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ニュースの中のJW

WEB上のニュースや新聞などで扱われたエホバの証人のニュースを取り上げます。シリアスな話題から笑えるニュースまで。

カンザス州のエホバの証人が州外の移植手術を認められる

2011-06-03 20:27:26 | 医療系
アメリカ・カンザス州の64才になる女性が、州外で肝臓移植手術を受けられるかどうかというニュースがありましたが、その続報です。元の記事は下記を参照下さい。

カンザス州のあるエホバの証人と無輸血肝臓移植

カンザス州は、自分の州以外で行う手術に保険料を支払うことは渋っていたのですが、裁判所はカンザス州に、州外で行われる無輸血手術の費用を払うようにという判決を下しました。さて、一体どんないきさつがあったのでしょうか・・・。

■ Kansas City Star 2011年6月2日

メリー・シュタインメッツの敵は時間だけになった。

医療保険を利用した無輸血による肝臓移植をめぐる18ヶ月に渡る戦いは、最終的にエホバの証人側にとって良い判決となった。カンザス州医療政策局は、ネブラスカ州で肝臓移植手術を受けるという、シュタインメッツの願いを尊重した先の判決を控訴しないことを発表した。カンザス州は、州外で行われる移植手術で、それがカンザス大学病院で受けられるものについては、支払いを拒否していた。

しかし、シュタインメッツ婦人(64)は、移植手術を拒否した。なぜなら、カンザスで移植が行われた時には、輸血を受ける可能性があるからだ。それは、エホバの証人の一人として彼女が受け入れられないことだった。彼女は州を訴え、彼女の信条を実践するという憲法上の権利を侵害するものだと争った。宗は裁判所に不服を申し立てていた。

「私はこの裁判に勝ったことを知って、生きながらえることが出来ます。また、エホバが私たちを支えて下さったことも分かっています」と、シュタインメッツは自宅への電話インタビューで答えた。

カンザス州医療政策局の局長であるアンドリュー・アリソンは、州外の提供者と協力して、シュタインメッツの医療上の必要を援助するために働いていると述べた。

当局は、移植とそれに伴うサービスについて医療保険でカバーすることを承認した。アリソンは、保険の承認と予定については提供者と患者次第であり、我々が詳細を述べることは出来ないと語った。

シュタインメッツは、移植適応評価をネブラスカ州で受けるたの予定を調整するのに忙しかった。彼女は引き続き肝臓移植の待機リストに入って待たなければならない。

しかし、彼女が肝臓移植の資格があるかどうかはまだ分からない。2009年以来彼女の健康は悪化している。

シュタインメッツの夫、メルリンは、「私たちは、医者たちがこの手術をすることが出来るかどうか知りたいと思って、ここまで来ました。これまでのところ、彼らは彼女が適切な移植候補者ではないと考えているかもしれません。また、彼女が移植可能だったとしても、順番待ちをしなければなりません」

彼女は、20年に渡って原発性胆汁性肝硬変を患っている。肝臓を悪化させる慢性的な病気だ。彼女も時間の問題だと受け入れている。

「残された時が短いことを知っています。それがいつかは分かりません。でも自分の体が、物事をする能力が衰えてきていることが私にもわかるのです」と彼女は述べている。

裁判所の記録によると、シュタインメッツは輸血を含む移植手術を拒否したが、それは血を避けるようにという使徒、創世記、申命記の記述に基づいてのものである。

協会の信条では、ある種の輸血や臓器移植に関しては信者の決定に任されている。

彼女は、最初に州によって手続きが拒否された理由の一部は、彼女の信仰についての理解が足りなかったためではないかと語った。

「多くの人たちはエホバの証人と聞くとすぐに,シャットアウトしてしまいます。彼らはなぜ私たちがこれらのことを固く信じているのか分からないのでしょう」と述べた。

牛の血液で救われた命

2011-05-16 18:54:42 | 医療系
世界で一番最初に輸血が行われたのは、17世紀のこと。当時は羊の血液を人間に輸血していました。死亡例も多かったのですが、成功例もあるそうです。やがて、動物の血を人間に輸血するのは危険だとわかり、19世紀後半には行われなくなりました。

