羊日記

大石次郎のさすらい雑記 #このブログはコメントできません

ルパン三世

2015-11-20 18:29:15 | 日記
30分枠で器用に纏められていた。これが2時間単発ならカーラは子供ではなく十代後半くらいの花嫁本人の霊になってルパンと少しいい雰囲気になり、朝日と共に別れる話になるんだろうね。うーん、それ見たいな。支配人アルドルフォの娘がルパンに出てくる女子キャラとしては珍しいデザインじゃないかな? マーマのデザインはもうちょっとどうにかなったような気もしたが、カーラと処刑された花嫁のカーラの姉を美しく描いて、アルドルフォの娘をそれなりに仕上げた辺りで気力が尽きちゃったんだろな。実際、マーマ一家が今後も出るキャラかは知らないけど、出させることが容易な便利キャラだからマーマのデザインは今回限りのアルドルフォの娘よりむしろ大事な気もしたが、ホラー属性娘を描く方が楽しかったんだろな。わからんでもない。
次元が手癖悪く、頑固でビビりな呑んだくれクレーマー属性を発揮してたのも中々面白い。鎧まで着なくても。これも2時間単発なら次元は動き難い鎧着たまま戦うハメになって、しかし鎧の固さか重さに助けられる件が高確率で入っちゃうだろうね。次元はルパンが別の筋でイジれない時にコミカルアクション担当していい仕事することたまにある。ルパンと違って次元本人は真面目に対応してるけど状況がナンセンスな感じでね。いいな、次元。良いキャラだ。天麩羅ソバの天麩羅盛りの中の茄子天ぐらいの地位だ。海老天じゃない渋さが良いヤツだ。
ルパンの幽霊の正体に関する理解と対応がホテル関係者、支配人の娘の小さい妹、永く一人でいた小さな幽霊、と切り替わってゆく流れが手堅い。段階をちゃんと踏んでるのが上手かった。マーマ団の件はちょっと大味だったけどさ。後はラストの鎖でガァーっと上がってゆくシーンが素早く手が込んでいて、職人の仕事だった。
次回はようやく五ェ門回か。あの女殺し屋は某暗殺漫画の主人公まんまだぜっ!

おかしの家 1

2015-11-20 18:29:03 | 日記
裏口スペースの生活水路の縁に立ち、旅客機の飛行音の響く昼の空を見上げている太郎。「何やってんだよ?」他の二人とたむろしている三枝が聞いてきた。「空を見ている。どこからどこまでが空なのかなぁと思って」照れ笑いする太郎。「女子中学生みたいなこと言っちゃって」「礼子さんのこと考えてるんですか?」素朴に聞いてくる剛。「愚問だ、王手」将棋をしていた島崎は三枝を詰ませた。「剛、替われ」「ええっ、ここから?」三枝は太郎の隣に移動した。「将棋と違って恋愛は待った無しだぞ?」「お前全然上手いこと言ってないよ?」「でも礼子さん忙しいッスよね。バリッバリのシングルマザー、ッスもんね」将棋もそこそこに口を挟む剛。「どいつもこいつも」うんざりする太郎。
噂の礼子は「ターボで行こう!」弁当をリュックに詰めてやったところ春馬に言われ「ターボで行こうっ!」笑顔で応え、強めに幼児席に春馬を乗せた自転車を漕ぎ出していた。昼、自分の切った明子の漬けた糠漬けを食べる太郎。「やっぱお婆ちゃんの漬けた糠漬けが一番旨いよ」笑う明子。昼食後、問屋がどうのと言ってそわそわと出てゆく太郎に明子は察した様子だった。一方、パート先の厨房の裏口から出てきた礼子に、一人煙草を吸っていた麻理恵は借りた煙草代を返すと金を取り出そうとした。「後でいい?」礼子はいそいそと去った。
町の大きな水路沿いのベンチで待っていた太郎の元に礼子は自転車で急いで現れた。「ごめん遅くなって」呼吸も整わないまま手早く弁当を鞄から取り出す礼子。昼休みが終わっちゃうと忙しそうな礼子と、さっき昼食を済ませたばかりな為、若干怯みつつ弁当を食べ出す太郎。結局御飯を残しそうになった。「まずかった?」「すっごい旨いよ」慌てて食べる太郎。「明日さ、俺が作るよ」礼子は楽しみにしていると、また急いで職場に戻って行った。
     2に続く

