今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

血圧を下げたい理由

2020年05月28日 | 健康

緊急事態宣言が全国的に解除されたものの、感染の危機が去ったわけではない。

自分の職場の大学では、授業はもちろん会議も遠隔なので、自宅の東京に戻っている。
母が脳梗塞(ラクナ梗塞)を発症したためもある。

そういう自分も、3月以来ずっと血圧が高め。
もともと高血圧症なので降圧剤を服用しているのだが、コロナ騒ぎの中、血圧が下らなくなって、降圧剤を飲まない時の値に高止まりしてしまったのだ。
コロナ騒ぎによる直接・間接的なストレスのせいに違いない。

といっても、緊急事態宣言が解除された途端に、下ったりはしてくれない。
なぜなら、在宅勤務状態は今後もしばらく続くから、ストレスが消えてくれない。
在宅勤務というのは、生活的には楽なはずなのに、この異様な生活パターンは”ストレス”になってしまっている。

ということで、かかりつけの医者に相談したところ、今飲んでいる降圧剤2種類のうち1つを1錠から2錠に増やすことにした。
それで様子をみて、調整しようというわけ。
増量した翌日、血圧の上(収縮期)が10mmHg下った(かように、本来は降圧剤は私に速効する)。
いい傾向だ。

私がこうまで血圧をコントロールしなければならないのには、理由がある。

私とて、薬漬けの人生から脱したい気持ちはあるし、降圧剤は「不要」とか、むしろ「よくない」という言説があるのは知っている。

ただ、少なくとも今飲んでいる降圧剤は、自分に合っていて、副作用はまったくないし、効果もずっと維持できている。

私が高血圧状態でいたくないのは、もちろん脳出血したくないから。

母の脳梗塞は、脳出血の一種である。

母も40代の頃から降圧剤を服用してきた。
その間、母の周囲で、(降圧剤を服用せず)脳の血管が切れて斃れた人を幾人も見続けてきた。
なので血圧コントロールは完璧だったのだが、とうとう高齢には勝てず、今回2回目の脳梗塞となった。

90歳の母の場合、脳梗塞の原因は、生活習慣ではなく、高齢そのものと医師に言われた。
なので降圧剤以外に、血管を詰らせないため、血小板の働きを抑制する薬も服用していた(副作用として内出血しやすかった)。

母の「ラクナ梗塞」は、脳梗塞の中で軽症の部類なのだが、発症には特別なきっかけや前兆がなく、日常のなんでもない時に発症するという。
言い換えれば、”気をつけなくてはならない”事項が無い。
ということは、私もその危険性がある(歳下の同僚も、職場からの帰宅中に、より重症な脳梗塞を発症)。

脳梗塞を防ぐ基本の第一は、もちろん血圧管理。
高血圧が重大な危険因子だ(血圧ノートを作っている母の記録を見ると、発症する前日に血圧が異常に上がっていた)。
そして日常生活で、あえていうなら、水分補給を頻繁にすることだという。

高齢者は、咽喉の渇きに鈍感になるので、特に水分が不足するという(だから、熱中症にもかかりやすい)。
夜中にトイレに行くのを避けるために、就寝前の水分補給をしないものよくない。
今回の母も、水分補給を怠ったきらいがある。

それは何も母だけではない。
在宅生活だと、運動しないし、しゃべらないので、咽喉(口内)が渇かない。
私自身も、水分補給した方がいいようだ(コーヒーは飲むが、カフェインが入っていると利尿効果が出てしまう)。
水分が増えれば、血も粘性(ドロドロ)が下がり、血圧を下げる効果が期待できるから。


致死率は上昇している

2020年05月25日 | 新型コロナウイルス

今日、緊急事態宣言が全国的に解除されるという。

それはあくまで最強の警戒段階が解除されるということで、平時に戻る事ではない。

われわれの頭の中には既に二次感染・三次感染も入っていて、決して感染が克服され、過去のものになったとは思っていない。

それに心に留めておきたいのは、致死率が一貫して上昇し続けていること。

昨日までの集計では、感染者17286人、死者851人なので、致死率は4.92%(4月は3%だった)。

約5%だから、感染者20人のうち1人が死ぬ確率。

医療崩壊していないのに、この値ということは、この病いそのものの恐ろしさを示している。

経済を動かさなくてはならないだろうが、

感染予防にも気を抜けないことを、肝に銘じたい。

 