というのが簡単な輸血の歴史ですが、ついに21世紀、動物の血液が人間に輸血されて、命を救うのようになりました。牛の血液が、その血漿を加工した人工血液ですが、事故で多くの血液を失った女性の命を救いました。

以下、記事を訳しておきます。

■ News Com AU

あるオーストラリア人女性の命は、牛の血漿から作られた人工血液成分によって救われた。

世界で最初の例となったが、メルボルンのアルフレッド病院は33才になるタマル・コーカリーを交通事故による深刻な血液流出と心臓停止の危機から救い出した。

彼女の脊髄はほとんど切断され、肺はつぶれ、頭蓋骨は陥没し、肋骨、頬と顎の骨は折れ、秘蔵は破裂していた。

病院についた時には、彼女はかろうじて生きていた状態だった。

「私は、わずか1リットルの血液しか体にありませんでした」と彼女は述べている。

※ 通常、人間の血液は体重の8%と言われています。そのうち30%以上の血液を急激に失うと命の危険な状態になるそうです。彼女が仮に50Kgだとすると、血液量は4Kg(4L)で、事故により75%の血液を失っていたことになります。

コーカリーの命を救う最大限の努力が払われ、ヘモグロビンをベースとした酸素運搬物質であるHBOC201がアメリカから10単位空輸された。

この合成物質には、牛の血漿から作られた分子が含まれている。これは酸素を組織に運ぶ働きがあり、彼女のヘモグロビンのレベルを回復させた。

フィッツジェラルド准教授は、これは世界的な血液不足に応える、実際に可能な血液の選択肢として重要な一歩となったと述べている。

人間の血液と違って、事前に適合を調べる交叉試験をする必要がなく、冷蔵せずに3年に渡って保管が可能である。

フィッツジェラルド准教授は「ちょっとしたSFのようなものだ」と言う。

エホバの証人であるコーカリーは輸血を受けることは出来ないが、代用血液を受け入れることは出来る。

教授は、アメリカ海軍で研究されてきたこの合成血液製剤に精通していた。というのも、彼が第三者として5年前にこの有望な研究にアドバイスを与えていたからである。

彼はその夜、製薬会社のOPKバイオテク、オーストラリア保健省薬品・医薬品行政局(TGA) 、オーストラリア衛生検査局や航空会社と夜通しで交渉を行なった。

アルフレッド病院の倫理委員会はゴーサインを出した。許可はTGAの特例審査によって出され、製薬会社が支払いをした。

HBOC21は、世界中で研究開発されている数ある代用血液のひとつである。

メルボルン大学小児科部部長のポール・モナゴル医師は、合成血液は患者への血液供給の問題を緩和し、僻地に住む人々に救命治療の機会を与えることになると述べている。

モナゴル教授は、どんな合成血液にせよ、実験段階から実務的な使用に供するためにはしっかりとした検査やテストを受ける必要があると述べた。

前述のコーカリーは、昏睡状態の中で瀬戸際の手術を受けていたが、彼女はどれほど死ぬ寸前だったかを理解している。

「彼らは出来ることをすべて行なってくれました。私はとても嬉しいです」

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なんにしても、彼女の命が救われたことは良かったことです。

ところで、ペットの動物用にも輸血用の人工血液があることをご存知ですか?
言われてみると、「そうかもしれない」と思うかもしれません。
アメリカではイヌ用の人工血液が承認されています。なんとこの犬用の人工血液にも牛の血液が使われているそうです。日本の獣医さんも使っていたようですが、BSE(牛海綿状脳症)の問題もあり、現在のところこの牛由来の人工血液を輸入することがほとんど出来ないようです。

