今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

神田川を歩く3:下高井戸〜井の頭公園

2016年10月10日 | 川歩き

体育の日の今日は、雨は降らないものの雲が全天を覆って秋晴れにはほど遠い。
こういう日は山に行っても眺めは得られない。

では、どこに行こうかと考えると、行き先は1つしか思い浮かばない。
過去2日をかけて遡行した神田川の残りだ(→前回の記事)。

そこなら、早起きも装備の準備もいらず、しかも3日分の達成感が保証されている。

前回切り上げた下高井戸から出発。
下高井戸からの神田川は、杉並区らしく藻が繁茂してその間に鯉が泳いでいる。

歩道が両岸にあり、いかにも体育の日らしく、両岸ともに走る人が多い。
曇りなので、30℃を越えた前回と違い、日差しも水分も気にならない。
歩道には中野区境からの距離のほかに、目指す水源までの距離が記された道標がときたま現われて励みになる。

右岸の八幡神社(ここも源氏に関係するのか)に参拝し、塚山公園に寄り道する。
この公園付近は、縄文早期(12000年前)からの遺跡が点在しているという。
すると神田川は、江戸時代どころか、日本開闢以前から人々の生活を潤してきたのだ。

この付近(浜田山)は周囲の家も裕福そうで、ヘヴィな杉並の雰囲気を味わえる(写真は塚山橋)。

京王井の頭線の走行音が聞こえてくると、行く手に高井戸にある清掃工場の白く高い煙突が見えてくる。
そこを目ざすように歩くと、高井戸駅前に出る。
環八を歩道橋で渡って、名物「高井戸せんべい」の店の脇から再び川沿いの歩道に入る。
このあたりは鯉が群れをなしており、歩道から川面に顔を出すと、鯉たちが寄ってくる(ちゃんと水面から上が見えているんだ)。

ここから先は、集合住宅が多くなり、同じ杉並でも庶民的でライトな雰囲気となる。

久我山駅を過ぎ、杉並区から三鷹市に入る(下流の23区から武蔵野の市部に入ったわけだ)。
そうしたら、川床が人工的になり、文字のような造形になったり、わざとらしく蛇行させている(写真)。
意図不明な公共工事で、見て楽しくないし、もちろんこの区間は鯉も棲めない。 

ほとんど川の上にある三鷹台駅の手前で歩道が途切れるが、駅の先からまた両岸に歩道が始まる。

そしていよいよ川は井の頭公園から伸びている緑地帯にはいっていく。
小学生男子が川床に降りて、水面に網を揺らしている。

更に公園内を進むと、これまでずっとあったコンクリの側壁がなくなり、歩道も土となり、川の水面沿いとなる。
ほぼ100%自然の川になった。
東京の平地の川でこうなるのはめずらしい。
コンクリの川床しか知らない妙正寺川に比べて、神田川は幸せ者だ。
川には飛び石があって、対岸に渡れる。
そこにも小学生男子がいて、川に入って網をすくっている。
小学生男子という人種が無類の川好きであることは、今までの川歩き経験でよくわかった。 

井の頭線の井の頭公園駅脇をすぎると、私がたどってきた神田川最後の橋である「水門橋」が川にかかっている。
この橋の下が神田川と井の頭池を分けている水門になっている。

すなわち、この橋の下から流れ落ちる水が、神田川の最初の姿なのだ(写真:左端が水門橋)。
この場所が、隅田川と合流する中央区柳橋からの24キロの神田川遡行のゴールとなる。
下高井戸からここまで丁度2時間。
もっとも私がゴールにしているのは、ここ(川の始点)ではなく水源なので、細長い井の頭池をさらに進む。
ここからは完全に井の頭公園内になり、池には足漕ぎボートがたくさん動いている。

一人でどこ(社会空間)まで平気で行けるか(心理的に抵抗ないか)、という問題に関心があるのだが、
公園のボートは一人では乗れない。
河口から水源までずっと一人で歩いてきたのに、水源の池をボートで渡れないというのも悔しいものだが、無理しても乗ろうという気にはなれない。 

井の頭公園は、上野公園に匹敵するような大きな池を中心とした公園で、園内にはレストランや食堂が複数あり、中央線最大の繁華街である吉祥寺に近いこともあって、外国人を含めた観光客が多い。

私にとっても再訪のはずだが、記憶にある風景とは全然違っている。
記憶にある風景は、もっと遊園地的で、石垣の高い壁があった。
記憶にある井の頭公園は夢で見たものだったのか…。

川沿いの神社にはすべて詣でることにしている私は、玉光神社への案内標があったので、公園から外れて上ってみたが、入口は閉ざされていた。
別の入口はないかと付近を歩きまわると、「国際宗教・超心理学会」なる表札のある建物に出くわす。
その建物には別に 「生命物理学研究所」の表札もある。
しかも両方とも同じ博士の名が※。
なんだか昔のSFチック(家に戻ったらネットで検索してみたい)。 

※この1年後、私はスピリチュアルな世界に目覚め、この本山博(博士)の書に出会うことになる。

さて公園に戻り、水源の池に達したので、ボート乗り場横の売店で、フランクフルトと缶ビールを買い、池畔のベンチで池を眺めながら祝杯をあげた(踏破するまでビールはお預けだった)。

池の奥にある弁財天(≒水神)の寺を参拝し、さらに最奥の「お茶の水」の湧水(写真:これが真の水源)に達する。

これで神田川を河口から水源まで完全踏破したことになる。

里川歩きは、平坦な歩道をただ歩くだけだが、いちおうウォーキングの運動になるし、ふだん訪れない地域を知ることができるし、最後に達成感を得られるのがいい。
実は、井の頭公園から西の玉川上水や野川はだいぶ前(ブログデビュー前)に踏破している。
武蔵野の川と多摩川(ただし奥多摩湖まで)をやってから、都区内の川に向かったのだ。
次はどこにしよう。 



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