ブログ仙岩

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大石邦子「生きる力を」

2018-02-09 09:16:38 | エッセイ
いま目覚めたこの朝が新しい人生のはじまり

これは日めくりカレンダーの元日の言葉で、年を取ると、若い時のようにはいろいろ悩まず、まいいかと受け入れるから不思議である。鏡の前で、衰えてゆく体にも、おろおろしなくなった。若さを羨ましいと思う時もあるが、年を経ることで得た静かなやすらぎもある。

もう大きな努力目標も立てない。失敗にも嘆かない。失敗ほど人生を深く考えさせてくれるものはないのだから。いくつかの後悔は心の奥深くあるが、そのことを思い出すたびに、素直になれるから不思議である。

1964年10月の東京オリンピックでは、一人海の底に沈んでいくような寂しさを感じたが、国にも人々にも高度成長の夢があり、理想が生きていた時代で、心も昂揚していたが、交通事故で人生が一瞬にして断ち切られたのは、開会式の数日前だった。意識がもどったとき、私は現実が理解できなかった。麻酔の言葉を聞いた。がオリンピックの記憶は全くない。市川崑監督の「東京オリンピック」を見たのが、私のオリンピックである。写真は今朝福島民報葛西選手の飛躍平昌にて。

でももう大丈夫、私をありのままに受け入れて下さった方々に支えられて今生きている。こんな書く場を与え、読んでくださる方々があってのお陰で、私の生きる力を頂いた。今日も新しい一日が始まる。兄弟みななくなって、車いす生活の一人ぼっちの大石さんのエネルギーにも驚くが失敗の達観が彼女を強くしてると思う。感謝!