ペットポータルというサイトの中で紹介がされていました。
ペットポータル

そうなると、人間に輸血された牛由来の血液から狂牛病などが発生する可能性はあるのだろうかと考えたくなりますね。おそらく、狂牛病の元となるプリオンを不活性化させる処理が行われているのでしょう。
現在、献血された血液は基本的に放射線を通しています。これで輸血後GVHDを防いでいるわけですが、牛の血液でも同様の作業がされているのでしょうか。研究者からすると、血液も詰まるところ様々な分子の集合体に過ぎないと見えるのかもしれません。

カンザス州のあるエホバの証人と無輸血肝臓移植

2011-05-01 10:05:22 | 医療系
肝臓の臓器移植を無輸血手術で行なうことと、州の医療保険制度が論点となっています。どのような司法的な判断が下されるのでしょうか。ちなみに、日本では生きている方から肝臓の一部を移植する手術が主流ですが、アメリカでは亡くなった方からの肝臓移植が年間6000件もあり、より身近な問題となっているようです。


■ Kansas City Star

メリー・シュタインメッツ(64)は、生きたいと願っているのと同じほど、信仰のために命を落とすことを受け入れようとしている。

彼女は末期の肝臓病を患っており、移植を必要としている。しかし、手術の費用は $250,000 (約2,000万円)以上見込まれており、家族にとっては手の届かない金額だ。

彼女が移植を受けられるかどうかは、彼女が自分の信条のために裁判でどの程度まで戦うことが出来るのかにかかっているが、それは今日カンザス高等裁判所で明らかになるだろう。

シュタインメッツは西カンザスの小さな街ヒル・シティに住んでいるが、彼女はカンザス大学病院で医療保険を使って、肝臓移植を受けることが可能だった。

しかし、それは同時に彼女のエホバの証人の信条に妥協することをも意味していた。というのも、その手術によって、彼女の信条によれば神の律法に反するもの、輸血を受け入れなければならないからである。

ネブラスカ州のオハマであれば、彼女は無輸血の手術を受けることが出来た。しかしカンザス州は、州内で移植が可能なのであれば、州外での手術に対して医療保険を支払うことを拒否している。

こうした状況は、カンザス州の医療保険制度に対する彼女の信教の自由の行使という、憲法上の論争へと発展した。いまや彼女の命は両者のバランスの上にある。

「私は生きたいです。でも私たちの創造者の命令に関しては、私は自分が何かをする前に、創造者の命令に従いたいと思います。なぜなら、彼は命を私たちに与えて下さったからです。彼の律法に従わなければなりません」と、カンザス・シティ・スター紙に電話で語った。

シュタインメッツは、州の医療保険制度を監督するカンザス州健康保険機関を訴えており、信仰を行使する権利である米国憲法修正第1条を、州は侵しているとして争っている。彼女は、12月にグラハム地方裁判所で行われた裁判では敗訴している。

州当局は今日の聴聞に先立ってコメントすることは避けた。しかし、先に提出された訴答書面によると、州側は、州が保険の支払いを拒んだことが彼女の権利を侵害しているという証拠を、彼女側が何も提出していないという事を主張している。

「保険受取人が無輸血手術を受けなければならないという、医療上の必要性はない。通常の肝臓移植はカンザス内で受けることが可能だし、それは医療上の必要として見なされるだろう。無輸血手術を受けなければならないという保険受取人の宗教上の選択と、医療上の必要性は一致しない」と州当局は述べた。

州にアドバイスを行っている医者のウェイン・ワレスは、患者が無輸血手術を受ける事を決めた場合に、手術医たちが倫理上の問題に直面すると警告している。

外科的な手続きはどちらの移植でも同じであったとしても、外科医にとって無輸血手術は、輸血が患者の命を救うかも知れない状況でも患者の死を進んで受け入れなければならないことを、暗に意味している、とワレスは述べた。