 


母が二回目の脳梗塞に

2020年05月22日 | 身内

週末を迎えるので、県境を越えて、緊急事態宣言が解除されない東京に帰省した。

帰宅して、リビングに向うと、母(90)が椅子に座っていて、よく開かない口で弱々しく、「梗塞になった」と言う。

驚いた。
そういえば、昨晩母に電話したとき、いつもより声が小さく、滑舌も悪いので、酒でも飲んだのかと思った。

実は、これで2度目(1度目は2016年)。

話を聴くと、近所にある都立病院に弟(在宅勤務中)の車で行ったら、入院を勧められたが、断ったという。
というのは、そこはコロナ感染者を受け入れている所なので、逆にそれ以外の患者に手薄になりがち。
また入院で感染したくないという。

母は、脳梗塞の中ではもっとも軽い”ラクナ梗塞”で、しかも前回よりも軽く、会話と書字に支障があるものの、歩行は問題なく、家で生活できるので、入院するより家でのリハビリを選んだのだ。
なにしろ経験者なので、リハビリの仕方も身についている。
また、前回の入院中に、身動きができない老いた同室者が、数日の間に一挙に認知症になっていったのを目の当たりにしている。
半年ごとに検査に通っているその病院も、今では入院よりもリハビリに力を入れているという。

今週の水曜(私が温泉旅から帰った翌日)に発症し、その時は書字ができなかったが、金曜の今日は字も書けるようになった。

脳梗塞は再発するというが実際そうなった。
それは確かにショックだが、前回よりも軽いのが、幸い。

原因はこの歳だと生活習慣というより、年齢そのもの。
ただきっかけとしては、寒暖の差が大きかったことらしい。


中津川ヒトツバタゴ巡り

2020年05月18日 | 

5月の中津川は、ヒトツバタゴの花が開く(写真)。
ヒトツバタゴは、ほかの木々の中に単独で、白い花が樹冠を覆うため、人々が不思議がり、「なんじゃもんじゃの木」の別名がある。

実はこの木、日本では対馬とこの中津川の木曽川沿いにしかないという。

今が盛りで、今晩は大雨になるというから、宿の2日目の今日のうちに見に行くことにした。
定宿に数え切れないほど泊りに来ているため、中津川市内と周辺の名所はほとんど回ったが、祭りと花はタイミングが合わないと見ることができない。

ネットで調べると、名所といえる木が市内に最低3ヶ所ある。
それらをナビに入力して、出発。

まずは、苗木のヒトツバタゴ。
道路沿いに看板があった。
単独の巨木で、道からもよく見えるが、車を止める場所がない。
さいわい、畑沿いの道路なので、車が来ないから路駐。

この木は恵那山をバックにして見栄えがある(写真)。
とにかく単独の自然林で、ぽつんと白い花を咲かせている。
私が見ていたら、尾張小牧ナンバーの老夫婦がやってきた。

つぎは、ちょっと離れて、一ノ瀬という所の道路沿い(写真:赤い車は私の)。
行き交う車はあれど、止まって見る人はいない。
周囲にもポツポツ見受けられる。

だんだん、目がなれてきて、走行中もヒトツバタゴを見つける。

三つ目は、蛭川のヒトツバタゴで、ここが一番有名らしい。
小川を挟んで、大きな古株がある側、対岸は規模は小さいが並木として連なっている。
並木側は車を止める所がないが、さいわい平日で観光客がいないので、適当に止める。

こうして、この地域だけにある木の花の盛りをハシゴで見ることができた。
しかも、コロナと平日ということで混雑していない。

もうすっかり見慣れたので、帰途中もここかしにヒトツバタゴをみつける。
宿に戻ったら、なんと宿の駐車場にもあった。


遠隔授業をやってみて

2020年05月15日 | お仕事

今週から、勤務先の大学でもやっと授業開始。
ただし当然、遠隔授業という指定。

遠隔授業をやるに当って、事前に受講生にネットで、自宅の通信環境のアンケートを取った。
もともと大学独自のネット教育システムがあるので、それを利用した。

その結果、受講生はパソコンかスマホ・タブレットのいずれかを持ってはいるが、通信容量が無制限でない一定限度契約、たとえば学生個人がwifi契約しているような場合だが、そういう学生が1人以上いる。
この学生は、オンライン授業を受けるだけで、どんどん使用制限に近づく。

