22 P24-25

■2008年 sold ボサート・ホテル 宿舎棟 (モンターギュ通り98番):当初メディアによると$100 million(100億)以上の価値と言われた。実際の売却価格はそれを下回ったと言われている。


「ボサート・ホテル ベテルの建物群に加えられた三番目に主要な施設は,モンタギュー通りにある12階建てのボサート・ホテルで,スタンディッシュから歩いて5分もかかりません。1909年に200の部屋をもって開業し,ブルックリン最良のホテルという評判を取りました。全体の建築様式は15世紀のイタリア・ルネッサンス風でした。
1914年には175部屋が加えられ,2年後には個人用ヨットのプロムナード・デッキに似せた屋上レストランが加えられました。「景色を楽しむのに,ここに匹敵する場所は市内のどこにもなかった。公職にある要人,芸能界とスポーツ界の名士たちがこのマリン・ルーフにやって来た」と,1949年のブルックリン・デーリー・イーグル紙は伝えています。上方の階の泊まり客はもとより,食事の客たちも,ニューヨーク港,ガバナーズ島,自由の女神像,ニュージャージー州の岸,そしてマンハッタンの南端を一望できる景観を楽しみました。やがて,かつては豪華だったこのホテルも,時の経過と共に,また手入れを怠ったためにみすぼらしくなり,1983年にコーハイ・タワーズ協会がこれを購入し,全面的な修復計画が開始されました。それから1988年にものみの塔協会がボサートを購入したのです。現在は,約270人の家族を収容していますが,以前からの居住者も40人ほどそこに住んでいます。

この修復作業には,すべてのドアと窓の交換,水道,暖房,電気設備全体の交換が含まれていました。業務用エレベーターも1台新たに取り付けられ,今は元からあった3台のエレベーターのうち2台が修理中です。幾つかの舞踏場は作り替えられて三つの広々とした食堂になりましたし,地下の厨房は,内側をすべて壊して直し,そこに最新の設備が設置されました。ホテルの部屋はすべて改装され,ロビーは,その特性を保ちつつ,元の状態に戻されました。その工事の中には,大理石のような柱の破損したものを,今では一般に見られなくなった技術を用いて修復することが含まれていました。

外では,建物全体が洗われ,れんが工事の修理が行なわれ,装飾的な石細工のかなりの部分が再建されました。清掃と修理と修復の仕事に従事したのは,米国全土からやって来た何百人もの自発奉仕者たちでした。それらの人々は一度に1週間以上,自分たちの時間と才能を提供しました。ここボサートの屋上で撮った写真に写っていますが,証人である39人の若い女性の一団が,何か月も足場の上で働き,ホテルの外側のれんが建築の修理を行ないました」- 目89/4/22 P25

注 --- 同じ1989年4月22日号の「目ざめよ!」によると、この時期ブルックリン・ハイツにはべテル家族が住む20の建物がありました。そして、そのうち幾つかの建物は地下道で連結されており、自由に行き来が出来たようです。このように書いてあります。「ブルックリン・ベテル家族は現在,ルックリン・ハイツにある合計約20の住まいに住んでいます。どの住まいも,少し歩けば着く距離にあります。事実,タワーズ,コロンビア・ハイツ124番,コロンビア・ハイツ107番,そしてコロンビア・ハイツ119番には合計約2,000人の家族が収容されていますが,それらの建物は地下道で連結されています。コロンビア・ハイツ97番の新しい建物も,近い将来に地下道で連結される計画があります。しかしボサートとスタンディッシュはこれらの建物から離れ過ぎているので,通りの下に地下道を造って連結することはできません」

日本支部などは一つの敷地内にホーム棟も工場もすべて入っており、基本的にそこの中で一つの世界が出来ていますが、ブルックリン・べテルはいわば一般の住宅地の中にべテルの成員のアパート・宿舎があり、毎日職場(べテルの自分の部門のある建物)まで通勤しているような状態だった訳ですが、すこし不思議な感じがしますね。

■2007年以降に売りに出された5つの物件

これらの物件については2011年9月16日のニューヨーク・タイムス・CityToomBlogによると、引き続き販売中となっています。

■宿舎棟 on sale 13部屋 コロンビア・ハイツ通り183番:$7.65 million(約6億円)


