羊日記

大石次郎のさすらい雑記 #このブログはコメントできません

ジョジョの奇妙な冒険~スターダストクルセイダース~ 3

2015-05-30 22:44:56 | 日記
「安心するんじゃあ、ポルナレフ!」DIO はニヤリと笑うと、通路の暗がりに消えた。「DIOッ!!」「今のが、DIOだな?! 追うぞ!」ジョセフ達は階段を駆け上がろうとした。「奴を追う前に言っておく」「うん?」ジョセフ達は足を止め、ポルナレフを振り返った。「俺は今、奴のスタンドをほんのちょっぴりだが体験した。い、いや、体験したというよりは、全く理解を越えていたのだが」ポルナレフは脂汗をかきながら語り出した。「あ、ありのまま、今起こったことを話すぜ。俺は奴の前で階段を昇っていたと思ったら、いつの間にか降りていた! な、何を言っているのかわからねぇと思うが、俺も何をされたかわからなかった。頭がどうにかなりそうだった。催眠術だとか、超スピードだとか、そんなチャチなもんじゃ断じて無ぇ。もっと恐ろしいモノの片鱗を味わったぜ」沈黙するジョセフ達。
「アヴドゥルとイギーは?」承太郎が問うた。その質問に、ジョセフと花京院も息を呑んだ。「ここまでは来れなかった。俺を助ける、為に」ポルナレフは俯き、承太郎は黙っていた。「そうか」ジョセフは呟いた。「ジョースターさん、日が沈みかけています。急がないと」花京院も動揺したが、気を切り換えた。「そうだな」花京院は持っていたズタ袋を床に放った。「ヒィイッ!」「おい、ヌケサク! この階の上はどうなっている?」袋からヌケサクは顔を出した。傷は完治している。「と、塔です。てっぺんに部屋が一つあります。DIO様は昼はいつもそこに」「その塔に他に階段はあるのか?」「無いです、これ一つだけです」「よし、案内しろ」長い階段の先、塔の先に日の射さない、暗いDIOの部屋はあった。
蝋燭が二つ灯る側の台座に棺が置いてある。ジョセフは承太郎に目で合図した。「オラァッ!」出現したスタープラチナは閉ざされた窓を殴り破った!!
     4に続く

ジョジョの奇妙な冒険~スターダストクルセイダース~ 4

2015-05-30 22:44:47 | 日記
部屋の一部に日が射す!「ヒィぇいいッ!!」ヌケサクは日の光を浴びそうになって怯えた。「これから会う男は、初めて会うのにずっと昔から知っている」(そう、ワシはずっと知っていた。コイツのことを産まれた時からずっと知っていた。この承太郎も! 懐かしい相手ではない。倒すべき相手として、ジョースターの血はコイツといつか会うことを知っていた)花京院も覚悟した。(後悔は無い。今までの旅、これから起こること柄に、僕は後悔は無い)ポルナレフも同じだった。(今、感じる感覚は、俺は白の中にいるということだ! DIOは黒。ジョースターさん達は白! 傷付いた体でも勇気が湧いてくる。正しいことの白の中に俺はいる!!)「棺桶の中から出て来たら攻撃するぞ? だが気を付けろ! その中にいるとは限らん
からな!!」ジョースターの言葉に承太郎達は棺桶の周囲に素早く移動した!
「ヌケサク! お前が蓋を開けろ!!」「ちょッ?! うぇええッ! でぃ、DIO様ぁ、裏切った訳ではないのですからぁッ。私はあなた様の力を確信しているからこそぉッ、コイツらを案内したのですぅぅッ!」震えながら棺に近付くヌケサク。「風の強い時にションベンしたらズボンに掛かるってことと同じくらい、確信していますぅ! わかって下さいねぇぇぇッ!!」「つべこべ言っておらんで、さっさと開けんかあッ!!!」ジョセフに怒鳴られ、「は、はいぃッ! コイツらをぶっ殺してやっておくんなさいましよぉぉッ?!」棺の蓋に手を掛けるヌケサク!「DIO 様ぁッ!!」「飛び出してくるぞ!」警告するジョセフ!
ヌケサクが、棺を開けると!「え?!」ヌケサクが棺に入っていた!! 横一文字に口の辺りを両断されている!「中にいたのは俺だったあぁ?!」影になっているが、口以外もバラバラらしいヌケサク。
     5に続く