なので、授業のほとんどをオンデマンド型にして、授業教材を任意な時にダウンロードし、任意な時にそれで勉強してもらうことにした(私以外のほとんどの授業がそう)。

もともと授業はプレゼン画面でやっていたので、画像ファイルはそれを静止画のpdfにすればいい。
その画面を説明する音声は別個に作成するのだが、私はコンピュータのテキスト読み上げ音声エージェントを使ってみた。
自分の声を大勢に配信する勇気がないのも理由の1つだが(これではYoutuberにはなれない)、パソコンのテキスト読み上げ機能を堪能したいという気持ちがあったため。
昔なら、コンピュータが喋る声って、 「2001年宇宙の旅」のHAL や「ワレワレハ、宇宙人ダ」的ないかにも機械的だったが、Macに無料でついてくる Kyokoの声はほぼ普通の女性。
ただセリフが棒読みなのは仕方ない(人間だって素人はそうなる)。

遠隔授業のメインに使ったのは、大学からのお達しでGoogle Classroom。
大学のサーバーを使わないで済むため。
確かに複数のクラス(授業)を一画面に並べることができて、使いやすい。
なにより、Meetと連繋して、オンライン授業がやりやすい。
なので教員同士の会議もこれを使っている。
しかもクラスごとの課題や掲示板をまとめられるので、Zoom単体より便利。

ただ、WordやExcelなどのMicrosoftのアプリと相性が悪く(文字化けする)、Googleオリジナルのアプリを使わせようとするのが難点。
もっともパソコンを持っていない学生にはその方がいいか。

ただ、さすがのGoogle Classroomも、大学全体で使ってしまうと今週だけで幾度が回線がパンクし、繋がらなくなった。
遠隔授業でネットが繋がらないのは致命的。
なので、その授業は休講となった(私の授業は大丈夫)。

かように、苦労が多いが、使い慣れたらすごい可能性が拡がる気がする。
まず、大学の授業の時間・空間的制約がなくなる。
昼間仕事のある社会人や、大学の所在地から遠い人も授業を受けられる。
言い換えれば、通学の手間を省ける。

そして生のダラダラした授業のネット版ではなく(つまらない動画の視聴限界は5分)、むしろ受講者に能動的に情報探索させることで、教育効率が上がる気がする。
学生からの発信も声でなく文字なので、ネットのコメント感覚で質問やコメントを発しやすくなる。
すなわち教員とのコミュニケーションはむしろ増える。

テストも作りやすく、採点・集計は自動でやってくれるので、毎回出せる。
逆に言えば、生の90分授業(大教室の講義)って教育効率が悪い典型だ。

ただ、学校が担う、教育とは別の重要な役割は失われる。
友人を作ること。
これは空間の共有、共在の時間が必要だ。
もっとも、人との出合いは別の社会組織、対面が前提の組織に移してもいいか。
たとえば、現代社会が潰しかけている”地域社会”とか。

とにかく、遠隔授業をやり終えた頃、教育現場は元に戻ることはないだろう。


在宅勤務が続いての体重

2020年05月10日 | 健康

長〜い在宅生活、皆さん、体重は大丈夫?

私は、GWの前後20日ほど連続して、非連続的には3月から在宅勤務(外出自粛)を続けてきたが、体重は現状維持をキープできた。

今まで、夏休みなど長い実家生活だと、必ず体重が増えたものだ。
昼に外食するから。

今回は、それが無かったのが大きい。

ゆっくり起きる朝はコーヒーだけで、昼を軽く200kcl程度に抑え(300kclを越えると太る)、午後は2kmほど速歩。
夜は普通に食べ、習慣である寝酒の伴につまみ(スナック菓子)を摂る(これが良くないことは重々承知だが、寝る前のストレス解消行事なので止められない)。

運動不足の生活が続いたが、そのせいで食欲も増えず、太ることはなかった(減りもしないけど)。

家にいて太る原因となる”暇つぶしに間食”という習慣がないのも幸いしたかな。

 