■宿舎棟 on sale コロンビア・ハイツ通り161番:$3.45 million(約2.8億円)


■宿舎棟 on sale コロンビア・ハイツ通り165番:$4.5 million(約3.5億円)


■宿舎棟 on sale ウィロウ通り105番 $3.60 million(約3億円


■宿舎棟 on sale 20部屋 オレンジ通り34番:$7.35 million(約6億円)



ものみの塔協会の建物の特徴として管理状態がとても良い点があります。2008年にボサート・ホテルを売却した時に、ブルックリン・ハイツ協会のジュディ・スタントン会長は「証人たちは建物を維持管理する点で素晴らしい仕事を行ってきた」と述べました。またブルックリン・メッセイ・カナカル・リアリティのテモテ・キングは「ブルックリンの中で、最も特徴的、また最も良く管理されている資産の一つである。ものみの塔協会という組織は、申し分のない管理の水準を持っていることで知られており、ボザートホテルにその手入れのレベルが反映されている。新しいオーナーにとっては、これだけ細かいところに気を配ったレベルを保って建物を管理することは、大きな挑戦だろう」と語りました。どの記事で見たか忘れましたが、協会の建物の状態の良さは、不動産業界では良く知られており、ものみの塔協会が所有していた物件であることが、販売する際のいわば一つの売り文句として使われていました。

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さて、いくつかの情報によると、これらの資産の売却は、ものみの塔協会が北部ニューヨークへと本部機能を移転させていることに伴なう動きであると言われています。それはいったいどこでしょうか。ウォールキル?それともパタソン?それとも・・・??

次の記事では、この辺を詳しく取り上げたいと思います。

かつてないレベルに達しているエホバの証人への攻撃 - ロシア

2011-09-19 20:54:26 | 迫害・反対
9/14,16にリリースされた公式メディアウェブサイトからの記事2本です。ロシアおよびタジキスタンにおけるエホバの証人への弾圧がひどくなっています。
共産党による支配の終焉によって、人々が享受したかに見えた信教の自由ですが、政党・統一ロシアの支配の下、いったいどこに向かっているのでしょうか。

■ロシアのエホバの証人への攻撃は、かつてないレベルに達している
 JW Media - 2011/09/14

・ソビエト連邦時代を彷彿させる、当局の宗教的不寛容と嫌がらせ

ロシア・チェボクサルイ - ソ連が崩壊して以来初めてのことだが、ロシアの市民であるエホバの証人たちは、現在、罪状なしで逮捕され拘留させられている。さらに、証人たちの崇拝の場所や自宅への不法な家宅捜索が、宗教的な不寛容と嫌がらせをやめるようにとの国際社会の要求にも関わらず続いている。

2011年9月7日には、チュバシュ共和国の3人の地元のエホバの証人が、罪状なしで逮捕された。ファリド・マナフヴ(38)、オレグ・マルチェンコ(31)とアレクセイ・ニコラ(38)は警察によって、見知らぬところへと連れて行かれた。次の日になって、親族は彼らが一時的収容所に拘束されていることを知った。彼らは二日間拘留された。彼らと他の証人たちの家が家宅捜索を受け、聖書やコンピューター、法的書類や個人の貴重品が没収された。ある家の捜索は6時間以上にも及んだ。

同じ9月7日に、チュバシュ共和国で行われた幾つかのエホバの証人の集会が妨害を受けた。証人たちに対してよく計画された攻撃らしきものが起こり、警察官が王国会館に侵入してきた。、チェボクサルイ、ノヴォチェボクサルスク、カナシュでも同様のことが起きた。平和的な集会が妨害されただけでなく、出席者たちは強制的に警察署へと連行され、彼らの意思に反して指紋が採られた。上級の警官たちがこの家宅捜査に参加した。

モスクワでの、証人たちの活動への不法な禁止命令は別にして、チュバシュ共和国でのこの出来事は、20年近くに及ぶロシア連邦の発足以来、証人たちに対する最も激しい公式の弾圧であるとみなされている。

