(俺が、弱かったばっかりに。お役目様は俺を守る為に死んだ)芙玄寺に戻った潮が部屋で茫然としていると「潮っ! そろそろ見切りってやつを着ける時らしい」床を透過してとらが現れた。「今、おめぇはブチ殺しやすそうだ。忘れていたろうが、ワシはおめぇを、喰らうのよッ」とらは歯を剥き出した。襲い掛かってきたとらに2階の窓ガラスを突き破って外へ吹っ飛ばされる潮。「こんな時にまた元の関係かよぉっ!」落下しながら連打され、槍の柄で防ぐ潮。「やられっぱなしかよッ?!」肩口に一撃入れられ寺の敷地に倒れ込む潮。とらは抉り取った潮の血を舐めた。「おうおう旨ぇなぁ、おめぇの血はよぉっ!」笑うとら。
「さっき、『こんな時にぃ』とかぬかしたな! 化け物が時と場所を選んで人を襲うかよ? それとも何か? 婆ぁ一人見殺しにした弱っちい僕を甘えさせてってかぁッ?!」煽るとらに潮は変化して突進した。「でぇえあぁっ!!」「そうだぁ、本気を出してみろぉッ!!」とらは大きく息を吸い込み、炎を吐き出した。槍を構えたまま焼かれる潮。「どうした? おめぇはこんなに弱ぇのかよっ?!」「そうさ、だから負けたんだ。強く、なりてぇよっ。俺は強くなりてぇよッ!!」焼かれながら、歯をくいしばって炎に焼かれる潮はとらに突き掛かった。
片手で受けるとら。刃先は手の甲を突き抜けたが歯で加えて止めた。「これで獣の槍は使えねぇよっ。やっぱりおめぇは槍がなきゃダメなんだなぁ!!」「でぇおおおうぅッ!!」槍を手離し、変化が解けながらとらの頬を殴り付ける潮。槍は地に落ち、潮は肩の傷の痛みに動きを止めた。「歯応え無ぇなぁっ」唾を吐き捨てるとら。「やめだやめだ! 今の弱っちいおめぇが旨いはずがねぇっ! 強くなったら来てやらぁっ!!」「とら」傷口を押さえながら、潮は飛び去ってゆくとらを見上げていた。
2に続く
「さっき、『こんな時にぃ』とかぬかしたな! 化け物が時と場所を選んで人を襲うかよ? それとも何か? 婆ぁ一人見殺しにした弱っちい僕を甘えさせてってかぁッ?!」煽るとらに潮は変化して突進した。「でぇえあぁっ!!」「そうだぁ、本気を出してみろぉッ!!」とらは大きく息を吸い込み、炎を吐き出した。槍を構えたまま焼かれる潮。「どうした? おめぇはこんなに弱ぇのかよっ?!」「そうさ、だから負けたんだ。強く、なりてぇよっ。俺は強くなりてぇよッ!!」焼かれながら、歯をくいしばって炎に焼かれる潮はとらに突き掛かった。
片手で受けるとら。刃先は手の甲を突き抜けたが歯で加えて止めた。「これで獣の槍は使えねぇよっ。やっぱりおめぇは槍がなきゃダメなんだなぁ!!」「でぇおおおうぅッ!!」槍を手離し、変化が解けながらとらの頬を殴り付ける潮。槍は地に落ち、潮は肩の傷の痛みに動きを止めた。「歯応え無ぇなぁっ」唾を吐き捨てるとら。「やめだやめだ! 今の弱っちいおめぇが旨いはずがねぇっ! 強くなったら来てやらぁっ!!」「とら」傷口を押さえながら、潮は飛び去ってゆくとらを見上げていた。
2に続く