しかし、法廷の記録によると、彼女は、使徒の書や創世記、申命記を開きながら、エホバの証人は血を避けるという聖書的な指示に従っていると述べた。

協会の信条では、ある種の輸血や臓器移植に関しては信者の決定に任されている。

ニューヨーク州ものみの塔聖書冊子協会は、シュタインメッツの法廷助言者としての書類を提出している。

彼らの主張は、カンザス州はシュタインメッツに、すべての手術を受けないか、あるいは彼女の信条を侵す治療を受け入れるかを無理に選択させているというものである。

しかし、弁護士が述べたという裁判所の書類によると、彼女は、輸血を受け入れても心から悔い改めれば、教会から排斥されないと認識しているとのことである。

このケースについての憲法的な判断は非常に難しい。なぜなら過去30年間に渡って、最高裁判所の2つの判決が異なった立場を取っているからだ。

1990年以降の最近のケースでは、高等裁判所は、法律がある人々の信条を妨げるとしても、その法律が中立的であり、ある特定の信条をターゲットにしたものでない限り、政府はその法律を採用することができると判断した。

そのケースは、失業保険の受け取りを拒否された二人のオレゴン州の男性に焦点を当てていた。彼らは、宗教儀式のためにペヨーテという幻覚剤を摂取した後に解雇を言い渡されていた。

裁判所は、過去数十年に渡る前例を捨て去るような決定である、ベネフィット(失業保険や医療保険など政府の生活保障)の支払いを拒否することを支持した。

しかし、シュタインメッツの法律チームは、政府は、信教の自由の権利に対する侵害を正当化するという、州の利益を推し進める必要があると司法が規定した1963年の最高裁判所のケースを引用した。

このケースでは、セブンスデイ・アドベンディストの信者が関係しており、彼女は土曜日に働くことを断った後に解雇され、他に仕事を見つけることが出来なかったが、失業保険を受けることを拒否された。

州は、彼女は失業保険を受け取る資格がないとした。仕事を紹介された時、適切な理由なしに、それを受け入れることをしなかったためである。

シュタインメッツは原発性胆汁性肝硬変を患っている。胆管が慢性的に炎症を起こしやがては胆管が消失していまう病気だ。胆管が損傷を受けた時、胆汁が肝臓に蓄積して器官を傷つけ、機能を低下させる。

これは進行する病気で、(彼女は20年間患ってきたが)原因は不明である。移植手術が唯一の治療法である。

「あまり気分は良くありません。私はとても弱くなってきています」と彼女は言った。今日の聴聞のためにトペカに行くことも出来なかった。

病気が進行すると、彼女は急速に体重が減少した。すぐに息が切れ、免疫機能は低下した。腹部は膨張し、過去18ヶ月で少なくとも13回、肺から水を抜いている。貧血なので体が非常に冷える。

彼女はゆっくりと動く。風邪を引いてしまうことが無いように、家の中でほとんどの時間を過ごす。

2009年に彼女が移植手術が必要であることを知った後、検査のためカンザス大学病院に行った。

そこで彼女は、彼女が輸血を伴う臓器移植を受けられないことをカンザス大学の先生に話した。

大学は、彼女にそれ以上の処置を行なわないことを決定し、無輸血手術を行ってくれそうな病院を探すように勧めた。

カンザス大学では無輸血による臓器移植手術を行っていない。というのもドクターたちはそれが患者にとって最善とは考えていないからだ。

ネブラスカ・メディカルセンターの医師、ジーン・ボザによると、無輸血の肝臓移植手術は、わずかここ十年で行われるようになった手術であり、アメリカ国内でわ5~8の病院でのみ行われる。カンザス州にはそういう病院はない。

ボザは、その手術は安全な手術ではないので、通常行われるものではないと認めた。彼によると、手術は主にエホバの証人の患者を助けるために行われるそうである。

一方で、シュタインメッツと彼女の夫は、弁護士が協力してくれる限り戦う決意でいる。しかし、新しい肝臓なしでどれほど持つかは、彼女も確信は持てない。おそらく、2,3年は持たないだろう。