ロシアのエホバの証人管理センターの代表者ヴァシリー・カリンは、「罪状なしで無実のクリスチャンたちを刑務所に送り込むという、旧ソ連時代の方法をロシア当局が用いていることが信じられません。こうした宗教的に不寛容な弾圧には何ら根拠がなく、即座に止めるべきです」とコメントしている。過去数年にわたりヨーロッパ人権裁判所はロシアに、エホバの証人である市民への権利の侵害を終わらせ、ロシアの証人たちへの弾圧を止めるようにと命じている。

■聖書を読んだために、身体障害のある男性が逮捕され、打ちたたかれて追放させられた。
 JW Media - 2011/09/16

タジキスタン・ドゥシャンベ - 国家保安委員会とドゥシャンベ警察本部の捜査官たちが、個人のアパートで開かれていた平和的な集会に踏み込んだ。2011年7月22日のことである。捜査官たちは証人たちの個人の所持品を捜索し、すべての宗教的文書を押収し、大声で怒鳴りつけた。エホバの証人たちが個人で集まるのは違法であるとのことだった。

アパートメントの持ち主である母親と2-13才までの4人の娘たちは警察署へと連れて行かれ、そこで7時間もの尋問を受けた。彼らが解放された後、4人の娘たちは、起きたことに対するトラウマのため治療を受けなければならなかった。

その集会にいた2人の男性は、警察と国家保安委員会(公安)に拘留され、20時間以上もの尋問を受けた。その内の1人はシェルモッド・ラヒモフ(24)で、彼は障害のため松葉杖なしでは歩くことが出来なかったのであるが、15人もの警官に囲まれて、信仰を捨てるように圧力をかけられて何度も殴られた。その日から彼は、重度のめまいと頭痛また吐き気に何日も悩まされた。警官たちは、彼がウズベキスタン人であることが分かると、彼を無実の罪で訴えて、電気イスに送り込んでやると脅した。

ラヒモフは、法律に従って、母親と兄弟たちと共にタジキスタンに2009年より住んでいる。逮捕に先立って、彼はビザ(滞在のための査証)の更新を申し込んでいた。しかし、国家保安委員会(公安)は彼のパスポートを差し押さえ、その有効期限が過ぎるまで返さなかった。そのため彼は、作られた違反のために有罪とされた。ビザの更新を有効期限内にしなかったことと違法な宗教活動という罪である。その結果、ラヒモフは2011年8月17日に、ウズベキスタンに国外追放された。

地元当局によるこうした宗教的な不寛容は、集会と宗教の自由を保証するタジキスタンの憲法と、タジキスタンによって批准された国際条約に反することである。

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ロシアを含む一部東ヨーロッパではかなりの数の事件や嫌がらせが起きています。協会のサイトではその一覧を地図から場所ごとに見ることが出来るようになっています。グーグルのWeb翻訳を使って日本語で見れますので、ご覧下さい。ピンの場所が事件の起きたところです。カーソルを合わせると事件の内容が右のフレームに表示されます。個々の出来事がかなり詳しく記録されています。
ロシアにおけるエホバの証人の嫌がらせや虐待

ちなみにロシアでは、ロシア専用の協会のウェブサイトが用いられています。
これを、GoogleのWeb翻訳をかけて日本語にして見ます。
ロシアものみの塔協会公式サイト 日本語

サイトの内容はロシアでの証人への弾圧のニュースが多いですね。
エホバの証人の歴史のページでは、協会のサイトには珍しく、外部へのリンクがいくつかあります。「ホロコースト博物館」や「ロシアの政治的弾圧の犠牲者の追悼の日」などへリンクされています。また、ロシアの兄弟たちの経験談のコーナーもあります。「ロシアのエホバの証人」はロシア語のPDFファイルによる紹介ブロシュアーですが、言葉はわからないものの、内容が充実してるのが分かります。

ビデオ紹介のページでは、社会福祉への貢献というコーナーがあって、「春の大掃除・良き伝統」と題がついたビデオがあります。説明によると「2011年4月の終わりには、エホバの証人は、サンクトペテルブルクの毎年恒例の春の大掃除に参加しました。 10年以上忠実に、積極的に道路のリゾートエリアに秩序をもたらす活動に参加する地方行政の招待に応えてきました。 我々は、現場からの短いビデオを提供します」とのこと。見てみたいですね。

