夢見るババアの雑談室

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かわだわか編・著「沖雅也と「大追跡」 ワイズ出版

2010-09-28 01:43:54 | インポート
かわだわか編・著「沖雅也と「大追跡」 ワイズ出版
かわだわか編・著「沖雅也と「大追跡」 ワイズ出版
1952年6月12日生まれの一人の男は31歳の誕生日を迎えたあと半月足らずで亡くなった

6月28日
宿泊中のホテルで飛び降り自殺だったと言う


そう生きていれば 58歳になるのか

生きていた頃を知らず再放送などで知った人達が集まるサイトも
生前からのファンが作ったサイトもあり
数年前 沖雅也で検索し偲ぶ本が出たことは知っていた


ただ それが手に入るとは思っていなかった


楽譜本を買う娘の買い物に付き合い なんとなく映画本コーナーを眺めていて見つけた一冊

主に連続テレビドラマ「大追跡」中心に取材し書かれている

なるほどと思うところもあれば 少し違うんじゃないかと感じるところもある



「大追跡」が始まる少し前だったか 呉服展示会で お見立てゲストとしての沖雅也さんを見たことがある

私を子供の頃から知る呉服屋さんが 嫁入り支度として母が揃えてくれ始めたこともあり招待してくれたのだ

「お土産出るから持って帰って」

客がいないと格好つかないだろうからと 母が何人か知り合いに声をかけ 呉服屋さんの息子さんが迎えに来てくれた

沖雅也さんは真珠色に輝くスーツ姿で 養父・日景氏や数人の男性と共に会場を回り 乞われれば写真撮影にも応じていた


それから亡くなる前の年まで 同じ呉服のゲストとして幾度か来られていた

遂には実現しなかった舞台 一心太助だが もう身体はすっかりいいので舞台を観に来て下さい

その時は そう言われていた


その前の舞台を観に行った時に 舞台端へ土産などこっそり置いて席に戻ろうとした私に二度三度
握手はいいですかと声かけて下さったこともあり 覚えていて下さったらしかった


遠くから眺めるだけでよかった

それでさえ心臓がとまるくらい 全身震えるくらいに好きだった


生きて存在してくれるだけでよかったのに




そんなふうに思うファンは日本中にいたのに



教育実習で行った母校の中学にも 沖雅也さんのファンは多くいて 休み時間など話題にもなった



どれだけ時間が経とうと切ない

本を読みながら 生きていた姿が浮かぶ


俳優としては これからであっただろうにと
一人の男性としても

ただ惜しまれる

「これから」ではなかったか





死んで欲しくはなかった一番の人間



しわしわのジイサンになっても構わない

ただただ生きていて欲しかった



その思いばかりが残る



その魂を連れ去った死に神を とらえ引き戻すことができるなら



まだまだ子供達に 大好きだった役者さんなのーとは教えられそうにない


これほど時間が経ってさえ




思いがけず書店で見かけ 迷いながら買って ページをめくるまで ちょっと時間がかかった
勇気が必要だった



もう そっとしといてあげたいという思いがある


それでも半ば胸に痛みを感じつつ読んでしまう



その昔 6月に「死」が間違いないものと知った時 私の中の何かも死んだ

残骸のようなものをかき集め 取り繕って生き続けている気がする


死ねないままに ただごまかしごまかし 生きている


私の中の一番良い何かは ずうっと昔に死んだのだ


死なずに生きていることにした時に




まだまだ 役者・沖雅也については冷静に書けそうにはありません


願わくば 沖雅也さんの魂がやすらかでありますように


次の人生では 幸せな家庭に恵まれますように


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