じわじわと上昇しているもの

2020年05月08日 | 新型コロナウイルス

カレンダー上の連休が明けて、また在宅勤務が始まった。

東京の感染者数は、毎週金曜が多いが、今日8日(金)は39名で、ここ連日2桁にとどまっている。
もちろん検査数が少ないためで、陽性率は依然として高い。

量的にはピークを越えた雰囲気だが、質的にはどうだろう。

たとえば致死率をみると、昨日の東京都の累計データだと、感染者4771名で、死者160名なので、3.35%となり、
4月の全国レベル(3.0%前後)より高くなっている。
2月以来、ゆっくりながら不気味な上昇が続いている。

感染者30人につき、1人が死亡する割合だ。

もちろん、東京都は検査数を絞っているため、という解釈も可能だが(これを諸悪の根源のように言う人もいる)、
感染者数が桁ちがいに多い欧米では、致死率も高い(死者数も桁違いに多い)。

コロナウイルスとは、本来は普通の”風邪”のウイルスなのだが、この新型に限っては、毎年死者を出す季節性インフルエンザよりも33倍も危険なのだ。

感染の上昇期は誰もが不安になるように、
下降期は、誰もが安心状態になりがち。
そこで油断が生じて、痛い目に合う。

災害は、防災の弱点を突いてくる。
山での事故は、下山中が多い。
うつ病での自殺は、最悪期を脱した回復期に多い。

くれぐれも油断めさるな。


自分のJCBカードが不正利用されている?

2020年05月05日 | 防災・安全
私の所に「MyJCB Express News」と名乗るところから、
「あなたのクレジットカード口座が第三者によって使用されていることを検知したので、あなたの口座が資金の安全のために凍結されたのですが、すぐにWEBサービスIDとパスワードを再登録して、制限を解除しなければなりません。
変更をご WEBサービスよりお申込みください。」
というメールが繰り返し来ている。
そして、貼られたリンク先に行って、クレジットカード情報の変更を促す、という内容だ。
日本語はまともだが(「あなた」ではなく「お前」というスパムメールもあった)、
これだけで怪しさ充分なのだが、もっと怪しいことがある。
 
私は、 そもそもJCBカードを持っていないのだ。
 
私宛のこのメアドは、スパムが多いので、これを金融機関に登録していないし。
 
もし、こういうメールが来たら、まずはキーワード(たとえば「MyJCB」)をコピペしてググってみるとよい。
そうすると、自分宛のメールの内容が世間で出回っていることがわかる。
 
そして何より、自分が契約している金融機関(銀行、カード会社など)に対しては、絶対に貼られたリンクを使わず、必ず前もってブックマーク登録してる公式サイトからアクセスすること。
 
ついでにいうと、なぜターゲットを AMEXや VISAでなくJCBにしたのか、それなりに理由がありそうだ。

アメ横に買い物に行ったら

2020年05月04日 | 新型コロナウイルス

連投で申し訳ない。

緊急事態宣言が月末まで延びた、真の4連休の2日目の今日、外出自粛要請下であることは重々承知ながら、
手元の”アルコール燃料”が切れそうなので、近所では置いていない銘柄を求めて、久しぶりにJRに乗って御徒町に行った。

車内は、ロングシートに1人というスカスカな密度。
御徒町に降り立つと、やっている店(飲食、食料、薬)とやっていない店(衣服・靴)がまばら状態。

いつもよりは混んでいない多慶屋で、”燃料”と”補助燃料”(つまみ)を無事調達(食料品などは普通においてある)。

ついでにアメ横に行く。

まず、名古屋に帰るための新幹線のチケットを見る(チケットショップは3軒中2軒が開店)。
連休後になって使えるチケットだと、東京-名古屋間ののぞみ指定席がなんと8500円で買えた(2店間で値段が異なる)。
これはもう原価割り。

あと開いている店の業種に関係なく、マスクの箱売りが並んでいる。
使い捨てのサージカルマスク50枚入りが2500円から3500円の間で、あまり下っていない。
私が着用している繰り返し使えるポリウレタンマスク(息が吸いやすい)は1枚400円。
これもまだ下っていない。
これらは、最近仕入れたものなので、仕入れ価格自体がまだ高いのだろう。
でも、値段が下るのが目に見えているので、客の財布の紐は硬い。
なにしろ、日頃は自宅にいればマスクを消費しないで済む。
かように2月頃と立場が逆転しつつある。