ブルックリン - 協会の建物を巡る駆け引きの裏側 1

2011-09-12 22:16:32 | 組織
ものみの塔協会が最初にニューヨーク・ブルックリンの建物を購入したのは1908年のことでした。もともとは、ニューヨークから西に500Kmほどの距離にあるアルゲーニー(ピッツバーグ)に「バイブル・ハウス」と言われた協会の本部がありました。「ふれ告げる人々」の本によると、ニューヨークに移ったいきさつは次のように書かれています。

新聞伝道に弾みがつき,聖書研究者たちは,訓話を作って送り出すための別の場所を探しました。なぜでしょうか。アレゲーニーのバイブル・ハウスが手狭になっていたからです。また,ラッセルの訓話をもっと有名な大都市から送れば,さらに多くの新聞に訓話を載せることができるという考えもありました。しかし,どの都市がよいでしょうか。「ものみの塔」誌(英文),1908年12月15日号はこう説明しています。「我々はすべてを考慮した上で,神の導きを求めた後,中流階級の人々が多く住み,『教会の都市』と呼ばれるニューヨーク市ブルックリンこそ,そのような理由で,我々が残された数年間に行なう収穫の業の本拠地として最適の場所であると結論した」。 (JV-P59)

1908年に、当時、協会の法律顧問だったジョセフ・F・ラザフォードを含む数人の代表者がニューヨーク市に派遣され、二つの物件を買い取りました。

こうして、ものみの塔協会はブルックリンにその活動の拠点を移し、以後100年に渡って世界本部としてその機能を拡大してきました。

1960年代の終わりから、ニューヨーク州ウォールキルの農場で印刷施設や宿舎棟が建設されました。長年雑誌の印刷はウォールキル、書籍の印刷はブルックリンで行っていましたが、2004年には、米国における印刷,製本,発送の機能がすべて,ウォールキルに移りました。
また、1980年には、更なる必要を見越して、ニューヨーク市に比較的近く,主要道路への交通の便も良い,250ヘクタールほどの土地を探す仕事が始まりました。1986年から、その土地パタソンで建物の建設が始まり、現在そこはものみの塔教育センターとして知られています。法律部門、奉仕部門、翻訳部門、アート部門などはすでにパタソンに移動しています。

ものみの塔協会(ペンシルバニア州ものみの塔聖書冊子協会)は、2006年にはブルックリンに約40の建物を所有していましたが、売却を進めて来ました。ザ・ブルックリン・ペーパー紙によると、現在でも30ほどの物件を所用しているとのことです。

さて、前置きがかなり長くなりましたが、今回の記事は、引き続きブルックリンに残る協会の建物を巡っての話です。

ものみの塔聖書冊子協会の本部がブルックリンから移転することは、以前から度々話題となっており、移転先の当局と交渉がもたれているとの情報もありますが、その時期は定かではありません。

そんな中、ブルックリン地区にあるブルックリン・ブリッジ・パークの維持費に年間1600万ドルかかっていることが問題になっており、公園の一角に高層高級マンション数棟を建てて、そこから入る税金でこの維持費をまかなおうという計画が持ち上がります。しかし、このマンション建設に反対する人も多くいます。そこで、ニューヨークのスクアドロン議員が目をつけたのが、ものみの塔協会の所有する土地・建物です。現在協会の施設に対しては税金がかかっていません。宗教団体への税が免除されているからです。この建物群を協会が売却し、新しい入居者からの税が入り始めるならば公園の維持費をまかなうことが出来て、マンションを建てずに済む事が出来ると言う訳です。そして、この計画はすでに市の合意を得ています。

このニュースを何度も取り上げている地元紙、ザ・ブルックリン・ペーパーの記事を追ってみましょう。

■2011年8月3日 ブルックリン・ブリッジ・パークの計画の説明

ブルックリン橋公園のビルディングと維持管理への計画が明らかにされた。少し複雑なので、分かりやすく説明しよう。

- なぜ、スクアドロン上院議員とミルマン女性議員はこの計画を歓迎しているのか

議員たちは、高級マンションを公園に作らずに済む可能性があると述べている(かつては、公園の膨らんだ維持管理費をまかなう唯一の方法と見られていた)。何故なら、現在非課税となっているものみの塔協会の土地・建物から将来的に入ってくる税収を、学校や警察といった通常の予算計画ではなく、公園の維持費として使うことを市が承認したからだ。もし、すべての協会の資産が売却されて税が入ってくるならば、第6埠頭公園に高級マンションを建てる必要がなくなるだろう。

- かなり大きい話だが・・・

その通り。そして、それには期限がある。もし、協会の資産が2014年までに売却されなければ、市は議論の対象となっているマンションの建設に動くだろう。

- まだ住宅区画にもなっていない(現在、協会の建物がある場所は商業区画となっている)建物なのに、2014年が売却期限というのは時間が短いのでは?