おかしの家 2

2015-11-20 18:28:53 | 日記
翌日、明子と昼食を食べた後で明子に不思議がられながら張り切って弁当を作りまた待ち合わせ場所に向かう太郎。礼子の職場では休憩前、先に休憩に入る麻理恵がやたらニコニコしている礼子に「礼子さん、最近ウキウキしていますよね」と話し掛けたりしていた。すぐ後、麻理恵が店の裏口で一人で煙草を吸っていると、勢いで店までのこのこやってきた太郎と出会した。「え? どうも、久し振り」驚く太郎。「わかりますか?」麻理恵も驚いた。「勿論!」「店の人に用ですか?」「木村礼子さんと待ち合わせ」「礼子さん」「礼子には、何も言わないで」「え? そうですか」麻理恵がはっきり答えない内に当の礼子が厨房から出てきた。いきなり居た太郎にも驚いたが、麻理恵と太郎の空気を素早く察する礼子。「行こうか」促す太郎について行ったが、礼子は去り際麻理恵を振り返った。
「昔なんか有ったとか?」公園のベンチで追及される太郎。「俺はお前の元旦那のことについて詮索しない」「聞かれたら話すよ」「聞きたくないし」「あたしは聞きたいけど」作ってきた弁当を差し出す太郎。二人は言葉少なに食べ出した。夜、裏口スペースで太郎達は酒を呑んでいた。麻理恵は太郎が昔贔屓にしたマロンと言う源氏名の風俗嬢だった。「風俗の60分コースって短い短いって思ってたけど、そのコースがまだ続いてるってことだろう?」真顔で例える三枝。「うん」頷く島崎。「深いッスね」感心する剛。「お前ら楽しんでるだろ?」太郎の危機は酒の肴にされた。
後日、また大きな水路の側で二人で弁当を食べていると「麻理恵ちゃん、昨日でお店辞めたんだよね」切り出してきた礼子。「へぇ~」内心動揺する太郎。何気に摘まんだ糠漬けは礼子が明子から分けてもらった糠で漬けた漬け物だった。驚く太郎。「おばちゃんの方が上手だよね」「そんなことないよ」等と話していると時間になった。
     3に続く

おかしの家 3

2015-11-20 18:28:45 | 日記
慌ただしく自転車に乗り込む礼子。「間に合うか?」「ターボで行けばギリギリね」礼子は幼児席付き自転車を強く漕いでいった。
同じ日、さくらやに麻理恵がふらりと来た。太郎は戻っておらず、明子が奥から出てきた。「あら、もしかして、麻理恵ちゃん?」正しく名前を呼ばれた麻理恵。「あたしのこと覚えてるんですか?」「勿論よ、全然変わってない。あの頃から、可愛いらしかった」笑顔の明子。「そうですか。変わっちゃいましたよ、あたし」少し目を赤くする麻理恵。暫くの間、麻理恵は懐かしいと、さくらやの中で駄菓子を手に取っていた。
夕方、大きな水路の傍を離れられずにいた太郎の所に麻理恵が現れた。「太郎さん」「ああ」「さくらや行ってきました」「え?」「あたし海外に行くことになったんです。もう日本に帰ってこないかもしれなくて」そんな訳ない話をすらすらと話す麻理恵。「最後に、どうしても行ってみたくて」「ああ」「知ってました? 私が太郎さんに憧れてたの?」「え?」「ふと思っちゃったんですよね。礼子さんになら勝てるかもなって」「ちょっ、ちょ、ちょっと待って、マロンちゃん」「それ何ですか?」「いや、マロンちゃん」「麻理恵です。なーんだ、やっぱり私のこと忘れてたんだ」「ホントに、マロンちゃんじゃない?」麻理恵は微笑んで答えなかった。
また夜、礼子は明子から糠漬けを漬けるコツを教わり、三枝は母の傍に居た春馬を「お前は男だろ?」と灯りの消えた売り場に連れて行った。「今は眠ってるんだよ、駄菓子がさ」言って聞かせ、それから裏口スペースに連れて行った。太郎が水笛を吹いている。島崎と剛は酔って眠っていた。「このおじさん達も駄菓子みたいな人だ」「意味わかんない」三枝と太郎は島崎達に上着を掛けてやり、自分達は春馬を挟んで座り、やがて眠り出した。春馬も眠っていた。どこかで猫も鳴いた。