そして、彼女は臓器移植の待機リストにも入ってはいない。

「私は、いまここにいられることだけで驚きなんです。私がエホバの記憶にある限り、私は復活することを知っています。死ぬことは怖くはありません」と彼女は述べた。

アジアで最初の無輸血による骨髄移植が行われる - インド

2010-11-17 21:08:51 | 医療系
インドで、アジア初の無輸血による自己(自家)骨髄移植のニュースです。もっと一般的なのかと思いきや、世界中でアメリカとインドの2つの病院でしか出来ないんですね。輸血でなければ助からないケースがある一方で、無輸血手術が研究される分野は広がっているようです。関連記事2件紹介します。


■ The times of india 2010/11/17

バンガロール

宗教上の理由にしても、あるいは感染症を避けるという理由にしても、今日では無輸血での骨髄移植が可能になった。

バンガロールを拠点とするヘルスケア・グローバル・エンタープライズ(HCG)は、マントル細胞型の悪性リンパ腫(非ホジキンリンパ腫)を患っているアメリカ人の患者に対して、アジアで初めてとなる手術をこの度行なった。

60才になるカーティス・カーペンターはエホバの証人であるため、輸血を行なう事に消極的だった。彼はニューヨークで化学療法を受けていたが、HCGでカウンセリングを受けることに決めた。他に無輸血移植を出来るところが見つからなかったからである。

HCGの代表であるBSアジャイクマール博士によると、自己骨髄移植は一般的であったとしても、今回の手術で独特な点は、輸血無しで行なわれたということである。「我々の組織は、無輸血の化学療法や手術を専門とし始めている。そして今、移植へも乗り出し始めた。感染の心配は減少する」と彼は述べている。

-ドナー(提供者)無しでの手術

HCGの骨髄移植センター長であるラドヘシャール博士は、無輸血で手術を行なうことは多くの医療上のメリットを骨髄移植にもたらすと語った。以前は、骨髄に注射をするのに針が用いられたが、それは大変痛みの伴うことだった。今では血小板の数が5000を切らない限り輸血の必要はない。この手術の利点は、骨髄提供者を必要とせず、感染症が広がる可能性を下げ、費用を減らし、輸血によって感染する重大な病気の心配がなくなることだ。

幹細胞が骨髄内で再び活性化するのに15-20日かかり、この期間、患者は最大限の看護が必要とされる。

このセンター以外の場所では、患者はこの手の手術を受けるのに10万ドルかかる。しかし、ここHCGではその1/3の費用しかかからない。こうした医療費の安さも、インドがガンの治療場所として好まれる理由となる。

■ Pharmabiz.com 2010/11/17

ヘルスケア・グローバル・エンタープライズ(HCG)は南アジアで最大のガン治療センターであり、アジアで最初の無輸血による骨髄移植を成功させた。世界でも無輸血骨髄移植が出来る医療センターは、HCGとアメリカのペンシルバニアにある無輸血治療センターだけである。

カーティス・カーペンター(60才)はアメリカ人の患者であり、マントル細胞型の悪性リンパ腫(非ホジキンリンパ腫)と診断された。始めはニューヨークで化学療法を受けていたが、HCGにやって来ることにした。他に適切な治療を行なえるところがなかったからである。彼はまたエホバの証人でもあり輸血を拒否していた。

カーペンターの手術に当たって、HCGの会長であるアジャイクマール博士は、「自己骨髄移植が行なわれるようになってかなり経つが、カーペンターのリンパ腫の場合には、無輸血でそれを行なったことが特筆できる」と述べた。

