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WEB上のニュースや新聞などで扱われたエホバの証人のニュースを取り上げます。シリアスな話題から笑えるニュースまで。

最重要指名手配犯 - 元奉仕の僕 その2 和解金の内訳

2010-04-13 22:43:31 | その他の話題
前回の記事でアメリカで最重要手配犯の一人として追われている元エホバの証人の奉仕の僕のことを取り上げましたが、今日はその続報というか、前回の記事より2年前の2007年の新聞から関連したニュースを取り上げます。ちょうどこの頃はエホバの証人の内部での子供たちへの性的虐待が話題になっていた頃で協会は9件の裁判を抱えていました。協会からの和解金が具体的に書かれています。


「エホバの証人に対する訴えの新たな証拠」 - 2007年11月 NBC NEWS

フレデリック・マクレーンはアメリカの最重要指名手配犯の一人で、カルフォルニア州で17の小児性犯罪の罪に問われている。刑執行側の筋によると、被害者の家族が2004年に問い詰めたところ、自分のやったことを告白したそうだ。しかし逮捕される前に彼は逃走した。

当局によると、彼は10年以上に渡って少なくとも8件の被害者が確定している。一人の被害者は100回以上に渡って性的いたずらをされたと連邦執政局は述べている。副局長のトーマス・マランダはこの56才になる逃亡者を追い続けているが、マクリーンが地元のサンディエゴに近い会衆で、責任ある立場(奉仕の僕)から得られる信頼を利用して犯行に及んでいたと語った。さらに、「彼の会衆内での役割は大きなものであり、それが会衆で彼を被害者に近づけるものとなってしまった」とも述べている。

彼の会衆内での役割はまた法的争いの重要なポイントともなっている。去年、ある被害者の家族たちはエホバの証人に対して裁判を起こした。マクリーンの地元の会衆とものみの塔協会の本部に対してである。ものみの塔協会はマクリーンが小児愛者であることを知っていた、あるいは知るべきだったとの主張である。

最近になってエホバの証人はこの訴訟とその他8件の同様のケースにおいて、自分たちの過失は認めないながらも和解金の支払いに合意した。いずれのケースにおいても子供たちに性的いたずらをしていた男性たちのことを教会側は知っていたと言われている。これらの事件の和解金は秘密とされている。

しかしながら、NBCニュースはマクリーンの裁判での和解金のコピーのひとつを入手した。それは協会側の支払いが潜在的に多額のものであることを我々に教えてくれるだろう。裁判所の記録によると、原告者に対してものみの塔協会は $781,250 (約7000万円)を支払ったとのことだ。原告者は3才から9才になるまでマクリーンに性的な虐待を受けてきたとされている。(裁判費用などを支払った後、原告者が実際に手にしたのは$530,000(約5000万円)と見られている)

被告側の弁護士はコメントを拒否している。

エホバの証人はどの裁判についても特にコメントはしていない。しかし、NBCに寄せられた判決文によると、「これらのケースの被害者のため、我々は喜んで和解に応じます。私たちは、被害者たちが性的虐待のために被った苦しみを心から受け止めております。世界のエホバの証人たちは嫌悪すべきこの犯罪と罪の下に一致して当たっていきます」

(全文も掲載されています。読みたい方がいれば訳したいと思います)

こうした裁判によって明らかにされた内部記録は、なぜ協会側が事件の和解に応じたかのヒントを与えている。記録によると、協会は立場ある成員たちが子供たちを性的に虐待していた事実を知っていたがほとんど何もしてこなかったと述べている。協会は、内部での審理過程(告白を受けて罰を与える)を通して、地元の会衆の長老たちが問題になっているいくつものケースを把握していたと言われている。

一例として、ヘンダーソンはカルフォルニアのレッドブラフで長年に渡って長老だった。そして、連続した性犯罪者でもあった。1994年の手紙を含んだ最近明らかになった記録によると、1970年代にカルフォルニアの別な町でヘンダーソンは教会からの懲罰を受けて責任ある立場を解かれていた。しかし、彼はやがてその立場に復帰した。1980年代には別の教会の内部記録によると彼は少年を性的に虐待していた。しかしそれが「事実であるとは思えなかったので忘れたことに」されていた。

1994年10月までに彼は会衆の主催監督になっていた。会衆内でトップの地位にいたのである。会衆の記録によると、会衆のある被害者の父親から問い詰められ、ヘンダーソンは他の長老たちに自らそのことを告白した。しかし彼は3年前以上前にその少年への性的いたずらをやめていたと言った。この3年という期間は大きな意味を持つことだった。なぜなら、当時協会は、罪を犯したものが三年以上悔い改めれば懲らしめを解除するという方針を明らかに持っていたからだ。

ヘンダーソンの告白にもかかわらず、長老たちはカルフォルニアの当局に通報をしなかった。(1994年の段階で、カルフォルニアの法律では教会関係者が虐待していると疑われる場合の通報が強制ではなかった。1997年にこの法律は修正された)その代わりに、長老団は独自に調査を行った。ヘンダーソンとその妻が休暇で出かけている時である。数週間後、長老たちはヘンダーソンの話におかしな点があることに気付いた。そしてもう一度ヘンダーソンを問い詰めた。ヘンダーソンは被害者を虐待していたのは2年半前であること、また1970年代に犯した同じような犯罪で賠償金をいまだ支払っていることを認めたのである。

長老団はヘンダーソンを主催の立場から解き、会衆で彼が罪を犯したことを発表し公に戒められるようにした。しかし詳細は明らかにされなかった。また当局に通報することもしなかった。

しかし被害者の家族が当局についに通報した。警察が調査を進める中、長老たちはヘンダーソンに再び問い尋ねた。彼は、彼自身の息子も含め、他の子供たちにも性的いたずらをしていたことを告白した。この時点において、ついにヘンダーソンは排斥された。その間、捜査当局は地元の長老たちと連絡をとった。彼らは捜査に協力的だった。

1994年12月、ヘンダーソンは逮捕された。1995年、彼は3件の性的虐待の容疑で起訴され、4年4ヶ月の懲役が言い渡された。1998年には仮釈放されて、他の土地のエホバの証人の集会に出席するようになった。

ヘンダーソンと同様に、カルフォルニアのレッドブラフのエホバの証人の一人だったアルビン・ハードもまた排斥された。ハードの場合、記録によると1981年に会衆は初めて性的虐待の事実を知った。その時地元の会衆はものみの当協会に手紙を送った。5才、9才、11才の3人の子供に性的いたずらを行ったので排斥となったと説明した。

最近の訴訟記録によると、1980年代後半に、ハードは長老たちに対してさらに4人の子供たちに性的虐待を行っていたと告白していたことを認めた。彼のそのとき受けた懲らしめは「個人的な戒め」だった。言い換えれば、会衆の長老たちは彼を口頭で厳重注意しただけだった。そして他の会衆の成員には決して彼の性向については話さなかった。明らかに、会衆は警察や児童福祉当局に情報を伝えていなかった。

1990年代、ハードはサウスダコタに引っ越した。彼は自分の性向と過去の小児虐待の過去を長老に話した。しかしそれは当然のように秘密にされた

2003年にハードはオレゴン州に引っ越した。そこで彼は再び小児虐待へと走ったのである。2004年1月、彼は5才の少年に対する性的いたずらの罪で起訴された。彼は有罪とされ、現在、懲役6年3ヶ月で服役している。彼は刑務所でのインタビューを拒否した。


※ 記事が長いのでここで一区切りとします。続きの記事は 「最重要指名手配犯 - 元奉仕の僕 その3」で取り上げますので、そちらをご覧下さい。