〇仏初めて生下す。大地の光明を放ち右手を挙げて曰く天上天下唯我独尊と。
『瑞応経』
〇この言葉は「おれはこの世でいちばん偉い」の利己的な言葉だと誤解されることがある。それは真逆である。
一神教の影響を受けて大乗仏教初期にブッダは神格化されたが、その後の大乗仏教と禅の発展によりこの詩句は人間性の尊厳へのスローガンとなった。
〇過去七仏のヴィバッシン仏(ビバシ仏)の逸話がブッダの逸話に転用された。現代の仏教家は、この詩句は人間性の尊厳を言い表したものだと解する。
『仏教語大辞典』中村元
〇博多崇福寺ご開山大応国師はこの詩句について「人々のために力をつくす」と言っておられる。すなわち利他の施しである。