珍味を求めて二木の菓子にいくと、消費期限が近い(といっても月末)イカゲソの珍味がなんと半額で投げ売り状態。
多慶屋で買わないでよかった。

歩行運動のために、客がまばらなアメ横を縦断して上野まで歩き、そこからJRで戻った。

というわけで、繁華街に買い物に行ったら、それなりに収穫を得た。
もちろん決してお勧めはしない。


マインドフルネスからトランスパーソナルへ

2020年05月04日 | 心理学

このブログでは、市井の一人としての身辺雑記のほかに、研究者として論文化する以前の、アイデアレベルの思索を開陳したい。
それは、個人的アイデアの公開であると同時に、そのアイデア表現の洗練の場となるためだ(自分のハードディスク内だけで文章化するより、こうして不特定の読者が存在しうる場での文章化は、緊張感=本気度が高まる)。
ちなみに、本文で使われる「システム」という用語は、私の「心の多重過程モデル」の用語なので、システム1・2(既存の二重過程モデル)以外は私オリジナルの使い方である。→詳しくは、心の多重過程モデルで理解する仏教:序


さて、私は、茶臼山高原(カエル館)や自分自身に”パワー”の存在を認めている(”パワースポット”のパワーは無批判には認めていない)。
われわれの科学的知性(最も洗練されたシステム2)では説明できないこの現象は、システム2を(2段階)超越したシステム4の存在を想定させる。
システム4は私の中でもまだ曖昧な内容で、科学的心理学ではまったく認められていない心の領域。
ここではこの話をしたい。

実際、私が茶臼山カエル館での来館者の反応の科学的解釈に困っているように、われわれの既存の論理では説明できない現象というものがある。
これは古典力学では説明できない量子現象(半導体などでわれわれの生活に応用されている)の問題とも通じている。
実際量子力学では、量子現象の数式での説明に虚数を使わざるをえない。

私の「心の多重過程モデル」では、人間の通常の心(無自覚行動のシステム1、明晰意識のシステム2の二重過程)に加えて、まずはより高次のシステム3(メタ認知、現象学的態度、瞑想・マインドフルネス)を想定している。

システム2を1段階超越したシステム3(仏教的/療法的マインドフルネス※)の視点では、システム2の作用である思考とイメージ表象は、人間の最高位の理性的活動として賞賛されるのではなく、むしろ苦しみの原因としての妄想と位置づけられる。
※心理学では、臨床の方向からマインドフルネスは認められている。ただしそれが心のモデルの中にきちんと位置づけされていない。

システム2では、思考主体の自我が最高位の制御主体であるため、思考を自らはコントロールできない。
すなわち思考が、妄想に落ちることを制御できない。

そこでシステム3という、思考を客体化して観照する、新たな心の主体(自我からの自極の分離)が必要となる。
この一種の自己乖離(≒解離)法は、すでに2500年前に北インドの地で見出された。

だがシステム3が人類の心の到達点ではない。
システム2が実現した思考・表象の力そのものをより高次元に活かすことが可能であることも、人類は見出している。
たとえば、プラシーボ効果は、システム2の思い込みの力が、システム0の心身一元機能(自律神経系・内分泌系・免疫系)に作用し、身体の自然治癒能力を活性化することとして知られている。

人類が獲得したシステム2のこのすごい能力(意味づけ、物語化の能力)の暴発を防ぎ、抑制的に制御するのがシステム3だ。
だが、システム3が自己の最高位だと、システム2の能力が充分発揮されないままになる。
人類の一人として私は、人がもっている心の能力をフルに発揮する方向を志向したい。


システム3による抑制を踏まえながらも、システム2の”思い込み”能力をより望ましい方向で活性化するのが、
システム4(自我を脱した自極の行き先=トランスパーソナル、心の脱自化)である。
ただし低次を捨て(否定し)て高次に向うのではなく、低次〜高次をすべて十全化するのが多重過程モデルの目標である。