ジョジョの奇妙な冒険~スターダストクルセイダース~ 5

2015-05-30 22:44:39 | 日記
「な、何ぃ?! どうして?! ワシは一瞬たりとも目を離さなかったぁ!! 誰か今、ヌケサクが棺に入った! いや、入れられた瞬間を見た者がいるか?!」「しっかり見ていたが、気が付いた時は既に中に入っていた!!」驚愕するポルナレフ!「ポルナレフのいう通り、これは超スピードだとか、トリックでは決してない!!」花京院も焦る!「ヤバい、何かヤバいぜ!!」承太郎は何か致命的な危機を感じた!「逃げろぉ!!」ジョセフは即座に撤退を判断した! 承太郎と花京院も従う! だが! ポルナレフは従えない!!「くっそぉおおッ!!」「何をしているッ?! ポルナレフ!!」ジョセフはハーミットパープルでポルナレフの首を掴んで引っ張り出した! 一行は破られた窓から飛び降りた!!! 承太郎と花京院はそれぞれスタンドに抱えられていた。ポルナレフはスタンドごとハーミットパープルにつられていた!「チクショーッ!!」叫ぶポルナレフ! 夕陽の中、落下して行く一行!!
「一体、なんだったのだ、今のは?! 実際見てはいないが、今まで出会ったどのスタンドをも超えている凄みを感じた!! エンジン音だけ聞いて、ブルドーザーだと認識できるようにわかった!!」戦慄しつつ、上手いこと言う花京院!「ワシも感じたぞ?! 凄まじい殺気ってヤツだ! ケツの穴に氷柱を突っ込まれた気分だ! あそこにいたら、確実に一人ずつ殺られていた!!」花京院に負けじと上手いこと言い返すジョセフ!! 一行はスタンドを使い、それぞれ館の壁にあったボタンのような装飾に掴まり、中階への激突を避けた!
塔の下の階の屋根の上に降り、街の向こうのエジプトの地平線に夕陽が沈んで行くのを見る一行。「まずい、実にまずい! 太陽が殆ど見えなくなっている!!」焦るジョセフ!「奴の時間が来てしまった!!」サングラスの花京院!
      6に続く

ジョジョの奇妙な冒険~スターダストクルセイダース~ 6

2015-05-30 22:44:30 | 日記
「まさか、このまま明日の日の出まで一時退却ってことはねーだろな?! 言っておくが、ジョースターさん! 俺はこのまま、おめおめと逃げ出すことはしねーからな!!」「僕もポルナレフと同じ気持ちです!」花京院も同調した。「ワシだってお前らと同じ気持ちだ。しかし状況が変わった! 奴のスタンド、ザ・ワールドに出会ったのにどんな能力なのか欠片も見えない!! 山を昇る時、ルートもわからん、頂上がどこにあるかもわからんでは、遭難は確実なんじゃ!! そう、コーラを飲んだらゲップが出るというくらい、確実じゃあ!!」反論できないポルナレフ。
「DIOはこれから必ずワシらを追ってくる。日の出前に仕止めようとするじゃろう!! その間に必ず奴のスタンドの正体を暴くチャンスがあるッ!!! そのチャンスを待つんじゃ!」「嫌だ! 俺は逃げることはできねぇ! アヴドゥルとイギーは俺の為に死んだんだ!! 卑怯な手も使おう、地獄に堕ちることもしよう! だが、逃げるってことだけは! しねーぜ!!」ポルナレフは駆け出して行った!!「待てぇ、ポルナレフ!!」「ジジイ! 止めても無駄だぜ」「承太郎、君の意見を聞こう!」花京院は問うた!「ポルナレフは追いながら奴と戦う。俺達は逃げながら奴と戦う。つまり、挟み討ちの形になるな」承太郎はそう言ってみせた。
「おい君、このトラックを買いたい、売ってくれ?」完全に日が落ちた夜の街で、ジョセフはトラックの運転手に話し掛けた。側に花京院もいる。「にゃあんだとぉ?! 大事な商売道具ッ」ジョセフは札束を差し出した。「おふ、おうぅ??」戸惑う運転手! 程なくジョセフと花京院はトラックを手に入れた。「飛ばすぞ花京院!」ジョセフはアクセルを踏み、トラックを加速させた!! 走り去るトラックを、館の塔の屋根からマントを付けたDIOは見ていた!
     7に続く

ジョジョの奇妙な冒険~スターダストクルセイダース~ 7

2015-05-30 22:44:20 | 日記
DIOはトラックを追って塔から飛び降りて行った。それを館の側の物陰から見ていたポルナレフ!「出て来たなDIO! 日の出まで逃げるだと? そんなことできるか!! 一人でも殺ってやる!! スタンドの正体がわからねーならわからねーなりに、いくらでもやっつける方法はあるぜ! 暗殺だ!」身を乗り出したポルナレフの肩を後ろから承太郎が掴んだ。「早まるなよポルナレフ」振り返るポルナレフ。「俺はオメーのような直情タイプはほっとけと言ったんだが、ジジイと花京院がどうしてもくっついてやれって、言うんでな。来てやったぜ」「承太郎!」「やれやれだぜ」承太郎はわずかに笑顔を見せた。
夜の街を歩くDIO「自動車か、中々のパワーとスピードだ」DIOは歩道沿いに停められた1台の黒塗りの高級車に目を止めた。「このDIOが産まれた時代は馬車しか走っていなかった」高級車をさするDIO。その肩をボディーガードらしい男が後ろから掴んだ。「貴様、何触ってんだよ? ウィルソン・フィリップス上院議員様の車だぞ?! 目ん玉からゲロ吐きてぇのか?!」恫喝する男の手をDIOはそっと掴んだ。バキャッ!! 手を握り潰し、肘まで捻り折るDIO !「ああッ?!! お、お母ちゃん!!」鼻水を出して膝を着くボディーガードの男!
DIOは後部座席に乗り込んだ。ウィルソン議員が先に乗っている。「これこれ、若い御方というものは、血気が盛ん過ぎていかんことだのぉ、ふふふ」ウィルソンは笑顔で対応した。DIOはウィルソンの前歯を数本抜いた。「うげッ?! 痛ぇあ!!」流血して仰け反るウィルソン!!「ぶつぶつ言ってないで前へ行け。運転してもらおう」「貴様何者だぁ?? ワシにこんなことして許されると思っておるのかぁ!」(そうじゃ! 許される訳が無い! 誰であろうとこのワシに対してこんなことをしていいはずが無い! 高校大学と成績は一番で卒業した!
     8に続く