確かに。しかし不動産の専門家は、大きな建物は2,3年かかるかもしれないが、小さな建物はもっと早く売れるだろうと考えている。

- 政治家たちは、いわばたなぼた的な、彼らがコントロール出来ない巨大な収入を当てにして、問題を先送りしているように感じるが?

そうかもしれないが、スクアドロン議員が当選したのは、一部には公園内のマンション建設に反対するという彼の約束のためである。それで、少しでも計画を削ったり、あるいは撤回させられれば彼の勝利となる。たとえ、彼の政敵側から、予算をニューヨークの下層や中流層から上流層の住む立派な公園のために流していると非難されてもである。


■2011年8月11日 「ものみの塔」計画の勝者と敗者

ものみの塔の(早期に売却されるであろう)資産からの税収を、ブルックリン橋公園の年間維持管理予算に使うという市の合意は、史上最大の不動産詐欺にも、あるいは健全な市の政策ともなり得る。しかし、どちらにしても、多くの勝者と敗者を産み出すだろう。

- 勝者

・ものみの塔聖書冊子協会:エホバの証人としても知られるこの宗派は、現在所有している30以上の資産を、市が(現在商業区画になっているものを)住宅区画に変更するなら大儲け出来る。

・ブルックリン・ハイツ:金持ちの上流階級である高級住宅街の住人たちは、この素晴らしい公園を新しいマンションを受け入れることなく手に入れることが出来る。

・ダニエル・スクアドロン:ブルックリン・ハイツのこの上院議員は選挙時の公約を果たし、公園内のマンション計画を撤回させられる。そして、この計画が失敗しても、非難されることはないだろう。



- 敗者

・建設業者:建設業界の有力者たちは、新しい高級マンションを第6埠頭公園に建設したがっている。しかし、市の計画が順調に行けばマンションは必要なくなる。

・次の市長:新しい行政は、ものみの塔の建物が期待通りの税収を生まない場合、引き続き問題を抱えることになる。

・貧しい人々:数百万ドルもの固定資産税 - 通常は図書館、警察、消防、学校と言った基本的な市のサービスに供される - が、区画変更されたものみの塔の建物から、すでに裕福な住宅地域にある立派な公園へと吸い上げられる。

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さて、協会の建物の売却を前提としたこの予算計画。いったいどうなるのでしょうか。その後も、関連記事が掲載されていますので、次回のブログの記事に続きます。


エホバの証人のお役立ちツール 1

2011-09-07 22:24:36 | JWお役立ち系
今日は、久しぶりにニュースではなく、エホバの証人が使うと役立つであろうツールを取り上げてみたいと思います。

奉仕をしている時や集会の時にこんなものがあったら便利なのにと思うことってありますよね?
自分は奉仕の時にパンフレットや雑誌、留守宅用紙などいろいろな書類をコンパクトにしまえるバックがあるといいなと思っていました。また集会や大会でも、ノートを取る時にこんな欄があったらいいとか思いついたりすることがあります。

で、ネットで探して見ますと、やはりそういうニーズに応えている証人たちがいるんですよ。
製品を見ていると良く考えているなと感心するものから、誰が買うんだ?といったものまであります。
まあ、ニーズは様々ですから、いろいろな選択肢があるのはいいことでしょうけどね。

まずはこのショップから見てみましょう。

MJC

フロリダ州のマイアミの近くにある Jehovah's Witnesses 用の製品を販売しているショップです。日本語でもサイトが表示できますので、サイトの上のほうにある「日本語」をクリックしてご覧下さい。