システム4の開発訓練は、システム3の修行で一旦は否定された、思い込みの力をつけ、それを”心的エネルギー”化することである。
気功の訓練がその典型で、自分の身体の内外に”気”が流れていると思い込むことではじめて、気を触覚的に実感することができる(ただしカエル館来館者は、この思い込みがなくても触覚反応を訴える。それはカエル館内の”気”が特異的に強いためらしい)。
あるいはシステム3が、システム2の未制御な雑念活動(モンキー・マインド)を完全抑制する”無念無想”の達成を目指すのに対し、システム4は、実在しない鮮明な表象(観想)を必要とする(阿字観など)。
極端に言えば、システム3が人格解離で、システム4が幽体離脱だ。


「多重過程モデル」の多重(多層)性を担うサブシステム群(システム0〜4)は、低次のサブシステムの拡張とその反動(バランス化)、すなわち肯定と否定の二重の方向性で高次のサブシステムが創発される、という相互関係にある。
すなわち、システム3の能力はシステム2の能力の拡張であると同時に、その否定でもある。

そしてシステム4もシステム3の拡張(瞑想の進展)であると同時にその否定であり、それは論理的にシステム3が否定したシステム2の二重否定すなわち肯定となる。

ここで注意したいのは、システム3を経由しない、システム2の妄想的思考の無批判な拡張にすぎない、疑似(エセ)トランスパーソナルが、世界のあちこちに跋扈していることである。
これらは修行が必要なシステム3でなくても理解できるため、通常のシステム2で受容しやすい。
ただその陥穽に落ちると、自分のすべてが吸い上げられ、人生を台無しにされる。

真のシステム4は、システム3を経由したものであり、システム2の単なる暴走とは、厳密に区別されなくてはならない。
ただこの区別が可能なのは、システム3、4の心である。
科学的思考のように自己検証をしない”素朴な”システム2に留まっている心では、願望の投影や話の辻褄が合うだけで、いとも簡単に自他の妄想的思考にはまってしまう。

システム2から3への自然な流れは、日常的(定性的、辻褄整合的)思考→科学的(定量的、実証的)思考→現象学(無前提的)的思考→正見・正念(八正道)という流れだといえる(科学的思考は日常的思考の批判であり、現象学的思考は日常的思考と科学的思考の両方の批判である。すなわち思考活動に付随する諸々のバイアスを取り除いていく過程)。

この流れを経ずして、安易に「トランスパーソナル」に近づかない方がいい。


健康を考えたカップ麺:追記2

2020年05月03日 | 生活

私にとっては不健康食の代名詞で長年遠ざけていたカップ麺が、最近見直すに値し、実際に食べるようになってきた。

具体的には、まずカロリーが300kcalを切る商品が増えたこと。
そして次の関門、塩分(食塩相当量)も4.0gを切るの商品も増えたこと。

もちろん、私が実際に購入するのは、カロリー・塩分ともに合格ラインなものに限る。
こういう商品は、若者が主なターゲットであるコンビニには置いてなく(高カロリー・高塩分のガッツリ系ばかり)、年齢層の高いスーパーで探す。

たとえば明星食品の「評判屋 わんたん塩ラーメン」は、ノンフライ麺を使ってカロリーを237kcalに抑え(200台前半に抑えているのは優秀)、塩分こそ4.0gと私基準では高いが、それでも従来品より塩分が25%カットされているという(塩分を減らしてダシを増やしたらしい)。
さすが技術力のある明星食品。
そして、その塩分摂取量を、さらに2つの方法で減らす工夫がされているのがいい。

一つは、「しおケアカップ」と名づけたカップ底面近くの段差部分で、そこより下のつゆを残せば、食塩相当量が2.3gですむと書いてある。
日本人の食塩相当量の目標値は1日6gなので、目標値の1食分相当だから大合格。
こういう工夫は、塩分コントロールをすべき全日本人にありがたい。

もう一つある。
これは大々的には謳っていないが、つゆがインスタント袋麺と同じく別袋になっており、食べる直前に入れるようになっている。
すなわち、スープの塩分濃度それ自体をユーザーがコントロールできる仕組みだ。
従来のカップ麺にできなかったのはこれだった。

というわけで、私は、粉末スープを全部入れず、2割ほど残した(袋麺の経験上、半分残しても大丈夫)。
カップ麺は、たいていそれだけでは栄養バランスが悪いので、今回はゆで卵1個と生ワカメとミックスベジタブル(冷凍)を入れた。
こういう具を入れると、スープに混じるので、スープを残しにくくなるのが痛しかゆし。
でも粉末スープの投入量を最初に減らしたので、スープを全部のんでも塩分は抑えられる。

