聚楽第 -発掘調査現地説明会Ⅱ  ① 長さ32メートル、「秀吉の城」の豪快で迫力ある石垣を検出-

2012-12-24 23:33:37 | うんちく・小ネタ
聚楽第 じゅらくだい (京都府京都市上京区)



平成24年12月24日、本丸南端で2回目の現地説明会が行われました。
前回10月7日に現地説明会を行った石垣を対象に、遺存状況確認のため調査区を拡張して発掘が行われました。
その結果、予想以上に良好な状態で続きの石垣が検出され、再度の現地説明会が実施されることになりました。

2回目の現地説明会があるとの情報を得て、朝一番で見学してきました。
以下、その要旨をご紹介致します。


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今回検出された石垣の状態と、そこから見えてきたことは以下の通りです。



(1)石垣は東西方向に長さ32m。3~4段が遺存し、残存高は最大で約2.3m。

(2)石垣の傾斜角度は、約55度と緩やか。

(3)加工されない自然石を使用。高度な技術で積み上げ、石垣の表面が平らに揃っている。

(4)石仏などの転用石は使用していない。

(5)石垣の石材は、東に向かって大型化する傾向がある。

※ 石材の大きさは、西側では長さ約0.7~0.8mであるのに対し、東側では長さ約1.4~1.5m(体積では西側の石材の3~4倍)と大きくなる。
検出された石垣の東端部から東へ約20m先の地点あたりに本丸の南北の主軸線が通り、ここに本丸大手門があったと推定されている。
聚楽第への来訪者の目を意識して、大手門により近い石垣に大ぶりの石材を配したと考えられる。(逆に、大きい石材の配置が本丸大手門の位置を考える手がかりにもなる)

(6)予想以上に良好な石垣遺構が遺存。

※ 今回検出された石垣は、上部の石材(2~3段ほどか)が撤去されているが、遺存状況は良好。
撤去された石材は、堀の中に投棄したか、あるいは伏見築城のために持ち去ったかは今後の研究課題だか、従来考えられてきたような徹底的な破壊が行われたとする見方には再考が必要である。





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