ラドヘシャール博士は、これまで多くの骨髄移植を成功させており、25件以上の同様の手術を行なってきた。

彼によると、骨髄移植は集中的な医療行為であり、患者には大量の抗がん剤が処方され、自己の骨髄の幹細胞か、組織適合している同種造血幹細胞が必要となる。「我々は、患者がいかなる同種血液や血液製剤をも拒否するために不可能と思われていたことを成し遂げた。挑戦となったのは、ヘモグロビン、白血球と血小板の数値レベルを保つことだった。そのためにいくつもの増殖因子を用い、また遺伝子組換え活性化第VII因子(血液凝固因子製剤) を用いて出血の発生を抑えた」

HCGの医師たちは革命的な治療法を提供して来た。無輸血による自己骨髄移植は感情を持って語られた。「多くの西側からの患者は、複雑で深刻な病気の治療先としてインドにやってくるだろう」とカーペンターは述べた。


無輸血手術に賛成する根拠

2010-09-07 20:29:33 | 医療系
カナダでの無輸血手術について、今から一年くらい前の記事です。興味深いですね。

■ Digital Journal 2009/10/28

世界中の外科医たちは無輸血で患者を治療することに成功している。代替療法を選択する事で、多くの益があることが理解され始めている。

ノバ・スコシア州、ハリファックスの海軍心臓外科病院によると、安定した心疾患の患者に輸血をした場合、死や腎臓疾患、敗血症の感染のリスクが高まるという。

カナダ心臓血管学会において、ノバ・スコシア州、ハリファックスのダルハウジー大学の医学生、ロバート・リデルにより、無輸血手術の研究が発表された。

研究は、3842件の異なった心臓手術を受けた一連の患者に対して行われた。
その内容は、theheart.orgに載っている。

患者は4つのグループに分けられた。

1.無輸血手術を受けた。
2.手術中血液成分を投与された。
3.手術から48時間以内に血液成分を投与された。
4.手術から48時間以上たって血液成分を投与された。

年齢や性別、さらに別の要素などを調整した後、その調査は、無輸血と比較した場合、輸血をした手術では劇的に病的状態や死亡率が上昇していると結論した。

また調査は、後になって行われた輸血は、患者の状態を悪くすると指摘している。

今日では、現実的な輸血の代替療法が存在している。

AllSandsによると、AIDSの悲惨さのために、多くの人が血液はもはや完全に安全ではないと気付いており、最近の調査によると、カナダ人の89パーセントが献血された血液よりも代替治療を取ると述べている。

輸血を拒否する立場の人の多くはエホバの証人であり、彼らはそれが聖書の教えに反していると考えている。

しかし、AllSands によると、そうした立場は無輸血治療と手術の技術を高度に発達させ、多くの知識人の好む治療法となってきた。

手術中に輸血を避けることは、手術後の感染症や複雑さを避けることにつながる。血液型を適合させるための様々な複雑さを回避できるのである。

一般的に無輸血手術は、献血による手術に比べて25%コストを削減でき、入院期間の短縮によって、回復期には50%以上も節約することが出来る。

大量出血の際には、多くの場合、代替血液として、乳酸リンゲル液、デキストラン、ヒドロキシエチルスターチやその他の物質が、乏血性ショックを防ぐために用いられる。

今日では、手術前の投薬や他の治療法によって、赤血球や血小板、白血球の産生を促進させて血液の量を増やし、血液の損失を減らすようにされている。

外科医は生物学的な止血剤を用いて、出血をよりよくコントロールすることが出来る。新型の手術用接着剤は、深い傷や、広範囲に出血している組織をブロックすることが出来る。

患者は手術や外傷によって失った血液を、機器によって回収することが出来る。その機器は、血液を浄化して、貯めることなくそのまま患者の体内へと戻すのである。

手術辞典によると(Encyclopedia of Surgery)今日の新しい機器や技術は、外科医たちに最小限の血液損失で手術を行うことを可能にした。

上記のような手法は、世界中ですでに何千人もの患者、宗教上の理由か否かに関わらずより安全な治療を受けたいと思う人たちに、成功裏に行われてきた。

2002年末の時点で、全無輸血手術の依頼の30%は、エホバの証人以外の人たちから来ている。、