値段も高くなく、ノンフライ麺だから生麺に近い食感(かんすいも使用)。
そもそも私は、「食べるならラーメンよりワンタンメン」(ワンタンだけだと物足りない)と日頃から思っているので、まずはその理由でこれを手に取った。

最後に注意しておくが、こういうノンフライ系のカップ麺は、湯を入れて待つのが3分ではなく、4分であること。
この1分の違いが大きいことは、早まって食べてしまってわかる。

追記:近所のマイバスケットに、もう1つ大合格を出したいカップ麺があった。
「金ちゃん ぶっかけ生うどん」である。
いわゆる大手でない、徳島のローカルな「金ちゃんヌードル」の会社(徳島製粉)なので、
東日本ではめったにお目にかかれないかもしれない(実際、周辺の他のマイバスケットでは置いてなかった)。
これは真に生うどん(小麦は国内産)なので、乾麺のカップうどんとは異なり、本物のコシが味わえる。
しかも生うどんなので、湯を入れて待つのは3分ではなく、2分
なんと上の「わんたん塩ラーメン」の半分の待ち時間。

さて肝心のカロリーは263kcal。
小麦以外に寒天を使っているからか。
揚げ玉がはいっていてこの値なので、それがなければ(私は不要論者)さらに下げることも可能。
そして塩分(食塩相当量)は2.2g。
こちらはつゆを残さなくてもこの値だ。
なので優秀さでは、こちらが上。
この値で済んだのは、なにより湯を捨ててつゆに麺を浸さない、ぶっかけ形式であるため。
それにかつおだしが効いているためだ。

このカップうどん、値段も安く99円(税抜き)で売っている。
具は貧困なので、自宅で追加すればよい。
湯を捨てた後、冷水を入れて切れば、”冷やし”にもできる。

さらに追記2:金ちゃん生うどんに「焼きうどん」バージョンもあった。
こちらはマイバスケットではなく、100円ショップのCan★Doで発見。
確かに生うどんの湯を捨てるのだから、焼きうどんが生まれるのは自然の条理。

しかもカップ焼そば(UFO)のように”かやく”(乾燥野菜)がついてくる分(揚げ玉のふりかけは常備)、栄養バランス的にもお得。

肝心のカロリーは291kclなのでギリ合格。
そして塩分(食塩相当量)は1.6gとさらに下っている!
4g以上が当たり前のカップ麺の世界で、この値はすごい。

蒸らし時間は同じ2分で、100円(1円高い)なのだから、時計にも財布にもやさしい。

惜しむらくは、甘目のソースが、「焼きうどんは醤油派」の私にとっては、うれしくなかった。
私にとって不要な揚げ玉と糖類を減らしてくれれば、さらにカロリーを下げられるぞ。
その分、かやくを増やしてくれると尚嬉しい。


正念場の真っ最中

2020年05月01日 | 新型コロナウイルス

東京の感染者数が減少傾向にあるかのおおざっぱな判断として、
一昨日(29日)に「今週の金曜(5/1の平日)に100人割ってくれれば、減少傾向に確信がもてそう」と期待を込めて書いたものの、
その金曜は、果たして感染者165名という残念な結果に終った。
トンネルの出口はまだ見えない。

そして金曜が高いと土曜も高そうだ(クラスターが3箇所も発生したので続きそう)。
ただ、週計(日〜土)にすると、今週はたぶん先週(862人)を下回り(明日を残して481人)、2週続けて減少となる。

もっとも東京は検査数そのものが日によって変動が大きいから、検査数よりその陽性率、そして感染者数より、死者数と致死率の方が重要であるのは確か。

実際に致死率は減っていないし、陽性率も高いままなようだ。
つまり真っ暗なトンネルのど真ん中にいる。
逆に言えば、爆発的感染フェーズになだれ込むには至らず、その手前でなんとか踏みとどまっている状態。

この「踏みとどまっている」というのは、野放し状態では起りえず、われわれ自身の努力によるもの。

すなわち、今が正念場の真っ最中ということ。
おそらく来週までの連休中は、皆我慢し続けるだろう。

問題は、我慢の限界となる連休明け。
今の我慢の成果が、その時にこそ現れる。