ざっと見ると、2012年ポケットサイズ・スケジュール手帳、2012年しおり、聖書をはじめ各種出版物のブックカバー、奉仕用バック、聖句入り家庭用ポスター、パズルといった製品があります。中でも一番人気はスケジュール手帳のようです。神権宣教学校のスケジュールや重要な日付のページなど付録付きで$3.80は、お買い得でしょう。
こんなものもあります。


医療上の宣言のキーリングフラッシュライト付き $7.00


外国ではいろいろな機会にメッセージカードを渡しますが、ここでも様々なメッセージ付きカードがあります。


長年忠実を保っている方への感謝のカード



忙しい長老たちへの感謝のカード



年度末まで頑張った開拓者へのカード



初めて割り当てを果たした子供へのおめでとうのカード

いろいろなものが売っていて見るだけで面白いショップです。

Ministry Ideaz
カナダのカルガリーの近くの都市コクランにあるショップ。ここも宣教グッズがいろいろ売っていて面白そうです。

しかし、まず非常に気になったのが、「家から家へ」(house2house)というボードゲームです。



これはいったいどんなゲームなのでしょうか・・・。

説明にはこう書いています。

House2houseボードゲームは、家族が楽しみながら学べるゲームです。すべてクリスチャン宣教の分野で使える聖句についての理解を深め、質問に聖書から答えることが出来ます。聖書についての知識を高め、聖書研究の意識を促進させ、論理的な思考を作ります。またこのゲームは家族の絆を深める、意義深い、目的を持って楽しめるゲームです。

なんて素晴らしいゲームなんだろう!

ゲームのやり方がPDFでダウンロード出来たので見てみました。

まず、親を決めます。親はゲーム中に各プレーヤーの得点を記録したり、「論じる」の本から正解を読んだりします。さいころを振ってプレーヤーは進んでいきますが、マスには「文書」「聖書研究」「雑誌」「時間」「ブロシュアー」「再訪問」といったマークがあります。また「未割当区域」や「会話の妨げ」のマークもあります。プレーヤーはそれぞれのマスでカードを引き、質問に答えます。「どのように答えますか」のマスに止まったら、「論じる」の本にある通りに正確に答えなければなりません。

これは一回プレイしてみたいですね。面白いのかどうか分かりませんが、交わりに持っていけば受けることは間違いないでしょう。

これも面白そうです。

「正確な知識」聖書トリビアゲーム ウィンドウズ用



パソコン上でするゲームなんですね。聖書と洞察の本に基づく約3000もの質問があるそうです。質問のカテゴリーは7つ。

1.聖書
2.預言と啓示
3.エホバの証人
4.出来事と事実
5.数字と日付
6.イエスの宣教と生涯
7.名前

いやー、やってみたい。

ゲーム以外では、かばんが気になりました。その名も「開拓者書類かばん」





ポケットがいっぱいあって実に機能的です。値段は$109.99だから安くはないですが、円高のこの機会に買っちゃうのもありかもしれません。


他にも地域大会の主題が刻まれたボールペンが売っていたり、



地域大会専用のノートが売っていたりと



オリジナル商品がたくさんあります。


WPI

最後に紹介しますショップはここWPI。比較的シンプルな作りのサイトはカリフォルニアのウィリアムご夫婦のファミリービジネスとのこと。紹介文によるとご夫婦の息子の嫁はJW五世だそうです。さすがアメリカですね。

ここの売りは、なんと言っても機能と使いやすさを両立した本皮奉仕用バッグ。値段も$60-80とまずまずです。作りも良く考えられていて、すぐ痛みそうな肩掛けベルトとかばんの接合部が丈夫に出来てます。



本皮の出版物カバーも充実しており、いろいろな種類の色と皮が選べます。販売のみならず、革製品の製作を自分たちでしているのかもしれません

ごくごく一部だけ取り上げましたが、こうして見ると、本当にいろいろな証人向けグッズがあるものだと思いました。
自分で使うだけでなく、他の方にプレゼントにしても喜ばれそうです。
皆さんは興味を引かれたものがありましたか?
僕はなんと言っても「House2houseボードゲーム」が一押しです。

ちなみに、2011-12年大会用のノート(英語版)をここからダウンロード出来ます。

特別一日大会
巡回大会

プログラムごとに主題が印刷されてメモが出来るようになっていますので、パソコンで印刷して使って下さい。